【映画感想】ダンケルク/ウォーボーイズも狂喜乱舞?(ネタバレなし)

ダンケルク

クリストファー・ノーラン監督の最新作『ダンケルク』を観賞してきました。

北朝鮮からのミサイルが頭の上を通り過ぎ、平和な時代が終わりを迎えているのでは?と思えるような昨今ですが、その先にある戦争を予感させる壮絶な作品でした。

正直、とにかく凄いから観てねとしか言えないのですが、4DXシアターでのドタバタした様子も含めてネタバレなしで感想を書いていきます。

あらすじ

1939年9月、ドイツによるポーランド侵攻から始まったとされる第二次世界大戦。ドイツは破竹の勢いでヨーロッパを蹂躙し、翌年の1940年にはフランスへと侵攻、イギリス・フランス同盟軍はドーバー海峡に面したフランス最北端の地、ダンケルクへと追い詰められます。

本作品の舞台はこのダンケルク。逃げ道を失った40万人の兵士を、ドイツ軍の攻撃にさらされながらも海の向こうに見えるイギリス領ドーバーに運ぶため「ダイナモ」撤退作戦が実行されます。

陸・海・空と3つの異なる視点から見る戦争の姿。そこにあるのは一瞬も休むことが許されない、生き残るための戦いなのでした。

【クリストファー・ノーラン監督『ダンケルク』予告編】

 

何が起こってるかわからない、それが兵士から見た戦争

いきなり無理ゲー

実はネタバレする要素があまりないです。ただ戦場に放り込まれ、次々に死にそうな目に合い続ける兵士たちの様子を、自分も兵士の1人となって体感する映画です。

海峡を挟んで直線距離で約70km。ダンケルクから目視できる祖国イギリスの大地。そこまでたどり着ければ生き残れるのに、陸地からはドイツ軍の足音が迫り、海を渡ろうとすれば爆撃機がやって来て船を沈められてしまいます。

ダンケルクってどこだろう?とか、オレ、なんでここで戦ってるんだろう?とか考える時間はありません。最後まで観て、生き残ってからGoogleさんで調べなさい!と言わんばかりの潔さ。

隣にいる人の名前さえ知らない。っていうか知る必要もない。戦いの中で隣が山田くんだろうが鈴木さんだろうが生き残るためには関係ないのです。戦況がどうなっているのかもわからず次から次へと訪れる絶望的な状況をなんとか切り抜けていく。それしかできない自分を体験することになります。

3つの視点で描く戦争の姿

物語は3つのストーリーが進行していくので、通常の3倍ビクビクできます。

陸では見えない敵からの銃弾に怯えながら、生き残ろうとする兵士たちと共に。

海ではなんとか助かろうと命がけで船に乗り込む隊員たち。そして彼らをなんとか救おうとする救出船からの視点で感じる恐怖。

空では撤退する兵士たちを守るため、自らの危険を承知でダンケルクを目指す勇敢なパイロットたちの雄姿と焦り。

一見バラバラに思えるストーリー。ですが、実はうま~くつながっているのです!この謎が解けたとき、あーやっぱりこれ映画だわ、生きてて良かったわ、と感動しながら安堵できました。

 

IMAXが良いとは言うけれど気にしなくて大丈夫!

そんな作品なので、他の作品みたいに主人公や取り巻く状況の情報収集、後に回収される伏線探しなんてやってる暇がありません。

IMAXシアターじゃないと映画の情報が少なくなって楽しめないという意見もありますが、個人的には全然気にすることないと思います。

例えばクルマが130kmのスピードで走行しているとき、視野範囲はわずか30度になります。とにかく全力疾走で走り続けることを強制されているみたいな映画ですから、画面全体が見えていない状態の方が自然です。よりリアルな表現です。

こんな過酷な戦場にいるのに広い視野角で隅々まで綺麗に見えるとしたら、きっと走馬灯のように過去の出来事が見えてるんだと思います。

だから、見える部分が少なくても平気です!

クルマ何でも質問箱(JAF)

 

4DXの威力は・・・最高の戦場体験でした!

劇場はユナイテッド・シネマとしまえん、4DX2D(字幕版)をチョイスしました。

銃声が聞こえると同時に耳元を何かが掠めていくし、海に堕ちれば波しぶき(招待は霧状の水)がザッパーンザッパーンやって来るし、爆撃を受けるたびに大地が揺れますし、炎のシーンとか首元アツっ!ってなりました(これはただの錯覚かもしれませんが)。すっごい疲れるし、ヤバい死ぬ!死んじゃう!って気分になるけど振り返ってみれば最高に楽しかったです。

地面の硬さも波の揺れすらも映像だけじゃなく身体で認識できて、このチョイス間違いじゃなかった!と心から叫びたかった。

でも一番すごいのは戦闘機のシーン。エンジンから伝わる振動、そして浮遊感。相手の背後に取り付こうとGに耐えながら旋回を繰り返す動きはまるでリアル『紅の豚』。シートの動きってこんなに多彩なんだ!と驚くばかりでした。4Dは今まで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が一番だったんですが、この作品の没入感とのシンクロは見事に過去最高を更新しました。

IMAXでも物足りない!という方へ。4DXも良いですよ。人が全然入ってなくて快適でしたが心配でもあります。

 

おまけ:うなれV8!じゃなくてV12!

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でマックス役だったトム・ハーディさん。この作品でも渋いメカに乗っての登場です。今回は英国空軍が誇る戦闘機、スピットファイアのパイロットとして活躍します。

この戦闘機のエンジンは、V8大好きウォーボーイズも狂喜乱舞するであろうロールスロイス製V12エンジン!これか!これで配役選んだのかノーラン監督!

残念ながらクルマではないですけど、相当大切にメンテナンスされ続けてきたと思われるスピットファイアのV12サウンドは重厚で美しく、多くの命のやり取りを見届けてきた機械たちの愛と悲しみが感じられました。

 

おわりに

IMAXとか4DXとか関係なく、ひたすらに戦争の凄さを体験できるので、ぜひ一度劇場に足を運んで観ていただきたい作品です。

上映前の予告では新作ゲーム『コール オブ デューティ ワールドウォーII』のCMも入って、あぁ~この環境でゲームやりたいって思ってしまいました。完全に罠にハマってる。

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