世界ラリー選手権(WRC)

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WRC(世界ラリー選手権)の2015年シーズンも後半に入りました。もう年間チャンピオンが誰かではなく、セバスチャン・オジェ選手にいつ決定するかという話題になってしまっています。不景気が影響で参入チームが減ってWRCの人気がなくなったのは事実でしょうが、強すぎる人がずっと強いままなので面白くない!と思う人も多いかと思います。2004年から2012年まではセバスチャン・ローブ選手が、2013年からはセバスチャン・オジェ選手が連覇とセバスチャンだらけ。1人でもいいから彼らを脅かす存在が現れて欲しいところです。

今回は少し視点を変えて、彼らが乗るマシンをチェックしてみることにしました。今季は4社のメーカーのクルマが使用されています。それでは見ていきましょう。

2016年版はこちらで始めました。

世界ラリー選手権(WRC)

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WRC(世界ラリー選手権) 2015 第9戦 ドイチェランドが開催されます。ドイツと言わず、ちゃんと国名をドイツ語にするのが通例です。なかなか聞き慣れませんが。

開催拠点はドイツ西部の歴史ある都市トリーア。競技は3日間、21ステージ374.43kmの舗装路を走ります。今季はここまでグラベルと呼ばれる砂利道続きだったため、各チームともクルマのセットアップやドライビングスタイルを大きく変更することになり、選手やメカニックたちの腕の見せ所となります。

世界ラリー選手権(WRC)

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次戦ラリードイツの開催まであと1週間を切りました。チャンピオンシップ争いはここでセバスチャン・オジェ選手に決定してしまう可能性があり、ほぼ規定路線。しかし、来季に向けた他のチームの動向がにわかに慌ただしくなってきています。今回もwrc.comよりいくつかの記事を抜粋してお届けします。

 

より良い条件を求めて戦うよ

Østberg seeks greater commitment

2014年よりシトロエンチームに在籍するマッズ・オストベルグ選手。クレバーな走りで毎回上位の成績を残してはいますが強敵フォルクスワーゲンに未だ敵わず、ドライバーの契約も1年ごとの更新と、腰を落ち着けて戦いを挑むには中途半端な状態が続いています。

「まぁ、このチームに加入してからずっとこの状態が続いているよ。僕としては好きじゃないスタイルだけど、現状はそういうことだ。いつももっと良くしたいとは思っているけどね」

不振に苦しむシトロエンチームとしても来季ドライバーの選定は重要事項です。現在のドライバー、オストベルグ選手とクリス・ミーク選手はフィンランド、ドイツ、オーストラリアの3つのレースで評価されることになっており、結果によっては今年一杯で契約打ち切りの可能性もあるようです。

「フィンランドでは3位でフィニッシュできて、まぁ良い結果になったよ。その前のポーランドとは違って事前にテストできたのも良かったね。トップレベルのチームとしてライバルたちと戦うのに事前のテスト走行をしないなんて大丈夫だろうかって気持ちになったよ」

どうやらチームのオーダーに対しても多少の不満を滲ませるオストベルグ選手。ようやく手にした念願のトップチーム加入でしたが、チーム移籍の可能性もありそうです。

 

 

ドイツ?どんな感じだったっけ?

Tänak unsure about German pace

フォードの暴れん坊、オット・タナク選手。次のドイツでの戦いは、実はとっても久しぶりのターマック(アスファルトで舗装された地面)走行なのです。

「なんて言っていいのかわからないね。僕がWRCカーで最後にアスファルトを走ったのは2012年の終わりだ。正直どんな感じだったか思い出せないんだ。早くドイツに言って初日からステージタイムを確認したいよ」

新しくなったフォードのクルマでは、チームメイトのエルフィン・エバンス選手も同様に初めての経験となります。イタリアではテストしたことがあるものの、現地ドイツで練習できるのはレース前の短い時間しかありません。

とはいえタナク選手、SWRC(WRCの下位カテゴリー)ではドイツのアスファルトコースで優勝経験もあり、決して苦手ではありません。しっかり舗装されているコースではスピードも出せるので、現在ノリノリの飛ばし屋タナク選手には丁度いいかもしれません。

 

 

あの栄光を再び

Hyundai returns to scene of historic 1-2

ヒュンダイは韓国のメーカーですが、WRCチームの本拠地はドイツ。ということで次戦のラリードイツはホームコースでもあります。そして、去年は誰も予想しなかった1-2フィニッシュを決めた栄光の場所でもあります。

今年はそのドライバー、ティエリー・ヌービル選手とダニ・ソルド選手、それに加えてセカンドチーム(1チーム2台体制で、ヒュンダイは2チームを管理下に置いています)のハイデン・パドン選手とケビン・アブリング選手が参戦します。マニファクチャラーズランキングでもシトロエンに2ポイント差まで迫っており、ここで一気にフォルクスワーゲンに次ぐ2位の座をダッシュしたいところなのでしょう。

チームのエースドライバーであるヌービル選手にとっては更に嬉しいことに、ラリー開催地は彼の故郷ベルギーの近く。しかも弟さんも未来のトップドライバーを目指して同時開催されるオペル・ラリー・カップという選手権にエントリーしています。これはいいとこ見せなきゃなりませんね。

「去年のドイツラリーは本当にいい思い出になったよ。チームにとって初めての優勝だったし、WRCに参戦して間もない僕らにとってとても大きな偉業だった。まさか最初のシーズンであんな結果を出せるなんて予想もしていなかったよ。今年も去年同様、速さと自信を持って戦いに挑みたいね」

去年はフォルクスワーゲン勢の自滅という幸運にも助けられましたが、今年は自力で勝ちに行こうとしているようです。キュウリのようにクールな男という変な異名を持つヌービルさん。2連覇となるでしょうか。

 

 

 

世界ラリー選手権(WRC)

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WRC(世界ラリー選手権) 2015 第8戦 フィンランド閉幕しました。

レース概況

最終日は2ステージのみ。前日に勝負を賭けたフォルクスワーゲンのヤリマティ・ラトバラ選手がチームメイトのセバスチャン・オジェ選手に13.2秒の差を付けており、順調に行けば優勝間違いなしなのですが、前戦ポーランドでは最終ステージでクラッシュしたラトバラ選手なので心配でした。

しかし最初のステージで弱気な姿勢など全く見せない素晴らしいタイムを記録。次のファイナルステージでもオジェ選手には及ばなかったもののほぼ互角の速さでフィニッシュし、無事優勝となりました。

3位はマッズ・オストベルグ選手。4位のティエリー・ヌービル選手(ヒュンダイ)がエンジントラブルを抱えていたため、追い上げられることなく余裕を持っての表彰台でした。この頃は同じシトロエンのチームメイト、クリス・ミーク選手の方が良くも悪くも目立っていましたが、ここまでリタイアなしで堅実に結果を出し続けています。

ヌービル選手を必死で追い上げたフォードのオット・タナク選手は5位。マシントラブルによるタイムロスをなんとかリカバリーしてここまで来ました。

注目のフィンランド勢も最後まで頑張り、ユホ・ハンニネン選手が6位、エサピッカ・ラッピ選手が8位でフィニッシュ。地元の選手がトップ10に3人も入ってしまいました。

 

選手たちのコメント

Latvala wins fastest WRC rally ever

地元で開催されたイベントで見事優勝したラトバラ選手。これだけでも十分素晴らしいのですが、このレースを通しての平均時速が125.44kmとなり、WRC史上最高速度を記録しました。耐久レースみたいな展開になったり突然天候が変わったりと過酷な状況にも関わらず、ラトバラ選手がどれだけ集中していたかが伝わってきます。

「僕の人生の中でも最高の走りだったよ!そしてフィンランド人であることを誇りに思うよ。今シーズンはいろいろ大変だったけど、ここ地元で勝利できたことは半分世界チャンピオンになったような気持ちだね」

「ポーランドで残念な結果になってから、もう今季のタイトル争いは無理かなって思って、でもその分ここでの勝利に集中しようと考えたんだ。それが叶って本当に嬉しいよ」

2位に終わったチームメイトのオジェ選手も、今回の彼の速さを賞賛しています。

「勝てなかったのは僕に問題があったわけじゃないよ、彼が速かった、そういうことさ」

 

最終順位

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順位 選手名 車種 タイム差
1 ヤリマティ・ラトバラ選手 フォルクスワーゲン
2 セバスチャン・オジェ選手 フォルクスワーゲン 13.7
3 マッズ・オストベルグ選手 フォード 1:36.8
4 ティエリー・ヌービル選手 ヒュンダイ 3:58.7
5 オット・タナク選手 フォード 4:29.3
6 ユホ・ハンニネン選手 フォード 4:44.3
7 マーティン・プロコップ選手 フォード 6:20.3
8 エサピッカ・ラッピ選手 シュコダ 7:11.2
9 ポンタス・タイドマン選手 シュコダ 8:52.2
10 ロレンツォ・バルテッリ選手 フォード 9:37.4

 

ビデオクリップ

WRC 2015 Rally Finland SS18

 

WRC 2015 Rally Finland SS20

 

世界ラリー選手権(WRC)

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WRC(世界ラリー選手権) 2015 第8戦 フィンランドDAY3が終了しました。

レース概況

中盤までは、ヤリマティ・ラトバラ選手とセバスチャン・オジェ選手のチームメイト同士による首位争いが繰り広げられました。前日までのタイム差、2.6秒を更に広げたいラトバラ選手と、なんとしてもひっくり返したいオジェ選手。この二人の激しい争いが続きました。

午後の後半戦に入ると状況が一変します。突然の激しい雨に襲われ、まずは3位を走行していたシトロエンのクリス・ミーク選手がコースオフしてクラッシュ。左前輪を破損してリタイアとなってしまいました。ここまでミスのなかったオジェ選手でさえ、道脇にあった岩にクルマをヒットさせ、ヒヤリとさせます。滑り過ぎて走れない!と各ドライバーが不満を口にする中、一人だけ賭けにでた選手がいました。

なんとラトバラ選手がここで猛チャージを見せて後続を引き離しにかかります。DAY3終了時点で2位のオジェ選手に13.2秒の大きな差を付けることに成功。地元での勝利の執念か、いつも見せるメンタルの弱さを微塵も感じせさない速さです。

ミーク選手がリタイアしたことで、3位にはチームメイトのマッズ・オストベルグ選手。2位までは1分28秒も差を付けられ、4位のティエリー・ヌービル選手には2分近い差があるため、最終日は無理せず一人旅をするようです。5位にはフォードの暴れん坊オット・タナク選手が入ってきました。昨日はマシンの損傷があって無理できませんでしたが、一晩経ったら元気になりました。

地元選手たちも健闘し、ユホ・ハンニネン選手が6位、エサピッカ・ラッピ選手が8位となっています。

ラリーフィンランド最終日はわずか2ステージ。日本時間8月2日(日)16時43分スタートです。ラトバラ選手、頑張って!

 

選手たちのコメント

SS16: Meeke crashes out of third

突如降り出した雨によって、経験豊富なドライバーたちにとっても過酷なレースへと変貌しました。無事走り終えた選手たちからもその大変さは伝わってきます。オストベルグ選手もコースがツルツルだと漏らしています。

「最初は何度かコースオフしそうになったよ。まるで氷の上をドライブしているみたいに簡単に道を外れそうになるんだ。で、安全に走る方に気持ちを切り替えた。せっかくのラリーを台無しにしたくないからね」

オジェ選手でさえこの状況には手を焼いていたようです。

「スタート直後だったんだけど、コース脇の溝ギリギリのところまで行ってしまって、そこにあった岩にタイヤをぶつけてしまったんだ。パンクしたと思ったんだけど、どうやら大丈夫だったよ」

同じようなミスでミーク選手はリタイア。オジェ選手はなんでもないなんて、やはりこの人は何か持っていますね。

 

Afternoon flourish puts Latvala clear

午後の強い雨で他の選手がリスクを避けタイムを落としている中、勝負に出たラトバラ選手。いつものドジっ子ぶりを吹き飛ばす素晴らしい集中力で一人だけ別次元にいるような走りでした。

「雨が降って、ここが勝負どころだと思ったんだ。どこかでリスクを取らないと勝てないからね。路面もところどころ濡れていたり乾いていたりで、全開で行くのは簡単じゃなかったよ!」

 

DAY3暫定順位

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SS8-16 ビデオクリップ

WRC 2015 Rally Finland SS8-13

 

WRC 2015 Rally Finland SS14-16

世界ラリー選手権(WRC)

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WRC(世界ラリー選手権) 2015 第8戦 フィンランドDAY2が終了しました。

レース概況

9ステージ、158.43kmの長い1日を制したのは、地元のヒーロー、ヤリマティ・ラトバラ選手。序盤はトップを快走するチームメイトのセバスチャン・オジェ選手と追走するシトロエンのクリス・ミーク選手に差を付けられていましたが、午後に調子を上げて首位を奪い、2.6秒の差ですが暫定1位となりました。

ラトバラ選手に優勝のチャンス到来!と喜びたいところですが、この人は最後まで目を離せない人なのでドキドキしながら見守りたいと思います。

オジェ選手は出走順が1番手で、前日の雨の影響で路面に轍が残っていて走りにくく、リズムを少し崩してしまったようです。初日は出走順が味方になりましたが、この日は逆に不利になってしまいました。

3位のミーク選手は序盤からオジェ選手と首位争いを繰り広げましたが、トランスミッションのトラブルが発生して徐々に失速。この日は競技が終わるまでメカニックによる修理をできない長丁場で、それでも24秒差ですからよく凌いだなという感想です。マシンが無事治ればまだまだ戦えるはず。その後には同じくシトロエンのマッズ・オストベルグ選手、そしてヒュンダイのティエリーヌービル選手と、このコースに対して経験の多いドライバーたちが顔を揃えました。

ラリーフィンランドは北欧の選手が強いんですが、トップ10の中にラトバラ選手以外の地元選手が2名も飛び込んで来ました。7位のユホ・ハンニネン選手はヒュンダイのドライバーですが、フォードからスポット参戦。いきなり走ってこの成績って。そして9位はWRCの下位カテゴリー(アメリカの野球に例えるとマイナーリーグ?)WRC2に参戦しているシュコダ・ファビアチームのエサピッカ・ラッピ選手となり、こちらもトップドライバーたちと互角の走りをしています。

ラリーフィンランドDAY3は勝負どころの131.04km、8テージとなります。日本時間8月1日(土)14時08分スタートです。

 

選手たちのコメント

Photo special: Finland duo over and out

盛り上がるレースの中で最初に犠牲になってしまったのがフォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセン選手。いつもミスの少ない彼ですが、コースの魔物に取り憑かれてしまったんでしょうか。

「フィンランドのコースはよく知っているはずなんだ。でも今年は最初のあたりが少し変更になっていて、ちょっとアグレッシブに攻め過ぎたかもしれない。クラッシュした時は何度クルマが横転したかわからなかったよ。でも僕もコ・ドライバーも無事でとってもラッキーだった」

続いてヒュンダイのハイデン・パドン選手もクラッシュ。

「左コーナー手前の、緩い右コーナーを全開で行ったんだ。コーナー内側に小さな岩が隠れていて、そこにヒットしてしまった。ハンドルが効かなくて、観客の間をすり抜けて左コーナー奥の木に真っ直ぐ突っ込んでしまったんだ。僕らは大丈夫だよ。でもクルマはどうかなぁ」

両者ともクルマの損傷が激しく、リスタートは難しいようです。

 

Latvala flies to Finland lead

最後はラトバラさん。フライング・フィンなんて言葉がピッタリですが、最後まで無茶しないで走ってくださいね〜。

「こんなにスピードを出してここを走ったことは今までなかったよ。ジャンプが多いから、何箇所か飛びすぎてちょっと怖いくらいだったね。午後は本当に調子良かったよ!」

なんだか危険な香りがします。ほんと気をつけて!

 

DAY2暫定順位

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SS1-7 ビデオクリップ

WRC 2015 Rally Finland SS1-4

 

WRC 2015 Rally Finland SS5-7

 

WRC 2015 Rally Finland SS1 マッズ・オストベルグ選手

世界ラリー選手権(WRC)

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WRC(世界ラリー選手権) 2015 第8戦 フィンランドが開幕しました。DAY1は1ステージのみ。スタート前には激しい雨が降っていましたが、直前には上がり明るい日差しが差し込む中(フィンランドではこの時期、日没は夜の10時過ぎです)無事レースが開始されました。

初日トップを奪ったのはフォルクスワーゲンのセバスチャン・オジェ選手。テレビ中継に合わせて彼の出走順が一番最後になったおかげで、路面が乾いた頃に走ることができるという幸運も重なり定位置に躍り出ました。

2位は0.6秒差でシトロエンのクリス・ミーク選手。3番手にはオジェ選手のチームメイト、アンドレアス・ミケルセン選手が0.2秒差でその後を追います。

連覇に挑むヤリマティ・ラトバラ選手はトップから1.6秒差の5位とまずまずのスタート。レース前のシェイクダウンでクラッシュしてしまったヒュンダイのティエリー・ヌービル選手は、出走が心配されましたが無事クルマの修理が間に合い8番手につけました。まだ1ステージなのでトップ10までは4秒弱の差しかなく、まだまだこれからです。

ラリーフィンランドDAY2は名物ステージオウニンポウヤを含む9ステージ、日本時間7月31日(金)15時28分スタートです。

DAY1暫定順位

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WRC 2015 フィンランド シェイクダウンの模様

 

 

 

世界ラリー選手権(WRC)

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WRC(世界ラリー選手権) 2015 第8戦 フィンランドが開幕します。

世界ラリー選手権(WRC)

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WRC(世界ラリー選手権) は約1ヶ月のインターバルを終えて、いよいよ来週からフィンランドで再開されます。各チームはそれぞれテストに入っているのであまり大きな動きは今週もありませんでしたが、wrc.comにアップされた記事の中から各ドライバーの心境やチームの動向などををいくつかピックアップしてお届けします。

 

僕なんてまだまだだよ

Paddon: Neuville remains the benchmark

ニュージーランド出身でヒュンダイチームのドライバー、ハイデン・パドン選手。ポルトガル、イタリア、ポーランドと、ここ3戦はチームのエースドライバーであるティエリー・ヌービル選手よりも良い成績を出し続けてきました。ヌービル選手、そしてダニ・ソルド選手は改良を施したマシンに乗れているというのに、旧型マシンにもかかわらずそれを上回るパフォーマンスでした。

しかし彼はあくまでも控えめな態度で、まだまだチームの中心はヌービル選手だと認めています。

「彼らにとって良くない時期が続いていただけさ。多分フィンランドではヌービル選手が速いと思うよ。フィンランドはポーランドみたいには飛ばせないコースだろうけど、それは僕らのマシンにもいいことだと思う。あまり限界まで攻め続けると息切れを起こしちゃうからね」

それでも心の底には強い意志が顔を覗かせます。

「目標は今までと変わらずトップ5に入ること。控えめに思えるかもしれないけどね。チームの状態にも不満はないし、もちろんできることは1歩ずつ進めているよ。あとはヘルメットを被って全力で戦うだけさ」

派手な選手よりも、彼のように冷静さを保てるドライバーの方が手強そうですね。フィンランドの次戦、ドイツからはパドン選手にも改良型が与えられる予定なので、さらなる活躍を期待したいと思います。

 

彼の自信は最高潮に達している

Wilson: Tanak’s confidence flying high

パドン選手とは正反対に、戦いの情熱を隠そうとしないのがフォードのオット・タナク選手。フォードチームの代表、マルコム・ウィルソンさんも彼の変化に気づいているようです。

「あんなにリラックスして走っている彼を今まで見たことがないよ。彼は過去にも表彰台に上がったことがあるし、元々才能はあるんだ。でもレースを台無しにすることも多かった。だけど今はとてもいいフィーリングを感じているし、今季後半の成績も期待できそうだね。彼はとても強くなったし、私の予想を超えるかもしれないね」

ここ数年、なかなか良い成績を残せないままでしたが、ようやくその能力を認められるときが来たようです。

「クルマと一心同体になることがドライバーとして最高の状態だし、今がその時だと思う。だからこそ彼はポーランドで結果が出せたんだ。フィンランド戦でも私の指示は変わらないよ。タナク選手が彼自身の走りに集中して、フォルクスワーゲンに挑戦し続けることだ」

成功も失敗も、やること全部が派手なタナク選手。WRCを盛り上げるには、彼のようの才能を持った人が必要なのかもしれません。

 

チェスの王者とWRCの王者、ご対面

WRC Master meets Grandmaster

最後の話題はレースとは関係ありませんが、面白い組み合わせだったのでご紹介します。

24歳にしてチェスの世界チャンピオンになったマグナス・カールセンさんがフォルクスワーゲンチームから招待を受け、WRCのチャンピオン、セバスチャン・オジェ選手と出会うことになりました。

カールセンさんはオジェ選手の隣のシートに座り、本物のWRCカーの走りを体験することに。元々彼はモータースポーツの大ファンだったそうでドライブを楽しんだ後は大喜びだったそうです。

「彼がどうマシンを操って、コーナーでマシンを振り回すのかをすぐ横で見られたんだ。最高だったよ!」

「チェスとラリーは、君たちが思ってるより共通点が多いと思うよ。両方に通じて言えるのは、常に限界の集中力と正確性を要求されることかな。加えて数手先を常に見据えていなけらばならないところもだね」

一方、オジェ選手もこの出会いに喜んでいます。

「マグナスさんに会えて嬉しかったよ。素晴らしい人だし個人的にも興味があったんだ。本当にすごい記憶力を持っているよね!」

このオジェ選手の”おもてなし”はWRCの楽しさを多くの人に体験してもらおうと過去にも何度か行われていて、去年はブラジルサッカーのスーパースター、ネイマール選手を乗せて全開走行を披露したそうです。

 

 

世界ラリー選手権(WRC)

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WRC(世界ラリー選手権)は次のフィンランド戦までは約1か月のインターバルがあり穏やかな日々が続いています。話題も前回のポーランド戦や新しいWRC4というゲームのことなどが、のんびりと流れています。とは言え来季の去就についての噂も流れていたり水面下ではいろいろと起こりつつあるようです。今週もwrc.comにアップされた記事の中から、各ドライバーの心境やチームの動向などをいくつかピックアップしてお届けします。

※多少の意訳、超訳もありますが英語翻訳の勉強中ということでご容赦ください。

 

ポーランドの呪い、再び

Poland curse hits Latvala again

WRC 2015 第7戦 ポーランド。フォードのオット・タナクさんと激しい3位争いを演じていたフォルクスワーゲンのヤリマティ・ラトバラ選手は最終ステージ終わり間際でまさかのクラッシュ。これによって3位どころか最終的には5位フィニッシュという結果に終わってしまいました。

「どうして、こんなに完走が難しいんだろうね」

実はラトバラさん、ポーランドでは過去にも同じような悪夢を体験しています。それは2009年のこと。2位確実と思われていたのですが、その時も最終ステージでクラッシュしてリタイヤ、完全にレースを台無しにしてしまったのでした。今回はなんとかレースを続行できましたが嫌な思い出が蘇ったのではないでしょうか。

「タナク選手まであと1.1秒差だったんだ。だから彼に勝つためには全力で行くしかなかった。あの瞬間までは順調だったよ。左コーナーに入った時に少しスピードが出過ぎているのに気づいて、これはマズいなって思ったんだ。それで木々の間にスペースがあったからうまくそこに入りたかったんだけど、いや、入れたと思ったんだけど木にぶつかってしまったんだよ」

なんとか最悪の事態だけは避けられたラトバラさんでしたが、クルマのダメージは深刻だったようです。

「ラジエーター(エンジンを冷やすための冷却水に風を当てたりして冷やす装置)が割れてしまった。補修剤を使ってなんとか穴埋めをして、幸運なことにドリンク用のボトルを積んでいたのでそれで冷却水を補充したんだ。そのおかげでなんとかフィニッシュラインまでたどり着けたんだよ」

「なんとかして表彰台に上がりたいと思ってたんだ、そのチャンスは逃してしまったけどね。助けてくれたメカニックたちには感謝してるよ!彼らがいたから最後まで走れたんだ」

 

次も表彰台を狙うよ!

Tänak targets repeat podium in Finland

同じフォードチームの中でも、先に表彰台に上がり堅実な走りのエルフィン・エバンス選手に比べて暴れん坊のイメージが強いオット・タナク選手。しかしポーランド戦では強すぎるフォルクスワーゲンと唯一勝負できる男として素晴らしいバトルを演じ、3位表彰台をゲットしました。

「フィンランドはポーランドと同じようなスピードコースだね。でもジャンプスポットが多かったり、もう少しテクニカルかな。でも何度か走った場所だしね」

「もちろんフォルクスワーゲン勢を倒すのは簡単じゃないさ、彼らは強いから、勝つためにはいくつかリスクを背負うことにもなる。だけど、少なくとも前回と同じ結果くらいは出せるんじゃないかなと思ってるよ!」

3位争いを制した後には「くたばれ!フォルクスワーゲン!」なんて豪快な言葉も飛び出しました。

「悪い意味はないよ。ほら、最強の敵に挑むってのはスポーツではとってもカッコいいことだろ?ラトバラ選手を倒した時はとってもいい気分だった。そして今回だけで終わりになんてしたくないんだ!」

エストニア出身で24歳のヤングスター、オット・タナク選手。まだまだ大暴れしてほしいものですね。

 

2017年からはこんな見た目?

Dramatic new look for World Rally Cars

2017年を機に、WRCのレギュレーションがいろいろと変更される予定です。それはクルマの性能だけではなくデザインにも影響を与え、この度FIAモータースポーツ評議会によって予想図が公開されました。

うーん、あんまりカッコよくないような・・・。気になる方は上のリンク先で確認してみてください。

 

 

WRC 2015 第7戦 ポーランド アクション総集編

 

WRC 2015 第7戦 ポーランド SS19(オット・タナク選手)