【WorldRX2018】世界ラリークロス選手権 第5戦ノルウェーの感想です

世界ラリークロス選手権第5戦

世界ラリークロス選手権の第5戦ノルウェーが6月8日に開催されました。快進撃を続けるチャンピオンが今回も大暴れ!誰か止めて!

ということでレースの模様と感想を書いていきます。

世界ラリークロスのルールは以下の記事に書いてありますので事前に読んでおくことをおすすめします。

第5戦ノルウェー

第5戦ノルウェーの舞台は「Go to HELL!」の合言葉でおなじみ(なじんでません)ヘルサーキット。古代ノルド語「Hellir」(崖の洞窟)が語源となっていると言われており、冬には氷点下20度を下回るむしろ地獄とは真逆のイメージの観光地。

レイアウトは3つの楕円を結合したような直線がほぼない難しいコース。緩やかな高速コーナーとヘアピンが繰り返され、ライン取りも他車との間合いも高度なテクニックが必要になりそうです。

ジョーカーラップは1コーナーに設置されており急角度のコーナーの後は見方によっては2コーナーへの直線の延長とも考えることもできます。うまく加速区間として活かすことができるでしょうか?

ヘルサーキット レイアウト(FIA World Rallycross Championship)

 

予選~セミファイナル:誰か止めてさしあげて

6月9日土曜日に行われたQ1、Q2からヨハン・クリストファーソン選手(PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデン:ポロR GTI)が絶好調で連続トップタイム。セバスチャン・ローブ選手(チーム・プジョー・トタル:プジョー208 WRX)、マティアス・エクストローム選手(EKSアウディ・スポーツ:アウディS1)らも頑張りますがどうしても届きません。

Q3、Q4に入っても誰もクリストファーソン選手のタイムを上回ることができず、予選は彼の完全勝利。2番手にはティミー・ハンセン選手(チーム・プジョー・トタル:プジョー208 WRX)、3番手はペター・ソルベルグ選手(PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデン:ポロR GTI)が後を負います。

セミファイナル1では再びクリストファーソン選手が登場し、ここでも彼が強さを発揮してファイナルでのポールポジションを獲得。2番手はこのところ調子が上がってきているアンドレアス・バックルド選手(EKSアウディ・スポーツ:アウディS1)、3番手にソルベルグ選手が入り決勝へと進出。ローブ選手は今季初めてファイナル進出を逃しました。

クリストファーソン選手の元チームメイト、アントン・マルクルンド選手(マルクルンド・モータースポーツ:フォルクスワーゲン ポロ)も久しぶりにセミファイナルに顔を出しましたが、さすがにトップレベルと戦うのは厳しかったでしょうか。

セミファイナル2からはティミー選手と弟のケビン選手(チーム・プジョー・トタル:プジョー208 WRX)が登場。エクストローム選手が間に割り込んだ形で3人がファイナル進出です。新興チームから参戦中のニコラス・グロンホルム選手(GRX・タネコ・チーム:ヒュンダイi20)は4位でお串も敗退。今回も3強チームの一角を崩すことはできませんでした。

決勝はいつもどおり、フォルクスワーゲン、プジョー、アウディの三つ巴の戦いです。

 

【動画】Q1ハイライト

【動画】Q2ハイライト

【動画】Q3ハイライト

 

決勝:圧巻の優勝劇

今回もポールスタートから抜群の飛び出しを見せたクリストファーソン選手が先頭に立ちます。スタートで出遅れたティミー選手はアウト側からエクストローム選手に前に出られてしまい軽く接触、弾かれるように今度はイン側にいたバックルド選手にヒット。1コーナーに入る間もなくアクシデント発生です。

2台はもつれ合って止まってしまいますが、他車は巻き込まれず無事にクリア。全く影響を受けなかったクリストファーソン選手に続き、うまくインから混乱を避けたソルベルグ選手が続きます。アウト側にいたエクストローム選手とケビン選手は迷うことなく真っ直ぐジョーカーラップに飛び込み、アクシデントを逃れるどころか全くタイムロスせずにトップを目指します。この辺の判断力が凄まじい。接触した2台もすぐにレースに復帰、5番手争いを繰り広げます。

首位のクリストファーソン選手はチームメイトのソルベルグ選手さえ背後につくことを許しません。2周、3周と徐々に開いていく2人の差。逆に後ろからエクストローム選手が追い上げを見せ、5周目になってソルベルグ選手がジョーカーラップに入ると順位が逆転、2番手に躍り出ます。もう少し早めに入っておけば抑え込むこともできたかもしれません。

ファイナルラップに入り、クリストファーソン選手とエクストローム選手のタイム差は約4秒。ジョーカーラップによるタイムロスはだいたい3秒なので、余裕を持ってクリアしていきます。最後まで攻め続けたエクストローム選手もあと1歩及ばす。予選Q1から常にトップを守り続け、セミファイナルをトップ通過、ファイナルでも優勝と完全勝利。クリストファーソン選手、今季4勝目です。

最終結果は以下をご覧ください。

第5戦リザルト(FIA World Rallycross Championship)

【動画】決勝ハイライト

 

感想

クリストファーソン選手の予選のタイムを見ると、圧倒的に速いというほどではないんです。Q1からQ4まで、どれも2番手との差は1秒以内という接戦で決して余裕がある勝ち方ではありません。

そんな戦いを4度制した後に、セミファイナル、そしてファイナルと徐々に集中力を上げていきます。そしてスタートでは絶対にミスしませんし後ろからのプレッシャーにも微動だにしません。彼に弱点があるとすれば前に出られることと乱戦に持ち込まれることだと思うんですが、最高のダッシュ力があって、ガツガツ当たれば最近は判定でペナルティ取られるかもしれないので難しいですね。止められる人はいないのでしょうか?

乱戦と言えば、今回もエクストローム選手がソルベルグ選手へのプッシュでペナルティをもらってしまったようです。映像を見た限りでは確かにリアのサイドから押し出すようにも見えますが、そんなに神経質にならなくても、という気も。ローブ選手とだと美しいフェアなバトルになるんだけど、ソルベルグ選手と一緒のときは荒っぽくなってしまうんでしょうかね。

珍しいアクシデントでは、セバスチャン・ローブ選手がQ3でジョーカーラップを忘れてしまい30秒のペナルティを受けてしまいました。レース中はスポッターと呼ばれる指示役から無線でジョーカーのタイミングなどを知らせてもらうんですが、その人が忘れていたみたいです。ローブ選手は、あれ?いかなくていいの?なんて思いながら走ってたのかもしれません。普段はあまり見られない珍事でした。

 

おわりに

次戦スウェーデンはフォルクスワーゲンチームの本拠地、そしてクリストファーソン選手の母国ということで、またまた大記録が生まれてしまうかもしれませんよ。

第6戦スウェーデンは6月30日開催です。お楽しみに!

 

画像の出典:FIA World Rallycross Championship