【WRC2017】世界ラリー選手権 第11戦ラリー・カタルーニャ(スペイン)の感想です

WRC第11戦ラリー・スペイン感想

​世界ラリー選手権 第11戦ラリー・カタルーニャ(スペイン)は予想外の出来事が次々と起こる筋書きのない戦いになりました。最後に混戦を制したのは久しぶりのミーク選手!いつもの不安定さはどこへやら、終始安定した走りで他を圧倒です。

各チームごとに感想を書いていきます。

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シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム(CITROËN TOTAL ABU DHABI WRT)

マシン:シトロエン C3 WRC(Citroën C3 WRC)

クリス・ミーク選手/ポール・ネイグル選手:優勝
ステファン・ルフェーブル選手/ギャビン・モロー選手:6位
カリッド・アルカシミ選手/クリス・パターソン選手:17位

ラトバラ選手の初日リタイアで落ち込んでいた気持ちを救ってくれたのは、苦労人ミーク選手の走りでした。

この人は最後の1メートルまでドキドキしながら応援することになりますが、今回はターンをしくじってタイムロスしたりと心配な部分はありつつも危険を感じるミスはなく、非常に頼もしいミークさんの雄姿を堪能できました。

シトロエンチーム的にはここでリタイアだったらキッパリ決断できたでしょうが、表彰台どころか優勝してしまってクビにしていいのか更に悩むことでしょう。付き合ってた彼女とうまくいかなくなって別れようかと思ってたら突然最高の笑顔を見せてくれた!みたいに心を揺さぶるミークさん。さすがベテランです(?)。

セバスチャン・ローブ選手がテストしたことでマシンにもフィードバックがあったんでしょうが、コ・ドライバー、ネイグル選手のペースノートも以前より情報量が増えていたような気がした(単に忙しいコースなだけ?)ので、2人もここが正念場だと感じていたのでしょう。

ルフェーブル選手も6位入賞。来季のシートのことを考えるとブリーン選手の最高位5位よりも少しでも上に行きたかったところですが、厳しいレースでの入賞という結果を出せて良かったです!

ドイツでもシトロエンC3は良い動きをしていましたが、今季のターマックラウンドはこれで終了。残り2つのグラベル戦、この勢いを維持できるでしょうか?

 

Mスポーツ・ワールドラリーチーム(M-SPORT WORLD RALLY TEAM)

マシン:フォード フィエスタ WRC(FORD FIESTA WRC)

セバスチャン・オジエ選手/ジュリアン・イングラシア選手:2位
オット・タナク選手/マルティン・ヤルベオヤ選手:3位
エルフィン・エバンス選手/ダニエル・バリット選手:7位

第6戦ポルトガル以降優勝から遠ざかっているオジエ選手は、勝ち切れなさを丁寧なドライビングで穴埋めしWRC5連覇へとまた一歩前進しました。昨年の6勝に比べまだ2勝と地味ではありますが、かえって王者の強さを引き立たせているようです。

タナク選手もオジエ選手を追い抜く勢いで5秒差の3位。ドライバースポイントもチームメイトのオジエ選手に続く2位へと浮上し、来季への自信を覗かせます。

エバンス選手もきっちり7位に入り総合力の高さを披露し、マニファクチャラーズタイトルはほぼ確実に。Mスポーツは正式にはメーカーではないので資金繰りが一番厳しいチームですが、それでも勝てるんだからすごい。特にオジエ選手。

 

トヨタ・ガズー・レーシング WRC(TOYOTA GAZOO Racing WRC)

マシン:トヨタ ヤリスWRC

ユホ・ハンニネン選手/カイ・リンドストローム選手:4位
エサペッカ・ラッピ選手/ヤンネ・フェルム 選手:リタイア
ヤリ‐マティ・ラトバラ選手/ミーカ・アンティラ選手:リタイア

エースのラトバラ選手がまさかの初日リタイア。今年は序盤から抜群の安定感でチームを支えていましたが、これで4戦連続テクニカルトラブルによる優勝前線からの脱落です。そろそろなんとかしないと来季にも響きそう。

ラッピ選手も想像以上に滑りやすい路面コンディションの変化に順応できず、最終日にもったいないリタイア。

唯一の救いはハンニネン選手が堅実に4位入賞を果たしたこと。ドイツ戦に続いてターマックイベントでの好成績だし、なによりもヤリスで安定した走りができたのは嬉しいです。まだ改善の余地は大きいですが来年につなげる大事な経験になります。ハンニネン選手は序盤、木にぶつかりまくりで心配でしたが今では自身もついたんじゃないでしょうかね。

 

ヒュンダイ・モータースポーツ(HYUNDAI MOTORSPORT)

マシン:ヒュンダイ i20 クーペ WRC((HYUNDAI i20 COUPE WRC)

ダニエル・ソルド選手/マルク・マルティ選手:15位
アンドレアス・ミケルセン選手/アンダース・イェーガー選手:18位
ティエリー・ヌービル選手/ニコラ・ジルソウル選手:リタイア

初日からギャンブルに出たヌービル選手。グリップ力の高いソフトタイヤを履いて全力で勝ちに行こうとしますが作戦ミス。その後もオイル漏れなど謎のトラブルが続き、挽回しようとした最終日には岩にヒットしリタイア。心が折れちゃいそうです。

今回から正式にヒュンダイに加入したミケルセン選手も序盤は首位に立つ快走を見せましたが、雨でリズムを崩したのかズルズルと後退、難しくなさそうなコーナーで溝落としに失敗してリタイアとなりました。ターマックには定評のあるソルド選手も同じ場所、同じ原因でリタイア。どんだけツイてないんだってくらいの最悪な週末でした。

(追記)よく見ると路肩にタイヤを落としたところに大きめの岩が顔を出していて、2台ともそこに引っかかってしまってますね。頭文字Dの真似をして失敗したのとは違います。

最終パワーステージではソルド選手が鬱憤を晴らすようなトップタイムで5ポイント取りましたが焼け石に水。ドライバー、コ・ドライバー、マニファクチャラーズタイトルの全てが遠ざかって行ってしまいました。

 

その他

今回はマッズ・オストベルグ選手が復活し一時は首位に立つ活躍を見せてくれましたが、マシンの隙間から土ぼこりが入る最悪の罰ゲームにより車内煙幕状態で走行することに。それでも終わってみればシーズンベストの5位フィニッシュと健闘しました。

走っててリアウイング取れる

水たまりでディフューザー取れる

マシンの隙間から土ぼこりが入る(NEW!)

こういうネタはもういらないので彼に普通に走らせてあげてください。何も問題なければ表彰台だったかもしれないのに!優勝だって可能性があったのになぁ・・・。

 

全体を通しての感想

今季はチャンピオンシップ争いの最有力候補とまで言われたヌービル選手、まさかの2戦連続ノーポイントで苦しい立場に追い込まれました。

2013年に総合2位となり、いよいよと期待されたときも失速し2014年、2015年と長いスランプに陥ってしまったヌービル選手。今回も態度が大きくなってから少し心配していましたが、またしても歴史は繰り返すのでしょうか。

まずは落ち着いて謙虚なチャレンジャーを心がけましょうね!

それにしてもヒュンダイ勢は不運だれけのレースでした。ミケルセン選手とソルド選手は揃って同じ場所でサスペンションを破損してリタイアになったのですが、多分他のドライバーの同じように溝落としして走ると思うのでなぜヒュンダイだけが壊れるのかちょっと謎です。サスの設置角度とかの問題なのかなぁ?

余談ですが、ミケルセン選手は今戦からちゃんとマニファクチャラーズドライバーとしても登録されていました。各レースごとに1チーム3名まで登録でき、そのうち上位2名分のポイントがチームのポイントとして加算されるとのことで、これからもちゃんとチームに貢献してくれます。

ミーク選手が今季2勝目。この数字はオジエ選手と一緒なんですが、なんでしょう2人の間にある大きな差は。でももう1勝あれば絶対見られ方が変わるはず。次戦の地元イギリスでも頑張って!

 

おわりに

今シーズンも残りあと2戦。ついにオジエ選手が5連覇に王手をかけ次回のラリーGB(イギリス)で決まる可能性があります。移籍についてはまだノーコメントを貫いていますが、どうなるんでしょうか。ヌービル選手の調子次第ではヒュンダイという選択肢も想像できるような・・・。

第12戦ウェールズ・ラリーGB(イギリス)は10月26日(木)開催です。天候次第では大荒れの展開もある伝統の一戦、お楽しみに!

 

 

(画像の出典:TOYOTA GAZOO Racing)

ハイライト動画集

【動画】ステージ1 – 3 ハイライト

【動画】ステージ4 – 6 ハイライト

【動画】ステージ7- 9 ハイライト

【動画】ステージ10- 13ハイライト

【動画】ステージ14- 16ハイライト

【動画】パワーステージ ハイライト

 

【動画】ラリー・カタルーニャ イベント ハイライト

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