【F1 2019】第10戦イギリスGP/F1の魅力詰め合わせセット

F1カナダGP
Photo by Pascal Richier on Unsplash

F1の魅力ってなんだろう。デザイン?エンジン音?優勝を争うライバル?なんだか昔に応援していた頃とは様変わりしてしまったけれど、それでも今のF1にもたくさんのワクワクが詰まっていた。

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こういうのが見たかった

マゴッツ、ベケッツ、チャペル。マゴッツ、ベケッツ、チャペル。何かの呪文みたいな名称の連続コーナーに魅せられる。ドライバーたちがそれぞれのコーナーの頂点を結ぶ最短経路を一気に貫いていく。素直に、速い、と驚嘆する。安全性を考慮されて抑えられ気味な最高速に比べてコーナリング速度の向上は進化を続けていたのだ。そんな世界に誰一人臆することなく果敢に挑んでいく。

単一のドライビングだけでも言葉にならないというのに、イギリスGPではたくさんのオーバーティクが生まれた。ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスの2台は別次元に行ったままだけど、マックス・フェルスタッペンとシャルル・ルクレール、ルクレールとピエール・ガスリー、そしてフェルスタッペンとセバスチャン・ベッテルの2チーム4ドライバーが絡み合い、こういうの見たかったんだろ?と言わんばかりに観戦者を沸かせる。うん、見たかった。その後ろに続くルノーとマクラーレンも戦力の差を詰めて来た。一強と二強、その他大勢という構造からの脱却の予感。というかマクラーレンの勢いがあり過ぎて、来季にはルノーエンジンで正解でした!って結果が出ちゃっても良いかなってくらい楽しみ。

それに加えて次世代ヒーローたちの一騎打ちも再演された。ピット作業の速さでフェルスタッペンがルクレールの前に出て、直後に今度はコース上でルクレールが抜き返す。その後もバッチバチのガチバトル。文句を言ったりもしてるけど、お互いがお互いを必要としていることもきっと理解し合ってる。彼らが戦っているのはもう目の前の勝利のためじゃなくて、将来へのアドバンテージを得るためだ。21歳同士の若武者たち。もう映画化決定の予感しかしない。

そして、ようやく目を覚ましたガスリーも大健闘。だけど今回はレッドブルのピットクルーが凄すぎた。12周目、ベッテルをオーバーティクした直後の少しもったいないタイミングでガスリーがピットに向かう。

マシンがピットに入ってくる。まだ動いているマシンのスピードに、ホイールガンを持ったクルーの横移動スピードが同期する。その手元はホイール中央を完全にロックオンしていて、止まると同時にタイヤの中心部にホイールガンがスッと触れる。車体下部にジャッキが差し込まれて持ち上がり始めたかなと思った時点ですでにタイヤが外れている。持ち上がりきったところでは新しいタイヤがほぼはまってる。ほとんど浮いてる時間がないまま作業は完了し、ジャッキを下ろしたクルーは悠々とマシンを離れガスリーがまた走り出す。ナットを回すなんて概念はF1では存在しなくなっている。

ガスリーの停車位置からクルーの動作の全てに何一つ無駄のない動き。そして生まれたのが1.91秒という新記録。その作業より「んー、肘かゆい」って言ってる時間の方が長い。この記録に勝とうと思ったらもうナットはめずに送り出すしかない。

日本人F1ドライバーが不在であっても各チームにはエンジニアとして多くの日本人が関わっているし、そのうち「あのタイヤ、俺が交換したんだ」みたいな人も現れて欲しいなと思う。

とか盛り上がりつつ最後はハミルトンに全部持っていかれてしまうのが、イギリスGPらしかった。

Red Bull’s World Record Pit Stop | 2019 British Grand Prix(YouTubeに飛んでから見てください)

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