【ラリークロス】世界ラリークロス選手権(WorldRX)第10戦ラトビアの感想です

世界ラリークロス選手権第10戦ラトビア

9月15日(金)から世界ラリークロス選手権(WorldRX)第10戦がラトビアで開催されました。

結果次第では早くも総合優勝が決定してしまう重要な一戦、レースの模様と感想を書いていきます。

ルールについては以下の記事で説明していますので、事前に見ておくことをオススメします。

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2度目の開催ラトビア・ロエアック

バルト三国の1つ、ラトビア共和国。その首都リガに昨年新設された「ビケルニエキ・ナショナルスポーツベース」を舞台に今年もファンからの熱い声援に囲まれての戦いが予想されます。同じバルト三国、エストニア出身のオット・タナク選手がWRCで活躍したりと、この辺りの人たちはラリーが大好きなのかな?

コースはストレートの少ないテクニカルコース。上りながらの1コーナー、下って直後の急な2コーナーとスタート直後から難易度高め。昨年は宙に浮いてバランスを崩したり、ノーズが地面に突き刺さったりするマシンが続出しました。

グラベル(未舗装路)セクションへの入り口は超タイトなコーナーとなっており、ここでも何か起こりそうな予感。ジョーカーラップはコース後半に設置され、ジャンプスポットを含む長い区間を走ります。出口はちょうど最終コーナーにあり、通常のラップとレコードラインが完全に重なる危険地帯。フィニッシュラインを過ぎるまで一瞬の油断も許されません。

NESTE WORLD RX OF LATVIA(FIA World Rallycross Championship)

【動画】ターナー選手、エリクソン選手と行くラトビアサーキットプレビュー

 

予選~セミファイナル:フォルクスワーゲンに死角なし!でも・・・

Q1から今回もフォルクスワーゲン勢の強さが他を圧倒します。ヨハン・クリストファーソン選手(Team PSRX Volkswagen Sweden:ポロ GTI)がQ3でもトップに立ち、余裕の予選通過。ペター・ソルベルグ選手(Team PSRX Volkswagen Sweden:ポロ GTI)はQ2で左リアサスペンションを破損しますが、Q3で2番手、Q4では3番手に入り4位でセミファイナル進出。

昨年の勝利ドライバー、セバスチャン・ローブ選手(Team Peugeot-Hansen:プジョー 208)は2番手に、去年の総合チャンピオンのマティアス・エクストローム選手(Team EKS:アウディS1)が入り、上位陣には鉄板メンバーが揃いました。

エクストローム選手のチームメイト、トッピ・ヘイキネン選手、そして同じアウディで参戦の、白黒のツートンカラーが目を引くレイニス・ニティシュ選手(Team EKS:アウディS1)やニコ・ミューラー選手(Team EKS:アウディS1)も予選を突破。アウディ勢もようやく調子を上げてきたのかな?ニティシュ選手は母国ラトビアで大健闘です。

予選の結果を見てて気づいたんですが、ヨニ‐ペッカ・ラヤラ選手が三菱ミラージュで参戦!ラリプラさんにも書いてありました。残念ならがセミファイナルには進めませんでしたがこんな風に車種が増えていってくれると嬉しいです。

 

セミファイナル1は絶好調のクリストファーソン選手がいるグループ。当選のように勝ち上がり、2番手はエクストローム選手、3番手にアンドレアス・バックラッド選手(Team Hoonigan Racing Division:フォード フォーカス RS)。ティミー・ハンセン選手(Team Peugeot-Hansen:プジョー 208)は今季初めてファイナル進出を逃しました。

セミファイナル2はローブ選手やソルベルグ選手がいてこちらも強豪揃い。スタート直後のアクシデントでソルベルグ選手がリタイア(詳細は感想に書きます)。トップフィニッシュはローブ選手、続いてミューラー選手、ヤニス・バウマニス選手(Team STARD:フォード フィエスタ)ら新しい顔ぶれを含めてファイナル進出です。

【動画】Q1ハイライト

【動画】Q2ハイライト

【動画】Q3ハイライト

 

決勝:前人未到の記録となるか?

ついに決勝のスタート。ポールポジションのクリストファーソン選手は文句なしの好スタートで頭一つ抜け出した格好に。

セカンドグリッドからスタートしたローブ選手はわずかに出遅れ、後ろから来たエクストローム選手にイン側を取られてしまいます。1コーナーでは両者もつれ合って外に膨らんでしまい、空いたイン側にバウマニス選手が飛び込み2番手にジャンプアップ!レース開始からわずか10秒ほどで妙技炸裂です!

3番手にはミスをうまくリカバリーしたエクストローム選手、4番手には冷静な判断で混乱を逃れたミューラー選手。ローブ選手は5位まで順位を落とし、エンストで完全に置いていかれたバックラッド選手が少し離れて前を追います。

エクストローム選手は4コーナーでインから華麗なオーバーテイクで早くも2位浮上。ローブ選手は気持ちを切り替えるように落ち着いて最初の周回でジョーカーラップへ向かいます。

一切手加減なしのクリストファーソン選手は2周目に入った時点で2位に1.7秒の差をつけて独走状態。なんとかついて行こうとプッシュするエクストローム選手も後続との差を広げていきます。

ローブ選手のジョーカーラップ進入で5位に上がったバックラッド選手も前を走るミューラー選手に追いつきオーバーテイクのチャンスを狙います。でも巧いブロックで前に出られず、ジョーカーラップに入り再度最下位に。3周目にはミューラー選手、4周目にはバウマニス選手もジョーカーラップを選択します。

残り2周、クリストファーソン選手と2位のエクストローム選手との差は約2.5秒にまで広がります。付け入る隙のない完璧な走りもこれで5週目、あと1周で勝利が決まります。スルーしたクリストファーソン選手を見てエクストローム選手がジョーカーラップに入り、わずかな反撃の時を待ちわびます。

いよいよファイナルラップ。クリストファーソン選手はここに至っても正確に、しかも手を抜かないパーフェクトな走り。ジャンプで姿勢を乱すこともなく、ジョーカーラップでタイムロスすることもありません。追撃を完全に振り切りフィニッシュラインへ。これで5連勝、今季6度目の優勝を決め、年間チャンピオンの称号も手にしました。

2位のエクストローム選手は諦めてしまったのか5秒以上の差をつけられてフィニッシュ。3位にはローブ選手が入り、やはり強豪強し。4位バックラッド選手、5位バウマニス選手、6位ミューラー選手の順位となりました。

最終結果は以下をご覧ください。

Live Qualifying Results – Supercar – Bikernieki National Sports Base(FIA World Rallycross Championship)

【動画】決勝ハイライト

 

感想

セミファイナル2に出場したソルベルグ選手は、セカンドグリッドから好スタートを決めてトップに立ちますが1コーナーにオーバースピードで進入してコースアウト、体制を崩したままコースに戻った地点がちょうど2コーナーの場所になり、走行するマシンの隊列に90度横向きになったまま飛び込んでしまってバウマニス選手のフロントと接触。

正面衝突なら大ケガにはならなかったのかもしれませんが、ちょうど運転席に側面から突っ込む感じになってしまい衝撃が身体に直撃してしまったようです。その後自力でマシンから降りられず、救出されて病院へ直行しました。

コーナリング中だったのでスピードは落ちていたとは思いますが、それでもこの悲劇。改めて自動車同士の事故の恐ろしさを感じました。

この事故で鎖骨を骨折、さらに肋骨2本と打撲による肺の損傷も見つかって想像よりも重症。

UPDATE ON SOLBERG AFTER LATVIA INCIDENT(FIA World Rallycross Championship)

しかし奥さんのパニエラさんからの情報によると、どうやら談笑するくらいの元気はあるようなので、とりあえず無事みたいです。良かった~。

そんな大事故もありましたが、ソルベルグ選手の分もチームメイトのクリストファーソン選手が頑張り5連勝!ついに総合優勝を決めました。チームとしてもタイトルをゲットし、今年の強さを結果で証明してくれました。

WRCではスバルの撤退により長いことプライベーターチームとして苦労し、WorldRXでも昨年まではチームとしての総合力に苦悩していたソルベルグ選手。

今季フォルクスワーゲンとのタッグにより一気にエネルギーが爆発、盤石のチーム体制に最強のマシン、経験豊富で熱いベテランドライバーと才能を開花させた若き天才ドライバーという夢の組み合わせがガッチリとかみ合いました。

ちょっと応援しているチームが強すぎて申し訳ないんですが、たまにはこんな圧倒的な幸せ、味わったっていいでしょ?きっと来季はライバルたちがもっと本気出してくるから毎試合ギリギリの戦いになると思うので。

今回のファイナルでさすがだなぁと思ったのはローブ選手でした。ジョーカーラップでうまくタイムを稼いで、一時は5位に落ちたのに挽回して表彰台フィニッシュ。WRC9連覇のレジェンドとしての能力は健在、ぶつかり合いが少なければスピードと戦略はトップクラスです。

 

おわりに

残りあと2戦。これ以上ケガ人が増えず、全員が無事に笑顔でフィニッシュできることを祈っています。

次回第11戦は9月29日(金)にドイツで開催されます。お楽しみに!

画像の出典:FIA World Rallycross Championship

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