【映画感想】赤色彗星倶楽部/こっちの赤い彗星は3倍エモかった(ネタバレなし)

赤色彗星倶楽部

PFFアワード2017、第11回田辺・弁慶映画祭などで受賞するなど高い評価を受けた『赤色彗星倶楽部』が1週間だけ公開されると知り観賞してきました。

取り急ぎ、ネタバレにならない程度に感想を書きますので気になった方は劇場に向かってください!

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あらすじ

17歳。夏服を仕舞う、少し前。

高校生のジュンは天文学部の仲間たちや幼馴染のハナと平凡な毎日を過ごしていました。

文化祭が迫り、学校全体が軽い熱を帯びていくのと時を同じくして、数十年に一度地球に訪れるという赤色彗星到来の日が近づきます。

テレビからは「彗星が近づけば強力な磁場でタイムパラドクスが発生する」という怪しげな学説が流れる中、天文学部のメンバーは彗星と同じ構成物質を集め「彗星核」を作ろうと画策するのですが―。

【動画】映画『赤色彗星倶楽部』本予告編

 

青春はきっと綺麗じゃない

よく若き日の青春を美しく語る人がいますが、それを心から信じられるでしょうか?

家族や学校に束縛され、鬱屈した感情を吐き出すこともできず、匂い立つほどに湧き上がる生命力を向けるべき方向がわからずに、何かが起こるのを待ち、何も起こらずに過ぎていく毎日が永遠に続いていくと信じている。

本当はそんなもんじゃないでしょうか。冷静に考えると全然綺麗じゃない。むしろベトベトしてて臭そう。

そんな毎日から抜け出すために、社会に合わせて形を変えて、脱ぎ捨てて、失っていく。綺麗に思えるのは、それが変化する前の完全な自分だから。

この映画を観て、そんな感想が浮かびました。

 

同じように彗星がやってくる大ヒット作『君の名は。』みたいに身体が入れ替わってしまう経験なんてないし、あっても街を救うなんてきっとできなかった。

でもこの映画にあるような体験は(妄想を含めてだけど)できていたかもしれません。綺麗ごとで上書きされてしまった本当の青春を思い出させてくれました。

過ぎた時間が二度と戻らないことを知り、1枚ずつ脱ぎ捨てて、何かを失いながら大人になっていく。そういう部分まで含めて自分の中の青春を再構成してくれるような、そんな映画でした。

もちろん、平凡な毎日のままエンディングを迎えるわけではありませんので、そこは観てのお楽しみです。

 

遊び心がありながら無駄のない演出

この映画は作品として考えても、とても良くできていると思いました。

特に邦画を観ていると、監督の伝えたい想いが強すぎて観客が置き去りにされてしまうような演出に出くわすことがあります。ホラーだからこの表現は鉄板でしょ?みたいな安易なのとか。

謎のままにして余韻を楽しむというのも嫌いではないですが、個人的に、基本的には全ての行動には意味があって欲しいし全部が繋がっていて欲しい。作中で解き明かされなくてもちゃんと答えられるような目的があって欲しいんですが、この『赤色彗星倶楽部』の場合はそこがしっかりしていて、なんだろう?と思っても先のシーンにつながっていたりします。

出演者たちの微妙な距離感を表情や視線の先がしっかり伝えて来るし、チョイ役の立ち位置も最後までブレないし。

唐突に始まるバンドの演奏シーンだって、高校生らしさを表現するのには絶対必要だなって思ったし、それすらもストーリーラインに収束していく流れは驚きでした。

あんまり突き詰めて『桐島、部活やめるってよ』みたいになっちゃうと何度も観なければならないので疲れちゃいますが、いい感じに全体がまとまっているなって思いました。

 

時空も歪むトークショー

初日は上映後に舞台挨拶後のゲストとして『溺れるナイフ』や乃木坂46、Aimerさんら数々のミュージックビデオと手掛ける山戸結希監督が登場、時間が許す限りのトークを繰り広げてくれました。途中からは武井監督のお話というより山戸結希さんワールド発動で時空が歪んでしまい何の映画を観に来ていたのか忘れそうになりましたが、同じ監督という立場からの鋭い意見や設定に対する感想など、映画を創る側からのメッセージを受け取ることができました。

2日目以降も上映後に岩切一空監督、深田晃司監督を交えたトークショーが予定されていますので、それぞれの視点から観た感想なども楽しめます。

 

おわりに

なんとなくタイトルだけは耳にしていており、偶然チラシを頂いたことで興味を持ち足を運んだのですが、PFFアワード2017、第11回田辺・弁慶映画祭などで受賞するなど高い評価を受けただけのことはありました!

『赤色彗星倶楽部』はポレポレ東中野で2月16日(金)まで公開中です(21:00からのレイトショーのみ)。舞台挨拶や上映後のトークも予定されていますので、お近くの方でもし少しでも興味を持っていただけらのならぜひ足を運んでいただきたいです!

 

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