【WorldRX2018】世界ラリークロス選手権 第4戦イギリスの感想です

世界ラリークロス選手権第4戦

世界ラリークロス選手権の第4戦イギリスが5月26日に開催されました。新たなる戦いの聖地シルバーストーンでは、ついに王者を脅かすライバル登場!

レースの模様と感想を書いていきます。

世界ラリークロスのルールは以下の記事に書いてありますので事前に読んでおくことをおすすめします。

第4戦イギリス

第4戦イギリスは、昨年まで開催されていた伝統のリッデンヒルからシルバーストーンに舞台を移しました。ラリークロスだけでなく、フードイベントやライブなどと一体化したフェスティバルとして新たな一歩を踏み出したイギリスラウンドには2万7千人を超えるファンが集まりました。レース観戦以外も楽しそうで、一度は行ってみたいですね。

新しいコースはショートストレートと回り込むようなコーナーが連続する難易度の高いレイアウト。最終コーナーへと続く緩やかなS字コーナー、そして分岐するジョーカーラップでいかに速度を落とさずクリアできるかが勝負になります。

シルバーストーン・サーキット レイアウト(FIA World Rallycross Championship)

 

予選~セミファイナル:

予選を終えてトップはヨハン・クリストファーソン選手(PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデン:ポロR GTI)。Q3とQ4でトップに立ち、今回も好調が続いています。そのQ3とQ4で彼を追随したのが2番手のセバスチャン・ローブ選手(チーム・プジョー・トタル:プジョー208 WRX)でした。丁寧な走りがタイムの向上にもつながっています。

元気のある選手ではニコラス・グロンホルム選手(GRX・タネコ・チーム:ヒュンダイi20)やケビン・エリクソン選手(オルスバーグMSE:フォード フィエスタ)らが活躍、フォルクスワーゲン、アウディ、プジョーらワークス勢に引けを取らない走りでセミファイナルへと進出です。

セミファイナル1ではクリストファーソン選手とチームメイトのペター・ソルベルグ選手がフロントローから一騎打ち。スタートで前に出たソルベルグ選手の右リアとクリストファーソン選手の左フロントが接触。一瞬中に浮いたクリストファーソン選手はコントロールを完全に失い1コーナー内側のタイヤバリアに激突、マシンにダメージを追ってしまいました。

それでもメカニックの力でなんとかリカバリーし、再スタートではトップフィニッシュで決勝のポールポジションを獲得。2番手にはアンドレアス・バックルド選手(EKSアウディ・スポーツ:アウディS1)、3番手にケビン・ハンセン選手(チーム・プジョー・トタル:プジョー208 WRX)となりました。ソルベルグ選手は接触によるダメージで3週目にマシンを止めてしまいました。

セミファイナル2はローブ選手とマティアス・エクストローム選手(EKSアウディ・スポーツ:アウディS1)が異次元の速さで決勝へ。決勝常連のティミー・ハンセン選手(チーム・プジョー・トタル:プジョー208 WRX)はタイヤバーストに泣き決勝進出ならず。グロンホルム選手がヒュンダイi20と共に決勝に挑みます。

【動画】Q1ハイライト

【動画】Q2ハイライト

【動画】Q3ハイライト

【動画】セミファイナル1でのクラッシュシーン

 

決勝:帰ってきた!強いバックルド選手!

クラッシュの影響を感じさせないクリストファーソン選手の素晴らしいスタートで始まった決勝ラウンド。2番手からのローブ選手は出遅れて最下位に落ちていきます。注目の1コーナーはクリストファーソンが先頭でクリア、その後ろにつけたエクストローム選手をアウト側からオーバーテイクしてバックルド選手が2番手に続きます。ローブ選手もアウトから一気にグロンホルム選手に並びかける素晴らしいリカバリーで5位へ順位を1つ戻します。

オープニングラップでグロンホルム選手がジョーカーラップを選択。強豪のプレッシャーから一旦離れます。

2周目はいつもと違う展開に。いつもなら後続との差を広げるはずのクリストファーソン選手にバックルド選手が迫ります。3週目になると完全にノーズトゥテイルの大接戦。試合巧者のバックルド選手は隙があればフロントをねじ込みガンガンプレッシャーを与えます。その間にローブ選手がジョーカーラップを選択、上位陣への攻撃態勢に入ります。

4週目の終わり、ようやくトップ争いに動きが現れました。3位を走行中のエクストローム選手がジョーカーラップに貼ります。この動きを読んでいたのは4番手のローブ選手。出口付近で一気にインから並びかけ、5週目の1コーナーで華麗にオーバーテイク!

昨年のエクストローム選手であればガツガツ当てていったのでしょうが今年は荒っぽいドライビングに厳しい判定が下される場合もあり大人しめ。クリーンな走行ならローブ選手も引けを取りません。

5週目の終わりにバックルド選手がジョーカーラップに入り、クリストファーソン選手がジョーカーラップから出てくるファイナルラップの最終コーナーが勝負どころとなります。

逃げるクリストファーソン選手。追いかけるバックルド選手。その後方からローブ選手とエクストローム選手も攻防を続けながら追い上げ差が詰まってきています。

いよいよ最後の瞬間。クリストファーソン選手は伸し掛かるプレッシャーを跳ね除け、完璧な立ち上がり重視のコーナリングから加速体制へ。最終コーナーを抜けた先には誰もおらず、今季3勝目のフィニッシュです!

最終結果は以下をご覧ください。

第4戦リザルト(FIA World Rallycross Championship)

【動画】決勝ハイライト

 

感想

今回のイベントはfacebook上で予選のライブ配信が行われていたので、久しぶりにゆったりとラリークロスを楽しむことができました。

じっくり見ていると、上位陣が速いのはワークスチューンのマシン性能だけじゃなくドライバーの能力にも大きな差があることがわかります。例えばスタートから1コーナーへの飛び込み。イン側に飛び込むかアウト側からクロスラインを取るのか、フォルクスワーゲンやプジョーのドライバーたちは一瞬たりとも躊躇しません。

そしてコース上のライン取りも神がかっていて、コーナーイン側のウォールを撫でるかのように滑らかにドリフトで流れていく姿には思わずため息が漏れるほど。特にクリストファーソン選手なんて、毎回確実に最短ルートを狙ってきます。これ以上ないほどにギリギリのインにつき、マシンもブレることなく次のストレートにピッタリと向きを合わせ加速していく。F1のような整備されたサーキットではなく、土埃が舞うコンディションの中でよくこんな芸当ができるものだと感心してしまいますよ。

常に上位を占めるフォルクスワーゲン、アウディ、プジョーのワークス勢の強さがラリークロス自体をつまらなくしてしまうんじゃないかと心配していたんですが、彼らの勢いを止めることなんてできなくて、他のチームに早く追いついてもらわなくてはならないのだなと悟りました。

そして今回嬉しかったのはバックルド選手の復活。ようやくマシンに慣れてきたのか、彼本来のドライビングが戻ってきたようです。昨年は思うように結果が出せませんでしたがもともといつ優勝してもおかしくないくらいの才能あるドライバーです。最強ワークス勢の一角アウディで思いっきり暴れて欲しいです。

 

おわりに

次戦ノルウェー戦は、ソルベルグ選手と、今回大活躍のバックルド選手の故郷になります。2人の活躍を楽しみにしたいと思います。

第5戦ノルウェーは6月9日開催です。お楽しみに!

 

画像の出典:FIA World Rallycross Championship