【ラリークロス】世界ラリークロス選手権(WorldRX)最終戦(第12戦)ケープタウン(アフリカ)の感想です

世界ラリークロス選手権第12戦アフリカ

9月29日(金)から世界ラリークロス選手権(WorldRX)の最終戦、第12戦がアフリカのケープタウンで開催されました。WorldRX史上初のアフリカ大陸開催は、今シーズンを象徴する王者たちの共演に酔いしれる華々しい戦いになりました。

ルールについては以下の記事で説明していますので、事前に見ておくことをオススメします。

スポンサーリンク

最終決戦の地、アフリカ・ケープタウン

WorldRX史上初のアフリカ大陸開催。選ばれた場所はかつての貿易の要所、ケープタウン。テーブルマウンテンの麓に作られたキラーニー・インターナショナルレースウェイが舞台になります。

スタートすると食い込むように弧を描く1、2コーナーと深い角度のシケイン。また同じようにスプーンカーブからのシケインとシンプルな見た目ではありますが、初開催もあってコース取りも難しそう。

ジョーカーラップは最終シケイン1つ手前に設置された距離が長めのレイアウト。メインコース以上に長いストレートで出口付近まで急加速できるので、合流地点は要注意です。

CIRCUIT: Killarney International Raceway(FIA World Rallycross Championship)

【動画】ケープタウンRX プレビュー

 

予選~セミファイナル:

予選初日、予期せぬトラブルなどで沈んだ常勝メンバーをよそに健闘したのは、今季を持ってチームの撤退が決まったケン・ブロック選手(Team Hoonigan Racing Division:フォード フォーカス RS)でした。2日目のQ3、Q4も手堅くまとめ予選6番手と好位置キープ。同僚のアンドレアス・バックラッド選手も5番手と最後のレースで奮闘してくれました。

でも荒れた予選も終わってみればヨハン・クリストファーソン選手(Team PSRX Volkswagen Sweden:ポロ GTI)がトップ、ティミー・ハンセン選手(Team Peugeot-Hansen:プジョー 208)が2位と手堅いメンバーがやはり上位を固めます。

セバスチャン・ローブ選手(Team Peugeot-Hansen:プジョー 208)、ペター・ソルベルグ選手(Team PSRX Volkswagen Sweden:ポロ GTI)らもなんとか予選は突破。ヤニス・バウマニス選手(Team STARD:フォード フィエスタ)もセミファイナル進出は当たり前になってきました。

 

セミファイナル1は強豪揃いのグループとなり、クリストファーソン選手、ソルベルグ選手、マティアス・エクストローム選手(Team EKS:アウディS1)が決勝にそろい踏み。昨年の勢いがあればこのメンバーに肩を並べていたであろうバックラッド選手は4位に終わり、悔しいシーズンを終えました。

セミファイナル2にはティミー、ケビンのハンセン兄弟(Team Peugeot-Hansen:プジョー 208)に同チームのセバスチャン・ローブ選手もいるというプジョー地獄。抜け出したのはティミー兄弟と2人の間に挟まれてティモ・シャイダー選手(Team MJP Racing Team Austria:フォード フィエスタ ST)の3人。ローブ選手はリタイア。前日の勢いで最後の花道を飾れるかと期待していたブロック選手は、2番手フィニッシュながらパーツを失ったことによる車両重量違反でファイナル進出は叶いませんでした。順調に行けば決勝は3番手からスタートできるタイムだったのですが。

(追記)セミファイナル2の動画が公開されました。ブロック選手、フロントがボロボロの状態で渾身の走りです。スタート直後で破損してますが、彼が悪いわけではないんです。本当に悔しい。

【動画】Q1ハイライト

【動画】Q2ハイライト

【動画】Q3ハイライト

【動画】セミファイナル2

 

決勝:世界最高の走りがここに!

スタートでトップに立ったのはフロントロー外側から飛び出したクリストファーソン選手。今季の強さを象徴する完璧なロケットスタートで一気に首位を奪います。イン側のポールポジションからティミー選手が追走しますが1コーナーで後ろから押される形で外に膨らみ、エクストローム選手、ソルベルグ選手に順位を明け渡してしまいます。その後ろからはシャイダー選手が追いかけ5番手に。ケビン選手はスタート直後にマシントラブルでリタイアとなりました。

順位を落としたティミー選手が1周目でジョーカーラップを選択し、後半の巻き返しを図ります。

息をつく暇もなく、一昨年のチャンピオン、ソルベルグ選手と昨年のチャンピオン、エクストローム選手の一騎打ちが始まります。実力が拮抗する2人だからこそ可能な限界ギリギリのガチバトルはもはや芸術の域。その間にクリストファーソン選手がどんどん逃げる展開に。後続ではシャイダー選手が2周目でジョーカーラップに入ります。

3週目、真剣勝負に一旦区切りをつけソルベルグ選手がジョーカーラップに向かうと、後ろからジリジリと差を詰めていたティミー選手がソルベルグ選手をかわします。前の2人が競り合っている間にタイムを上げてきていました。これぞジョーカーラップ戦略の面白さ。ソルベルグ選手は4位へと後退。

ソルベルグ選手からの追撃を逃れたエクストローム選手はティミー選手の動きを察して軽くスパートをかけ、十分な差がない状態ながらジョーカーラップへ。これはあくまでもソルベルグ選手の前に出るためでしょう。ティミー選手に順位を譲りますが、3位のポジションでメインコースに復帰しソルベルグ選手と再戦開始。彼がこのままの順位を守り切れば総合2位は盤石になります。

しかし、ただでは終わらないのがソルベルグ選手。5週目以降も猛プッシュで最後の最後までエクストローム選手に襲い掛かります。火花散るデッドヒートはいよいよ今年最後の周回へ。

その間に、後続との差をしっかりとコントロールしていたクリストファーソン選手がジョーカーラップを得て首位でメインコースに復帰、堂々とチェッカーフラッグを受けます。

続いてティミー選手、スタート直後のリタイアでマシンを降りた、弟ケビン選手の熱い声援を受け2位フィニッシュ。決勝レースの間厳しい攻防戦を続けたエクストローム選手が3位表彰台へ。ソルベルグ選手は惜しくも4位、シャイダー選手が5位に入りました。

最終結果は以下をご覧ください。

Live Qualifying Results – Supercar – Killarney International Raceway(FIA World Rallycross Championship)

【動画】決勝ハイライト

 

感想

ファイナルラウンドは最終戦にふさわしい王者たちの共演になりました。

チャンピオンを早々と決め、前戦ドイツでは少し気が抜けてしまったのではないかと心配したクリストファーソン選手は、今年の覇者としての輝かしい姿をアフリカの地でもう一度見せてくれました。短期決戦のラリークロスで重要なロケットスタート、高いコンセントレーション、そして戦略の巧さ(これはチームとしての強さでもありますね)と三拍子揃った完全なる勝利でした。

ファイナルではスタートからゴールまで戦い続けたエクストローム選手とソルベルグ選手と選手。お互い押し負けない熱い2人だからこそのギリギリのせめぎ合いはいつまでも見ていたかった。来季もこんなレースが見られたら嬉しいですね。

2位に入ったティミー選手はシーズン通して安定した強さでしたが、最終戦でもそれを象徴するかのような走り。次のシーズンでは要注目の選手の1人です。

ルーキーながらDTM(ドイツツーリングカー選手権)で2度も王者に輝いたシャイダー選手もさすがの結果を出し来年に期待をつなぎます。エクストローム選手といい、DTM経験者は当たりに強いイメージがありますね。

 

一年を通したチーム関係を見てみると、やはり2人とも強いフォルクスワーゲンが圧倒的。安定の表彰台常連ティミー選手と、こちらもなんだかんだで速いローブ選手を擁するプジョーハンセンが2位の座に着き、EKSはトッピ・ヘイキネン選手の不調が響き総合力で劣ってしまいました。アウディはWEC(世界耐久選手権)から手を引いてフォーミュラEへのシフトを発表していますので、来季どれだけ資金を注いでくれるのかちょっと気になります。

そして悲しいことにブロック選手率いるフーニガンレーシングが2年間の活動を終えて撤退します。フォードはWRCでもそうなんですが本腰を入れず中途半端なところがどうにも歯がゆい。昨年のデビューイヤーで成績がそれなりに良かったので、かえって開発の手を緩めてしまったのでは?という感じがしました。いったい何を目指しているんでしょうね?

まぁそんな悲しいニュースもありますが、来年にはWorldRXがアメリカ初開催を迎えます。もしかしたらグローバル・ラリー・クロス(GRC)とも共催も遠い未来のことではないのかもしれません。新しく参戦するチームの情報なども、これからもチェックしていきたいと思います。まずは参戦マシンを増やしてもらいたいですね。待ってますよ、スバルさん!

 

おわりに

今季飛躍の年を迎えたフォルクスワーゲンが来年も圧倒するのでしょうか?それともアウディの逆襲が始まるのでしょうか。

フォード勢からはフーニガンが撤退してしまい残念ですが、代わりにルノーがメガーヌRXで参戦予定。モータースポーツには厳しい逆風が吹く中で人気上昇中のラリークロス、次のシーズンではもっと盛り上がって欲しいと思います!

2018年シーズン開幕戦は、4月14日(土)、スペインから始まります。今年1年、応援していただきありがとうございました!そして来年もお楽しみに!

 

画像の出典:FIA World Rallycross Championship

スポンサーリンク