世界選手権なんて冠のついたレースに出場して勝利するなんて想像もつかない大変なことです。なのにこの男、またもやってしまいました。間違いなく歴史に刻まれるであろう大記録が2018年に生まれます。
【ラリークロス】世界ラリークロス選手権(WorldRX)のルールについて説明します(2018年版)
勝利の女神が全力で微笑みまくる強さ
決勝のポールポジションは今季あと一歩の成績が続くペター・ソルベルグ(PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデン:ポロR GTI)。土曜日に行われたQ1、Q2でトップタイムをマークし予選を首位で通過、セミファイナルでも勝利を飾り久しぶりに暴れん坊っぷりが見られるでしょうか。隣にはマティアス・エクストローム(Team EKS:アウディS1)が並び、過去に名場面を数多く生み出した2人がフロントローから勝利を狙います。
2列目にはセミファイナルですでに2018年のタイトルを獲得したヨハン・クリストファーソン(PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデン:ポロR GTI)と、彼から今年唯一勝利を奪ったセバスチャン・ローブ(チーム・プジョー・トタル:プジョー208 WRX)、3列目にはアンドレアス・バックルド(Team EKS:アウディS1)にティミー・ハンセン(チーム・プジョー・トタル:プジョー208 WRX)と、フォルクスワーゲン、アウディ、プジョーがそれぞれ2台の勝負。
スタートと同時に飛び出したのはエクストローム。まっすぐ1コーナーのジョーカーに飛び込む作戦に出ますが、なんと4台がオープニングラップからジョーカーを選択する珍しい展開でいきなり順位が動きます。ノーマルラップのソルベルグにバックルドが続き、ジョーカー内の鋭角コーナーで空いたインに飛び込んだクリストファーソンが第2集団の先頭に立ちエクストローム、ハンセン、ローブを引っ張ります。
2周目には意表をついてソルベルグが早めのジョーカーへ。プッシュしていなかった第2集団の前で復帰し順位をガッチリキープ。後方とのマージンをきっちり読み切った見事なチーム戦略でした。
今回のソルベルグはいつにも増してキレッキレの走り。チームメイトのクリストファーソンを上回るタイムで前方のバックルドを追い上げます。4週目でバックルドがジョーカーに入りますが、その時点までにかなり差を詰めていたソルベルグが余裕のトップ復帰。バックルドはクリストファーソンにも抜かれますが、エクストロームとの小競り合いでは彼を抑え3番手に付けます。
これで6台全てジョーカーラップをクリアし、ほぼ等間隔で一列に並んだ状態で残り3周弱。ハイペースを刻むソルベルグの勝利を確信し始めた矢先、なんと彼はブレーキングに失敗してタイムロス、クリストファーソンに前に出られてまさかの2位後退!その後方でもエクストロームがマシンの姿勢を崩し、その間にローブが4位に浮上します。
ファイナルラップの最終コーナーまで勝利を諦めないソルベルグでしたが、無情にも振られるチェッカーフラッグ。わずか一瞬のミスで久しぶりの勝利を逃してしまいました。それでも2位表彰台、チームとしてはワンツーフィニッシュと喜びいっぱいです。5位入賞のハンセンはエクストロームへの接触ペナルティで最終順位は6位となりました。
クリストファーソンはこれで10戦9勝、勝率なんと9割という驚異的な成績。ソルベルグは2017年シーズンの第5戦イギリス以来の勝利かと思われましたが、まさかそこで!みたいなミスで惜しくも2位になってしまいました。優勝という結果よりも盛り上がる方に持っていっちゃうところは彼らしくて嬉しいですけど。久しぶりに元気なソルベルグが見られたことが最大の見どころでした。
おわりに
誰ひとりクリストファーソンを止めることができず、あっさりとタイトル防衛。来年は対抗できるドライバーの登場を心待ちにしているんだけど今年の残り2戦で対抗馬が現れてくれませんかね?
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画像の出典:FIA World Rallycross Championship