【映画感想】カメラを止めるな!/今の日本に必要なものを見つけた(ネタバレなし)

カメラを止めるな!

それは、理不尽を笑い飛ばす力でした。

笑って生きる

この世界って生きづらい、なんだか息苦しいって思うことあるよね。誰かにとって都合の良い世界が生み出した副作用によって不条理に苦しみながら生きる毎日。どうしたら変えられると思う?対立?戦争?

真正面から立ち向かうのもありだけど『カメラを止めるな!』という映画を観ていると、笑い飛ばすって方法もあるのかなって思いました。決して人を見下すような笑いじゃなくて、自分を鼓舞するために。みんな真面目だから矛盾を探して説得しようとか論破しようとか考えてしまうけどさ、そもそも理不尽なものなんて理解できるものじゃないじゃん?説得なんて相手に歩調を合わせるの無理だよ。

だったら笑おう。笑ってる誰かに勇気をもらったら一緒に笑おう。誰かを守るためにって気持ちがあるなら尚さらだよ。理不尽に挑むか逃げるかはその後考えればいいよ。もうそのときには一緒に笑う仲間がいるから。え?仲間がいない?そんなことないよ、この映画観てよ、想いを聞かせてよ、そしたらもう仲間だから。

映画館が声出して笑える場所だって忘れてました。映画館だけじゃなく、日本って笑っていい場所だってことも。もっと笑って生きてもいいんだよね。

 

きっと、あなたがいる

ただ笑えるだけじゃなく、出てくる人たち全員の本気っぷりがガンガン伝わってくるのもこの映画の面白いところです。何のために一生懸命なのかは観ていただいて96分先でそれぞれの目で見つけてもらいたいんですけど、演じている役者さんも役者さんが演じているキャラクターたちも、とにかくみんな必死。

そこに映像の魔法が加わって、真顔で一瞬映るだけでもなぜか笑えたりするんです。

全員が主役か!ってくらい誰もがキラキラ光っています。荒ぶってる人、落ち込んでる人、いろんな個性が散りばめられています。ぜひ作品を楽しみながら探してみてください。きっとあなたによく似た人もいるはずです。この人かな?あの人かな。もしかしたら全員あなたなのかもしれません。

 

日本中に届いてほしい

製作したのがENBUゼミナールさんという映画・演劇の専門学校だったり、映画の内容にも撮影が関係してたりするせいか観客も映画業界や何らかの関わりがある人たちが多そうな印象でした(上映後に何気なく会話した人も実は女優さんだったり)。

でも決してそういう人たちのための映画ではなく、誰の心にも届きます。むしろ映画通みたいな人より、普段あんまり映画を観ない人の方が先入観がなくて新鮮な体験を思いっきり楽しめるのかも。

家族のこと、学校や仕事のことなどモヤモヤとした何かを抱えているのなら、観て、笑って泣いてスッキリしてもらいたいです。観終わった後には、世界に蔓延する嫌な雰囲気など笑い飛ばせるくらいの元気をもらっているはずです。

 

おわりに

観てしまったら誰かと話したくて仕方なくなってしまう映画でした!SNS上では鑑賞したみなさんが血が滲むほど唇を噛み締めながらネタバレしないように頑張って拡散中です。でも事前情報を何も知らないままに観ると最高に幸せになれますので、ぜひ気になったら早めに劇場に足を運んでみてください。そんなあなたの力がこの作品を日本中に届ける原動力になります。

 

低予算でこれだけ面白い映画が撮れるなら映画なんてお金かけなくてもいいんでしょ?みたいな方向にだけは行ってほしくないですね。

そんな理不尽を笑い飛ばして、上田監督にはもっともっと楽しい映画を撮ってもらいたいです。

(C)ENBUゼミナール