【F1 2018】第16戦ロシアGP/雇われびとたちの憂鬱

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F1第16戦目の舞台はロシア、2014年ソチ冬季オリンピックで使用された会場を利用したストリートコース。ロシアって北海道から見えるくらいだから近いのかと思ってたら、実はめっちゃ遠かったりします。ロシアでかい。

夢の世界の切ない現実

サーキットのすぐ隣には広々とした黒海。遠くに目をやるとロシアっぽい建物の姿も見えたりはするけれど、ここは日本から遠いロシア最西部。黒海を超えた向こうはトルコだし、ロシアとウクライナの間で揉めた(解決してない)クリミア半島もそれほど遠くない位置にある。なんだか異国だなーって感じ。

サーキットのあるオリンピック会場は、普段は全然使われてないんじゃ?って思うくらいスッキリしててコースもとても綺麗。でもステアリングを切りながらのフルブレーキングや市街地っぽい鋭角なコーナーとか意外にえげつないレイアウト。気持ちよく走れそうで案外大変なのかもしれません。

 

レースが始まると、予想通り苦しい立ち上がりのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)。予選でもメルセデス勢に0.5秒ほど差を付けられていて、決勝でも序盤からバルテリ・ボッタス、ルイス・ハミルトンにペースを握られてしまいます。スタート直後には前に出られるチャンスもあったり、ピットイン戦略が決まってメルセデスを少しだけ驚かせたりすることはできたけれど、一発の速さがなく追い抜けないままズルズルと時だけが過ぎていくのでした。後半戦に入って期待されていたパワーユニットのアドバンテージはどこへやら。

パワーユニット交換による降格のペナルティを受けて19番手からスタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のほうが跳ね馬のようにサーキットを駆け回り、気持ち良いオーバーテイクでどんどん順位を上げていきます。この日が21歳の誕生日、デビューは17歳だから今年でもう4年目!後方スタートは不本意でしょうがオーバーテイクし放題券のプレゼントは嬉しいかも。

格下をガンガン追い抜くフェルスタッペンは置いといて、同レベルのマシンだとオーバーテイクが難しいのはみんな同じらしく中団ではケビン・マグヌッセン(ハース)をエステバン・オコン(フォースインディア)が攻めあぐねていました。

そこですぐ後ろにいたセルジオ・ペレス(フォースインディア)が無線で「俺なら行けちゃうよ」なんて大口を叩いてしまったからさぁ大変。オコンと順位をスイッチして前を走るマグヌッセンをパスするノルマを与えられましたが、言うほど簡単じゃありません。追いつくどころか1秒以内につけることもできず、結局オコンに再度バトンタッチ。その後は意気消沈してしまったのかチームから下がってろと言われたのかわかりませんが、2台からどんどん遅れていきました。

F1って夢のような世界だと思っていたのに、レース中継の最中に無線が聞けるようになると鬼上司にこき使われるサラリーマンみたいに見えてしまってちょっと切なくなりますね。人間味が伝わってくるので親近感というか、同情する気持ちすら生まれてきちゃいますが。ハミルトンのようにチームに影響を与えるくらいの能力を手に入れるか、キミ・ライコネン(フェラーリ)やフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)のように俗世を超えた存在にでもならないと、本当の夢には届かないのかもしれません。

 

そんなことを考えていたら、今度はメルセデスでもボッタスに対してハミルトンに順位を譲れという鬼司令が!トップチームにいても楽じゃないんだなぁ。せめてハミルトンが優勝を決めたらボッタスを好きに走らせてあげてくださいね。

結局優勝はチームオーダーでボッタスに順位を譲ってもらい少し気まずいハミルトン。優勝できたはずのボッタスも2位でガッカリ。優勝したかったのに3位止まりのベッテルも楽しくなさそうで全員微妙な表情の表彰式。これはこれで忘れられない思い出になりそう。

 

トロロッソ・ホンダの2台はすぐにいなくなってしまうし、サラリーマン川柳が聞こえてきそうな切ないレース内容だったし、表彰式は盛り上がらないしでとっても複雑な気分になるグランプリでした。鈴鹿ではスッキリ気持ち良いレースを期待していますよ!

 

おわりに

ついに日本GPが今週末になりました。天気はあまり良くなさそうだけど、その分荒れて盛り上がるかも?

 

【動画】F1 2018 ロシアGP レースハイライト

 

【動画】F1 2018 ロシアGP フェルスタッペンのオーバーテイク総集編

Photo by Pascal Richier on Unsplash