【映画感想】メリー・ポピンズ リターンズ/色褪せない永遠の魔法

メリー・ポピンズ リターンズ
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まだ映画が始まって間もないというのに、屋根裏部屋に切ない歌声が流れ始めると早くも涙がこぼれ落ちた。そうか、あの幸せそうだった家族も辛い過去を背負って生きていたんだ。そのせいなのか年齢以上に心だけが大人に近づいてしまった3人の子共たち。

彼らのもとにメリー・ポピンズは再び舞い降りる。

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彼女は色褪せることなく

小うるさい人がやって来たと少々お怒り気味な長女のお姉ちゃん。何も知らないはずなのに何か起こりそうな予感にワクワクが止まらない末っ子くん。弟が何をやらかすか心配だけど可愛くてたまらないお兄ちゃん。みんな性格はバラバラ。でもメリー・ポピンズの魔法を見れば全員が一瞬で虜になってしまう。わかる、わかるよその気持ち。

幼い頃の空想が蘇る。お風呂場は大海原に、部屋の中は大冒険の舞台に。実写とアニメーションの境目なんて気にしない。だって小さい頃は人形とお話できたでしょ?それとおんなじ。見えていなかった世界がどんどんカラフルに見えてくる。大恐慌時代とか言う大人たちが勝手に作り出した虚構を子供に押し付けないでよ。

メリー・ポピンズ流のしつけって、大人になるための教育じゃなくて子供らしくあれってことなのかもしれないな。

リターンという名のリメイク

メリー・ポピンズの登場から子供たちと仲良くなっていくまでの過程も、労働者への賛歌も、CGに頼らない迫力満点のミュージカルダンスも、みんな前作に沿った作りになっている。

もしかしたら本当は『美女と野獣』みたいな新しい撮影技術をふんだんに使ったリメイクを作りたかったのかもしれない。でもきっとメリー・ポピンズは過ぎた時間を魔法の力で巻き戻すなんて都合の良いことを許してはくれなかったんだろう。だから続きが生まれたんだ。

人生の中に同じ繰り返しなんて1秒もない。同じように思えても必ず経験の積み重ねがあって、その分だけ人は美しく年齢を重ねていくのだから。

彼女は最強の魔法使いだからこそ、時間の大切さも知っている。

魔法はいつだって僕たちの傍に

なぜ前作から55年も経って(映画の中では前作の設定から20年後)メリー・ポピンズは戻ってきたんだろうか。それはきっと、今を生きる子供たちの心から魔法が消えてしまう前のギリギリのタイミングだったんじゃないかなって思う。

魔法を忘れた大人たちは哀れにも、他人から搾取するか楽しくもない毎日を過ごすことしかできなくなってしまった。悲しいことに、その不条理を現実を子共たちに引き継がせようとしている。それは大人たちの都合だ。これから新しい未来だって作れるはずだ。大人たちは時間がかかるからと理由をつけて諦めてしまったけれど。

苦しめたり苦しんだりするよりも、誰かのために役に立つ仕事で自分も幸せにできる世の中の方が楽しそうでしょ?

そう思ったら見方を変えてみて。不可能なことなんて、ないんだから。

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