【WRC2018】世界ラリー選手権に参戦するチームとマシン、ドライバーを紹介!(シトロエン)

2018年1月27日

シトロエンC3 WRC

WRC(世界ラリー選手権)の2018年シーズンが始まりました!今年のチーム、マシン、そしてドライバーをご紹介していきます。

このページではシトロエンについてご紹介します。その他の情報は以下のリンクからどうぞ。

シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム(Citroën Total Abu Dhabi WRT)

1950年代からラリー史の記録に残るシトロエンは、パリ・ダカールラリーでの活躍を中心にした活動からWRCにも注力し始め、2003年からフル参戦を果たしました。

2004年からはセバスチャン・ローブ選手/ダニエル・エレナ選手のタッグにより9連覇という輝かしい偉業を達成しチーム栄光は頂点へ。しかしローブ選手の引退と共に苦しい時代が訪れます。エースドライバーの不在、ほぼローブ選手専用となってしまっていたマシン再開発の遅れに加えて、煮え切らない首脳陣の判断も低迷を長引かせる原因になってしまいました。

意を決して2016年の正式参戦を見送り、レギュレーションが大幅に変更される2017年からの活動準備に一年を費やします。そして完成したのがシトロエンのシンボルカーでもあるC3をベースにしたC3 WRC。テスト中の進捗では大本命と期待されていたのですが・・・。

2017年シーズンは2勝を挙げたものの残りの結果が思わしくなく、デビューイヤーのトヨタにさえランキングで置いていかれてしまう始末。今季はローブ選手、オストベルグ選手となりふり構わずドライバー声をかけ、ベストな選択を模索します。

 

マシン:シトロエン  C3 WRC(Citroën C3 WRC)

シトロエンC3の都会的なデザインを踏襲しながらも、赤と黒を基調にした力強いカラーリングとWRCらしいガッシリとしたアレンジを加え2017年に登場したC3 WRC。チームが1年間のWRC参戦休止を決めてまで開発に注力した渾身の力作です。

テスト時にはロングマイレージもこなせる耐久性と、特にターマックでの速さが光っていました。コーナリング時の挙動も綺麗で実戦での期待が高まりましたが、シーズンが始まってみると2勝を挙げるもリタイヤが多く性能をフルに発揮できる機会が多くありませんでした。走行中の映像を見る限り不安定な感じはしないのですが、ミーク選手がインタビューで何度か話していたように、ちょっとしたミスのリカバリが難しいマシンなのかもしれません。

2017スペックのWRCマシンはヒゲのようなカナードが目立つのですが、その辺りも一番スッキリしていて、個人的には見た目が現在のWRCマシンの中では一番好きです。

 

ドライバー/コ・ドライバー

クリス・ミーク選手/ポール・ネイグル選手

同郷スコットランドのラリードライバー、コリン・マクレー氏に才能を見いだされたミーク選手は、資金難に苦しみながらもBMW ミニWRCの開発兼ドライバーとしてWRCに参戦。チーム撤退の際にシトロエンチームと出会い、2014年からシトロエンチームのレギュラードライバーとして戦うことになりました。

トップレベルのスピードを持ちながらもクラッシュが多く安定しない成績が続きますが、2015年の初優勝から毎年1、2勝を挙げる実力もあり、エース不在のシトロエンとしては手放すことのできない存在です。

とにかく激情的なドライビングスタイル。どんなときも全力なので、ノッてきたら誰よりも速いけどリズムが狂いだすとミスを起こしてクラッシュしたり、優勝かリタイアか最後の1メートルまで目が離せないドキドキドライバーです。

フラストレーションが溜まると、ゆでダコみたいに真っ赤な顔になりインタビューで一言も喋らないときもあったりしますが普段は気さくなジェントルマン。

パートナーのネイグル選手は、コ・ドライバーとして活躍する父の影響で早くして同じ道を選ぶこととなりました。1997年のデビューから着実に実績を重ね地元ラリーからイギリス・フランスなど国境を超える戦いへと身を投じていきます。しかし2006年の大クラッシュにより、明るい未来への道のりから一旦遠ざかることになってしまったのです。

2009年にミーク選手との出会いでWRCにデビュー。資金難で一度離れたりもしましたが、ミーク選手のシトロエンチーム加入で再度コンビを結成。2015年には二人にとって念願の初優勝を手に入れるのでした。

ハイになってくると全然人の話聞いてなさそうなミーク選手の隣で、冷静に細かく指示を出し続けるネイグル選手。クラッシュして大回転とか派手なアクシデントに巻き込まれたりすることも多いですがどうやら二人の息は合っているみたいです。

2018年のヒュンダイチームに加入したアンドレアス・ミケルセン選手やチームメイトのクレイグ・ブリーン選手のコ・ドライバーを務めたこともあり、経験豊富な人なんです。

 

クレイグ・ブリーン選手/スコット・マーティン選手

カートからキャリアをスタートしたブリーン選手は、2009年から母国アイルランドの選手権を中心にしたラリー活動に移行、イギリスでの選手権優勝を得てWRCアカデミーへとステップアップします。

2013年にはプジョーと契約を交わしWRC2やERCなどに参戦しますが、マシンのメカニカルトラブルなどに苦しんでいました。でもその能力は同じグループのシトロエンの目に留まり2016年にWRCデビューのチャンスをつかみます。デビューイヤーのフィンランド戦では初表彰台をゲットし自信の才能を証明するのでした。

2017年シーズンは表彰台こそないものの、浮き沈みの激しいミーク選手と真逆に6度の5位入賞と安定した成績を残しチームに貢献。2018年はスポット参戦のセバスチャン・ローブ選手とマシンをシェアすることになりますが、彼から学べることも多いはず。シトロエンの未来のエースを目指して更なる成長を期待です。

コ・ドライバーはスコット・マーティン選手。2005年にウェールズラリーで起きたアクシデントで再起不能を覚悟するほどのケガを負いますが、奇跡の回復でわずか1か月後に復活優勝したタフガイです。

その後は順調にキャリアアップし2008年にWRCデビューしチームメイトのアル・カシミ選手のパートナーを経てブリーン選手とのタッグを結成。2016年からシトロエンの重要なドライバーの1人として活躍しています。

 

マッズ・オストベルグ選手/トシュテン・エリクセン選手

13歳から父の駆るスバル・インプレッサWRCのコ・ドライバーを務めていたというオストベルグ選手は、早くからその才能を開花させ2006年には父親の後を追うようにスバル・インプレッサWRCでデビューします。

2011年からはフォード・フィエスタRS WRCで活躍。開幕戦でいきなり2位表彰台を獲得し、翌年には初優勝を飾るなど将来を期待されるドライバーの1人として名乗りを上げました。

しかしその後は低迷が続きMスポーツ、シトロエンと毎年のようにチームを渡り歩きます。2017年にはついにレギュラーシートの座を失いプライベーターとして数戦の参戦に留まりました。

そんなオストベルグ選手ですが貴重な参戦機会を得られればお祭り男として大活躍。ミスター大ジャンプと呼ばれるようになり、ラリー・フィンランドでは前人未到の50メートルを記録。環境さえ整えば安定した成績を出せるドライバーなので、ぜひシトロエンのレギュラーの座をつかんでミーク選手がやらかしたときのポイントゲッターになって欲しいです。

コ・ドライバーのエリクセン選手との出会いは2016年、天候とグラベル・ノートを担当するクルーとして共に戦っておりすでにお互いを良く知る間柄。

エリクセン選手のキャリアは2009年からとまだ日が浅いですが、ノルウェーの選手権では2012年から2014年にかけて3連覇と見事な実績があります。

2017年は2戦出場しWRCのスピードも経験済み。2018年はラリー・スウェーデンでシトロエンからスポット参戦することが決まり、一気にワークスドライバーの座を手に入れるチャンスがやってきました。

 

セバスチャン・ローブ選手/ダニエル・エレナ選手

かつてはこのシトロエンのチームで前人未到の9連覇を達成したローブ選手がスポット参戦ながらWRCに帰ってきます!

昨シーズンもテストに参加し全戦復帰の噂すら流れましたが、もうそこまでの興味はないのかもしれません。シトロエンとしては不振が続くチームの立て直しを期待しているのでしょうが、問題はチーム運営と勝てるドライバーの確保だと思うので大きな影響はないと思います。

登場するのは第3戦メキシコ、第4戦ツール・ド・コルス、第12戦スペイン。まだレジェンドの輝きが残されているのか期待半分。不安半分です。サクッと優勝しちゃったりして。

彼を支え続けてきたコ・ドライバーのダニエル・エレナ選手も一緒にWRCに復帰します。引退したら自分の経営している会社でのんびりしたいなんて話してたような気がするんですが、ダカールラリーに出場したり、今度はWRCに戻ってきたりとなかなか心が休まる時間は取れないようです。

 

カリッド・アル・カシミ選手/クリス・パターソン選手

以前は主に中東でのラリー選手権で活躍し、若手の育成などにも力を入れているアル・カシミ選手。なんとアラブ首長国連邦の王子様で、チームの大事なスポンサー様でもあります。

今も現役ドライバーとして活躍しており、堅実な走りで2011年には5位入賞という記録もあり侮れない人物です。

彼のコ・ドライバーは2003年にペター・ソルベルグ選手と共にワールドチャンピオンに輝いたクリス・パターソン選手。二人は2018年シーズンも4戦ほどの参戦を予定しています。

 

おわりに

1チーム3人制となったWRCで正ドライバーが2人しかいないというハンデを背負っているシトロエン。3人目をうまく使い分けて低迷するチームに刺激を与えることができるでしょうか?

気づいたことがあればどんどん書き直していきます。気になる選手がいたら、また読んでくださいね。

 

画像の出典:Citroën Racing