3月9日から11日にかけてWRC(世界ラリー選手権)の2018年シーズン第3戦ラリー・メキシコが開催されました。
最近忙しい日々が続いていましたが、ようやくハイライトだけですが視聴できたので感想を書いていきたいと思います。
Mスポーツ・フォードWRT(M-SPORT FORD World Rally Team)
マシン:フォード フィエスタ WRC(FORD FIESTA WRC)
セバスチャン・オジエ選手/ジュリアン・イングラシア選手:優勝
テーム・スニネン選手/ミッコ・マルックラ選手:12位
エルフィン・エバンス選手/ダニエル・バリット選手:リタイア
ひと昔前だったらWRCといえばセバスチャン・ローブ選手でしたが、今はやっぱりオジエ選手。有利とはいえない出走順を乗り越えて、一時はトップから30秒ほど離された状態からの優勝は、この人は次元が違うところで戦っているんだと思えるほどに圧倒的でした。荒れた展開でもしっかり安定して速い。
それに引き換えエバンス選手は浮き沈みが激しく、今のままではオジエ選手のライバルには遠い感じ。スウェーデンもそうですが、ほんのちょっとしたでっぱりに引っかかって致命的な結果になってしまいました。
スニネン選手はフル参戦じゃないので来季以降に向けての経験を積むことが大事ではありますが、チームとしてオジエ選手に頼り過ぎな感じがします。
ヒュンダイ・シェル・モービスWRT(Hyundai Shell Mobis World Rally Team)
マシン:ヒュンダイ i20 クーペ WRC((HYUNDAI i20 COUPE WRC)
ダニ・ソルド選手/カルロス・デル・バリオ選手:2位
アンドレアス・ミケルセン選手/アンダース・イェーガー選手:4位
ティエリー・ヌービル選手/ニコラ・ジルソウル選手:6位
かつてのチームメイト、ローブ選手に触発されたのか好調だったソルド選手。ステージ10まではかつての同僚セバスチャン・ローブ選手を抑えて首位に立っていました。その後ろにはタナク選手を挟んでこちらもベテランのクリス・ミーク選手が追いすがり、一時は数年前のWRCみたいな顔ぶれになりました。前半で飛ばし過ぎたのか後半失速してしまいましたが荒れたレースになると急に存在感が出てくるのはさすが安定のソルド選手。
前戦での優勝でチャンピオンシップ首位に躍り出たヌービル選手。強いドライバーが背負う宿命となっているコースの掃除役でどれだけトップから引き離されずに粘れるか見たかったのですが、早々にエンジントラブル。その後もパンクにストールに散々な目に合いかなりフラストレーションの溜まるレースだったようです。ミケルセン選手もトップ争いにからむほどペースを上げられないままフィニッシュとなり、ヒュンダイって誰かが調子いいと他が調子を崩す変なチームです。
シトロエン・トタル・アブダビWRT(CITROËN TOTAL ABU DHABI World Rally Team)
マシン:シトロエン C3 WRC(Citroën C3 WRC)
クリス・ミーク選手/ポール・ネイグル選手:3位
セバスチャン・ローブ選手/ダニエル・エレナ選手:5位
一時はトップを快走し、並み居る現役ドライバーたちを置き去りにして優勝してしまいそうだったローブ選手はパンクで後退しましたが、久しぶりのWRCを無事5位フィニッシュ。
そして今回は粘りの走りで表彰台に上がったミーク選手。ローブ選手の抜けた後にシトロエンのエースとして加入したミーク選手としては、ローブ選手より上の順位でホッとしていることでしょう。
これだけ何が起こるかわからないレースで完走する力も持っているんだから、優勝を狙う走りと順位キープの走りをうまく使い分けることができればもっと選手権でも上位に行けそうな気がするんだけどな。
WRC引退後のローブ選手はラリークロスでもダカールラリーでも今ひとつ運に見放されているようでちょっと可哀そうですが、まだ次もあるので優勝狙ってくると思います。
トヨタ・ガズー・レーシングWRT(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)
マシン:トヨタ ヤリスWRC
ヤリ‐マティ・ラトバラ選手/ミーカ・アンティラ選手:8位
エサペッカ・ラッピ選手/ヤンネ・フェルム 選手:11位
オット・タナク選手/マルティン・ヤルベオヤ選手:14位
トヨタ ヤリスの弱点の1つが熱なんです。昨年もオーバーヒートに苦しみ、なんとか対策を考えてきたはずだったのですが、今年も相変わらずトラブルが続きラトバラ選手とラッピ選手がズルズルと順位を落としていきます。
タナク選手だけが粘って健闘していましたがついに力尽き、3台揃ってデイリタイア。昨年のチームデビューからこんな悲しい結果は初めてかな?
最終日3ステージはタナク選手、ラトバラ選手がトップタイムを記録して戦闘力の高さは証明してくれましたが、やはりラリーは信頼性が重要です。今年のうちに課題をクリアしていきたいですね。
全体を通しての感想
トヨタ勢が散々な目にあったのを知っていたので、いまいち気の乗らなかったメキシコ戦の振り返りですが、映像を見ると景色は美しいし、首位がコロコロと入れ替わる展開だったりとリアルタイムで見れていたらきっと楽しかっただろうなと思います。
パワーステージ配信映像も未見なので時間ができたらゆっくり見るぞー!
おわりに
次の舞台はオジエ選手、ローブ選手の故郷フランス。2勝目を手にして勢いに乗るオジエ選手が一気に3勝目を手にするのか、それともローブ選手が復活優勝を飾るのか、はたまた他のドライバーが阻止するのか楽しみです。
WRC第4戦ラリー・フランス(ツール・ド・コルス)は4月5日開催です。お楽しみに!
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【WRC2018】世界ラリー選手権について簡単に説明します(その1)
【WRC2018】世界ラリー選手権について簡単に説明します(その2)
ハイライト動画集
【動画】ステージ1 ハイライト
【動画】ステージ6 – 10 ハイライト
【動画】ステージ11 – 13 ハイライト
【動画】ステージ14 – 19 ハイライト
【動画】ステージ20– 21 ハイライト
【動画】パワーステージ ハイライト
画像の出典:TOYOTA GAZOO Racing