【F12019】第1戦オーストラリアGP感想/確かに感じた手応え

Photo by Pascal Richier on Unsplash

モータースポーツファンお待ちかねのフォーミュラ1(F1世界選手権)の2019年シーズンが始まりました!新しいドライバーと生まれ変わったチームのデビュー戦、何よりもレッドブル&ホンダのパートナーシップとか、もう期待するしかありません!

3月17日(日)に開催された決勝の感想を書いていきます。今回はホンダびいき。

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同じ場所にはいられない

晴れ渡った青い空。その色を纏ったマシンを僕はつい目で追ってしまうのだけれど、お目当ての選手はもういない。白と赤の華麗なコントラスト、アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィとの戦いに挑むのはアレクサンダー・アルボンだ。落ち着いているけど元気な走りにブレンドン・ハートレイを思い出す。その少し前にいるのはダニール・クビアト。勢いだけじゃなく、したたかな気配も漂っている。

そのすぐ後ろにようやく見つけた。今季からレッドブルに移籍したピエール・ガスリー。黒に近いネイビーに赤い闘牛と黄色の組み合わせは力強くて、トロロッソの明るい青よりも大人びて見える。

開幕の地はオーストラリア、メルボルンのアルバート・パーク・サーキット。公園内の湖を右手に見ながら、普段は公道として利用されている道路を走る市街地コース。レースはメルセデスのバルテリ・ボッタスがチームメイトのルイス・ハミルトンをスタート直後に抜いて首位に立つと、ハイペースで後続を引き離す。

調子の上がらないフェラーリのセバスチャン・ベッテルをオーバーテイクし、ハミルトンにまで迫るマックス・フェルスタッペンを見て違和感を感じる。ん?同じカラーのマシンとは思えない。

フェルスタッペンと比べるとずいぶんガスリーが大人しい。せっかく手にしたニューマシンのRB15がちっちゃく見える。前を行くクビアトの方が存在感たっぷりだ。なぜだろうと思って首を捻りながら見ていると、動きの幅が少なくて機械的。抜かなくてはならない相手はホンダエンジンを積んでいるから相撃ちを避けたいってのもあるのかも。でもこれじゃ抜けない。元レッドブルドライバーで表彰台も経験している先輩に、ミスを誘ってその隙に前に出るような作戦は通じない。

開幕前にはサーフィン修行で体調を崩して(死んだような目をした写真もいくつかあったし)予選ではチームが致命的な戦略ミス。順位変動の少ないコースで重要になるピット戦略もうまく機能せず。それに加えて日本では別のピエール騒ぎが起こってしまってネガティブ要素のてんこ盛り。その中で苦しんでいる。同じタイミングでトップチームのシートを得たシャルル・ルクレールがベッテルを脅かすほどの走りを見せたから余計に痛々しい。

終わってみれば11位。昨年だったら、あと少しだったねと言ってもらえた順位だった。でも今年は違う。きっとトロロッソに残留していたとしても褒められる結果ではなかっただろうし、ましてやレッドブルであれば表彰台は当たり前の世界だから。今回は不運ではある。その逆境を乗り越えてこそ頂点に手が届く、それがチャンピオンへの道だとするなら、間違いなくその道の上を彼は歩いている。

フェルスタッペンみたいに、いつもどんなときでも速いって領域にはまだ到達していないのかもしれない。でも次はバーレーンGP、本人が大好きと公言しているサーキット。昨年4位の実績もあるし、もっと大きな走りが見られたらうれしいのだけれど。

もっと向こうを目指してる

ホームストレートを立ち上がり、31周目。ストレートで伸びるフェルスタッペンが勢いよくベッテルに襲いかかる。察したベッテルはイン側に移動して内への飛び込みをブロックする。ターン1の旋回半径が小さくなった分スピードを犠牲にしたベッテルは、続くターン2の立ち上がりでフェルスタッペンに背後を取られる。

ターン1、2と同じく、ターン3、4も右コーナーから左コーナーへと繋がるコンビネーション。ターン2をクリアした後、ベッテルはは定石通りに再び右寄りのイン側を死守する。レースが始まってから何人ものドライバーが挑んでは失敗を繰り返したターン3アウト側からのオーバーテイク。つまり抜かれないためにはアウト側を走らせるのが鉄板の戦術。だけどフェルスタッペンだけは攻略法に気づいていた。

ターン1ですでに勝負は着いていた。必要以上に減速してしまったベッテルに対し、フェルスタッペンは早めに加速を開始する。次のターン2は比較的緩いので勢いを殺さず立ち上がっていける。ベッテルがターン3でイン側を取るためにコース右側を着くことも100%読んでいて、コース取りに迷うことなく空いた左側面にノーズを飛び込ませる。加速力では完全にフェルスタッペンのマシンが上回っている。ホンダエンジンが力強く前へ前へと押し出す。並ぶ間もなく追い抜いて、ちょうど車体1台分フェラーリの前に出たところでターン3に飛び込めば、もうベッテルには手の出しようがなかった。

エンジンのパワーもあってこその華麗なオーバーテイクだったけど、プロセスを組み立て、結果まで読み切ったのはフェルスタッペンだ。ターン1での牽制も、セクター3やそれ以前からの仕掛けが全て成立したことで可能になった一撃だった。最高速度が300kmを超える世界の中で、他の誰も成し得なかった計画を練り上げ、実行し、成功させる。そんな人間がいるってことに驚愕する。

多分フェルスタッペンはその先のハミルトン攻略までのストーリーを描いていた。惜しくも届かなかったけど、彼の目に写っていたのはベッテルの背中だけじゃない。間違いなく彼の本能はチャンピオンを狙える機会を嗅ぎ取っている。

おわりに

フェラーリの不調もあって、ホンダにとっては嬉しいデビュー戦での表彰台ゲット、そして4台ともに完走と速さと信頼性の両方で満足できる結果になりました。

期待のガスリー選手が残念だったのが心残りですが、次戦までに体調整えてお祓いして、今度は大好きなコースに万全の体制で挑んでもらいたいですね。前評判の高かったフェラーリやルノーは絶対に盛り返してくるので、まずはそれまでに表彰台に上がって自信と実績を手に入れてほしいと思います。

ルクレール選手はあんまり画面に映らなかったのが残念。ノリス選手とかももっと見たかったのに。WRCみたいに全車オンボード映像配信とかやってくれませんかね?

第2戦バーレーンGPは3月31日決勝です。お楽しみに!

決勝ハイライト動画

2019 Australian Grand Prix: Race Highlights


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