【WorldRX2018】世界ラリークロス選手権 第8戦フランス/届かなかった最終コーナーの向こう側

世界ラリークロス選手権第8戦フランス

F1がそうであるように、常に強いチームはひと握り。世界ラリークロス選手権(WorldRX)でもトップ3のチームが存在します。プジョー、アウディそしてフォルクスワーゲン。2015年からそれぞれチームチャンピオンを獲得してきたライバルたち。

そんな彼らの戦いが見られるのも、あと残りわずかかもしれません。

 

ファイナルラウンドは栄光のトップ3が揃い踏み。フロントローにはバックルドとエクストロームのアウディ勢。2列めにはチャンピオンシップリーダーのクリストファーソンと元WRCチャンピオンのローブが並び、3列目にはソルベルグとティミー・ハンセン(ハンセン兄弟のお兄ちゃんのほう)。

スタートはアウディ2台が抜群の飛び出し。クリストファーソンは並ぶことさえできず後ろに着いたままターン1へ。もともと先行逃げ切り型で競り合いには強くない彼にとって致命的な出たし。5番手のソルベルグはオープニングラップでジョーカーを選択。チーム戦略っぽい感じ。同じ2列めスタートのクリストファーソン意識し過ぎたローブは走りが乱れ、代わりにティミーが4番手に浮上。

先頭はバックルド、2番手のエクストロームは全く隙を見せずクリストファーソンは頭を抑えられた形。すると彼も2周めでジョーカーをクリア、ソルベルグがコースを譲るような動きを見せて前方に少し間隔の空いたスペースに戻ります。後方にはピタリとソルベルグ。これで後ろを気にする必要はなくなりました。

前を行くアウディの2台はクリストファーソンとほぼ変わらないペースで(というか全員ほぼ同じ)周回を重ね、優勝へ万全の体制。3周目にはクリストファーソンに追われる立場になったローブがジョーカーに入り再び後方へ。

バックルド、エクストローム、ティミーの隊列は変わることなく4周目、5周目、そしてファイナルラップへ。クリストファーソン、ソルベルグ、ローブの編隊もペースは大きく変わらず、このままであればアウディのワンツーフィニッシュも可能なはず。

そして運命の瞬間、最後のジョーカーに飛び込む3台。並行するノーマルトラックをクリストファーソンが駆け抜ける。緩い右コーナーの先にある合流地点で交錯する6台。3台と3台、2本の線が1つになる。

お互いの隊列のわずかな車間に、歯車が噛み合うかのように収まっていくモンスターマシンたち。その先頭にいたのは、クリストファーソン!8戦目にしてシーズン7勝目、そしてこれで5連勝。スタートで首位に立てなかったドライバーが最初にチェッカーフラッグを受けるという珍しい戦いになりました。

 

勝利まであとコーナー2つ。優勝を目前にしてバックルドは首位を奪われました。追走していたエクストロームもソルベルグに交わされ4位と表彰台を逃しました。でもペース的にはフォルクスワーゲンと互角だったはず。

どこに敗因があったのでしょうか?

データを見ると、鍵はジョーカーラップにありました。ノーマルラップのタイムは決勝の6台に大きな差はありません。しかしクリストファーソンの2周目が37秒897だったのに比べ、バックルドは38秒429、エクストロームは38秒838と大きく差がついています。もしもクリストファーソン並のタイムが出せていたらもう少し余裕を持って優勝を飾れたはず。ジョーカーへの飛び込み方とか細かい部分でもフォルクスワーゲンは研究を重ねているのかもしれませんね。

アウディは今年は無理でもバックルドという優秀なドライバーも入ったことだし来年こそは、なんて期待していたら、悲しいニュースが飛び込んできました。

Audi to withdraw from World Rallycross(アウディ、ワールドラリークロスから撤退)

フォーミュラEへの注力宣言があってから心配はしていたのですが、思っていたより早くそのときが来てしまいました。日本での放映権を持っているDAZNさんが配信してくれるようになる前に人気が下火になっちゃうんじゃないだろうか、これ。

 

画像の出典:FIA World Rallycross Championship