【WRC2018】世界ラリー選手権 第1戦ラリー・モンテカルロの感想です

2018年2月2日

ラリー・モンテカルロ

1月25日から28日にかけてWRC(世界ラリー選手権)の2018年シーズン第1戦ラリー・モンテカルロが開催されました。

氷に雪にと過酷なコンディションの中で各ドライバーの実力が発揮された見ごたえのある開幕戦を、各チームごとに振り返ってみたいと思います。

Mスポーツ・フォードWRT(M-SPORT FORD World Rally Team)

マシン:フォード フィエスタ WRC(FORD FIESTA WRC)

セバスチャン・オジエ選手/ジュリアン・イングラシア選手:優勝
エルフィン・エバンス選手/ダニエル・バリット選手:6位
ブライアン・ブフィエ選手/シェビー・パンセリ選手:8位

もう最初のステージで、勝ってしまいそうだという予感がありました。

路面はツルッツル、加えて夜間の厳しいコース。場所によっては20kmを下回るスピードで走らなければならない(次の瞬間には一気に120kmを超えたりするんですが)コンディションの中でも、冷静に最短距離を最大限のアクセルワークで駆け抜ける匠の技。

2日目にはトヨタのオット・タナク選手に迫られるも、次の日にはギャップを広げてコントロールするしたたかさ。最後はクルージング気味の余裕を見せたゴールでした。

スピンしてもどこにもヒットせず、溝にハマってもすぐに助けてもらえたりと運にも味方されていますが、実力の違いは大きかった。これでモンテカルロ5連覇達成。そしてWRC6連覇へ最高のスタートを切りました。

エバンス選手はオープニングステージでパンクを喫してしまいますが、その後は立ち直り2本のステージで最速ラップを刻む勢いにまで復活。今回は残念でしたが、展開次第では今年も活躍してくれそうです。昨年の優勝で自信もつけましたしね。

Mスポーツのサードドライバーとしてエントリーしたのはブフィエ選手。コ・ドライバーのジェローム・ドゥグー選手がコースの下見中に起きたクラッシュでケガをし、急きょパンセリ選手に交代しました。いきなりの組み合わせで大丈夫かなぁと思っていたのですが、2014年のラリー・モンテカルロでスポット参戦ながらオジエ選手に次ぐ2位表彰台の大金星を挙げたコンビだったんです。

結果は8位入賞と大健闘!ほぼ1ヵ月前に参戦が決まり、慣れないパワフルなマシンでいきなり入賞できるなんてさすが。第4戦ツール・ド・コルス(フランス)の出場も予定されているので、もう1度お会いしましょう。

 

トヨタ・ガズー・レーシングWRT(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)

マシン:トヨタ ヤリスWRC

オット・タナク選手/マルティン・ヤルベオヤ選手:2位
ヤリ‐マティ・ラトバラ選手/ミーカ・アンティラ選手:3位
エサペッカ・ラッピ選手/ヤンネ・フェルム 選手:7位

オジエ選手の他にも天才がいるのだなぁと、タナク選手の活躍を見ながら思いました。新しいチームに移籍してのデビュー戦。いきなりオジエ選手に迫る強さでの2位表彰台は驚きでした。フィエスタとは感触が結構違うと話していましたが、チームの誰よりも乗りこなしていました。

サスペンションがフワフワした感じだったので臨機応変に対応できるように幅広めなセッティングだったと思うのですが、これから慣れていってどこまでチャンピオン争いを面白くしてくれるのか、すごく楽しみになりました!

ラトバラ選手は大きなミスはなく3位表彰台でトヨタが2 – 3フィニッシュとなりましたが、徐々にトップから離されていく展開になり、成績以上に上位2名との大きな差を感じました。オジエ選手、タナク選手のように、ポンッとすごいことができる天才も存在しますが、努力型のラトバラ選手(ときどき天才を凌ぎますが)はこんな時もコンスタントにポイントを稼いでいくことが大事なのでチャンピオンを狙うためには良いスタートが切れたのかな。

ラッピ選手は前半ラトバラ選手より良いペースでしたがコロコロ変わるコンディションに戸惑い徐々にペースダウン。ステージ12ではパンクを喫し、最終ステージにはコースオフで4位から7位に転落してしまうという、モンテカルロの洗礼を受けました。

フィニッシュ後にはかなりヘコんでいる姿が映像に映っていましたが、その悔しさを次戦にぶつけてください!

 

シトロエン・トタル・アブダビWRT(CITROËN TOTAL ABU DHABI World Rally Team)

マシン:シトロエン C3 WRC(Citroën C3 WRC)

クリス・ミーク選手/ポール・ネイグル選手:4位
クレイグ・ブリーン選手/スコット・マーチン選手:9位

ミーク選手も魔のステージ1 で犠牲になったドライバーの1人。溝にハマり、次のステージでもスピンして初日でトップ争いから脱落しましたが、相次ぐ上位陣のトラブルと、自分でもビックリの最終ステージトップタイムで気がついてみれば4位フィニッシュでミーク選手らしい存在感をアピール。

彼とあんまりうまくいってなかったように思える代表のイヴ・マットンさんがFIAに異動し、代わりに就任したピエール・ブダールさんはミークさん擁護派(今のところは)なので昨年よりはプレッシャーが少なくなる(今のところは)ので、早いうちに優勝を捧げて安心してもらいましょう。

ブリーン選手も雪の中でマシンが動けなくなり、ミーク選手と同様に観客に助けてもらって復帰したけれど大きくタイムロス。その後はブレーキが効かなくなりズルズルと遅れていきました。後半になってようやく笑顔が見られるようになりましたが結果は9位と喜んでいいのか微妙な成績。昨年のミスター5位、それ以上の成績を残せるのはいつになるのかな?

 

ヒュンダイ・シェル・モービスWRT(Hyundai Shell Mobis World Rally Team)

マシン:ヒュンダイ i20 クーペ WRC((HYUNDAI i20 COUPE WRC)

ティエリー・ヌービル選手/ニコラ・ジルソウル選手:5位
アンドレアス・ミケルセン選手/アンダース・イェーガー選手:13位
ダニ・ソルド選手/カルロス・デル・バリオ選手:リタイア

開幕前は自他共に一番期待の大きかったヒュンダイ勢が一番悲惨な結果になりました。

ヌービル選手はやはり魔のステージ1で溝にハマり、しかも運悪く観客の少ない場所だったためになかなか助けが来ず復帰に時間がかかり4分を超えるタイムロス。その後もパンクしたり散々な目にあって5位まで戻したのは実はすごいのでは?それにしても去年のリタイアといい期待されるといい結果が出ませんね~。

ミケルセン選手はステージ1を無傷で切り抜けた数少ないドライバーの1人でした。ステージ2でもオジエ選手に食らいつきヌービル選手の代わりに活躍を期待しましたが、ステージ4の出走前にマシントラブルでリタイアとなってしまいました。ステージ3でコースを飛び出して民家の玄関前を駆け抜けていったくらいで特に壊れるようなことしてないと思うのですが、不運です。

そして一番残念だったのはソルド選手だったかもしれません。序盤からミスもなく快調に飛ばして表彰台圏内に留まっていましたが、あっさりとコースオフ、復帰できずにそのままリタイアとなってしまいました。どんなコースでも安定した成績のソルド選手、ここで存在感を出してくると思っていたのに・・・。

 

全体を通しての感想

今回の成績って、まさに今のドライバーたちの実力をしてしているんじゃないかと思います。頂点に立つオジエ選手、彼に立ち向かうのがタナク選手。このチャンピオン争いに追随するのがラトバラ選手で、その背後に実力が拮抗するドライバーたちがひしめき合っているという様子がそのまま結果に表れたかのように感じられました。

優勝したオジエ選手と2位のタナク選手が約1分差、3位のラトバラ選手は約2分差、4位から7位までが約5分差と、3位くらいからは違うクラスなのかな?って思っちゃうほど差がついてます。きっとこれくらい選手の実力も大きな差があります。

ラリー・モンテカルロ結果(rallyliveresults.com)

4位から6位のミーク選手、ヌービル選手、エバンス選手は1ステージ目で約4分タイムロスしたメンバーで、それがなければトップ争いもできたかもしれません。でもその困難を乗り越えないと勝てないのがラリーなのです。

ヌービル選手は前回チャンピオンシップ2位になってからスランプに陥りました。ミケルセン選手は優勝を意識しだすとドライビングが大ざっぱになりがち。今回のような残念な結果になったのも影響してないとは言い切れません。運が悪かっただけで片付けらえない問題もあるのだと思います。

とはいえまだ初戦ですし、これからの展開次第ではまだまだ誰もがチャンピオンになれる可能性があります。次は思いっきり飛ばせるスウェーデンなので、好成績を残せなかった選手たちもモンテカルロのストレスを好き飛ばしてもらいたいですね。

 

おわりに

オジエ選手の王者の貫禄。そしてタナク選手の輝きと、今年の2強が初戦から飛びぬけた強さで引き離しにかかってます。

どうしてもトヨタびいきになってしまうからタナク選手の活躍は嬉しいんだけど、ラトバラ選手も今年は大きなチャンスなので頑張ってくださいね!

WRC第2戦ラリー・スウェーデンは2月15日開幕です。お楽しみに!

 

ハイライト動画集

【動画】ステージ1 – 5 ハイライト

【動画】ステージ9 ハイライト

【動画】ステージ 11 – 13 ハイライト

【動画】ステージ 14 – 15 ハイライト

【動画】ステージ 17 ハイライト

【動画】ラリー・モンテカルロ レビュー

画像の出典:TOYOTA GAZOO Racing