【シリア危機】「シリーズ ‘シリアを知る’ : Getting to Know Syria」参加してきました

難民問題

7月7日に開催された連続セミナー「シリーズ ‘シリアを知る’ : Getting to Know Syria」の第1回に参加して来ました。

このブログでも一時期はシリアの難民問題を追っていました。数字だけ追っていると悲しくなってきたので一旦終了しましたが、状況が変わってきたシリアと難民の問題について、このセミナーが改めて考える機会を与えてくれました。

会場の東京大学駒場キャンパスには100名を超える来場者が訪れたそうで、遠い国で起こっている惨状に多くの人が目を向けているのだなと実感しました。実際にシリアに行かれたことのある方も結構おり、アラブ周辺国に訪れた経験のある人になると3割くらいが挙手していました。

第1部:シリア動乱〜なぜ悲惨な争いは終わらないのか〜

「アラブの春」と呼ばれるアラブ世界に吹き荒れた革命の風。チュニジアやエジプトの政権が次々と倒れ周辺各国も勢いに乗るなか、シリアでも一人の少年が書いた落書きがきっかけとなり現政権への反対デモが始まったと言われています。

第1部ではシリア動乱が始まってからの経緯と、なぜ8年も経っているのに終わらないのか、軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏から解説していただきました。

このあたりはシリアという国の特徴や現アサド大統領の父の時代についての知識などが必要なため、広い見識を持つ黒井さんから聞けるのは非常にありがたく、わかりやすい説明で理解を深めることができました。一時は窮地に陥ったアサド政権、そしてロシアの介入によって激変した戦況も、バックグラウンドを知ってみると突然起こった偶然ではなく説明可能な事実であったことがわかりました。

国内武力勢力の関係やロシアやアメリカなど他国の干渉など複雑に見える全体像も、根底にあるのはシリア人同士の争いであると耳にした瞬間ハッとさせられました。確かに勢力同士の力関係も理解を深めるために必要な情報ですが、まず知るためには基本に戻ることも大切ですね。

 

アサド政権が倒れなかった理由の1つに秘密警察の存在があるのですが、これって日本独特の同調圧力と大きな違いはないのでは……なんて考えると、あまり他人事とは思えなくなりました。

 

第2部:リアルな難民キャンプの現状

第2部ではアレッポ北部のデール バッルート(Deir Ballout)」という避難民キャンプと直接ビデオチャットでつなぎ、キャンプ内の現状をリアルタイムでレポート、本当の難民の姿がそこにはありました。

設営されてから2ヶ月ほどとまだ新しいにも関わらず、水や食料の配給、衛生面など多くの問題を抱えていました。電気もなく、暑い日中も布のテントの中で耐えるしかない毎日。大人たちは働くこともできず、子どもたちは学ぶこともできない、生きがいなど存在しない閉じられた世界。

彼らは今のところアサド政権下にない地域に逃げ延びた国内避難民なのですが、いつ故郷に戻れるのか、いつまたこの地から追われるのか、全く希望を持てないまま生きるしかないのです。

 

日本だって政府に従わない人は日本人扱いされない時代が訪れるかもしれません。そのときになって海外に逃亡しようとしても、難民を受け入れない国から来た人間を難民として受け入れてくれる国があるのでしょうか。いつか今の行いに対する報いを受ける日がくるかもしれません(現政府が、ということではなく日本全体がそんな雰囲気に飲まれているような気がする、という意味です)。

 

まずは気持ちから近づいてみる

世界に目を向ければ紛争がいたる場所で続いています。日本でも災害によって大きな犠牲者が出てきます。それを無視してシリアだけを特別扱いしても良いのか?という疑問も、本音を言えば持っています。

でも、やっぱり人間だから仲の良い人や関わりのある国に対して思いが強くなってしまうのも事実です。シリアに友人もいませんし行ったこともない国ですが、興味を持っている分近くに感じます。

難しく考えるのではなく、自分のできることを、できる範囲で支援する。それでいいと思います。もし、あなたがシリアに興味を持ち、助けたい、いつか平和になったら行ってみたい、そんな風に思ってくれたなら、お互いに考えていきましょう。

 

シリア関連ニュースソース

個人的によくチェックしているシリア関連のニュースサイトのリンクもご紹介します。主に上の2つがメインです。

BBC News(日本語版も有り)

イギリスの公共放送局。ワールドワイドな情報を発信しており中東の情勢も掴みやすいです。

https://www.bbc.co.uk/news/world/middle_east

 

Al Jazeera

アラブの報道機関。中東に拠点があるだけにシリアの情報も早いです。なぜか怖いイメージを持っている人もいますが、誤解です。

https://www.aljazeera.com/topics/regions/middleeast.html

 

Newsweek(日本語版も有り)

アメリカの大衆週刊誌。まとめや解説などがわかりやすいです。

http://www.newsweek.com/world

 

Sputnik(日本語版も有り)

ロシアの政府系メディア。ロシア視点から読んでみると、まだ違った解釈が生まれます。かなり日本語版も力が入っています。

https://sputniknews.com/middleeast/

 

おわりに

正直、今何ができるのだろうという問いに対しての答えは見つかりませんでした。しかし、まずは知ることが大切だと思うので、今後も可能な限りシリアに目を向け、情報発信などできることからやっていきたいです。