【WRC2017】世界ラリー選手権 第10戦ラリー・ドイチェランドの感想です

2017年8月22日

WRC第10戦ラリー・ドイチェランド感想

​世界ラリー選手権 第10戦ラリー・ドイチェランドは初日の雨で大混乱!次々とアクシデントが起こるサバイバルレースを制したのは、今季トップチームのけん引役として奮闘する若き獅子でした。

トップクラスはほぼ全員がコースオフやスピンを喫する波乱の一戦、各チームごとに感想を書いていきます。

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Mスポーツ・ワールドラリーチーム(M-SPORT WORLD RALLY TEAM)

マシン:フォード フィエスタ WRC(FORD FIESTA WRC)

オット・タナク選手/マルティン・ヤルベオヤ選手:優勝
セバスチャン・オジエ選手/ジュリアン・イングラシア選手:3位
エルフィン・エバンス選手/ダニエル・バリット選手:6位

正直天候が悪くなったことで生き残るのはオジエ選手やエバンス選手のような手堅い走りのドライバーだと思っていました。今季は念願の初優勝、そしてときにはオジエ選手を超えるドライビングを披露するにまで成長したタナク選手、ついに堅実な走りもできるようになり、実績だけでなく実力としても年間王者に手が届くところまでたどり着いたのかもしれません。

オジエ選手もところどころでスピンやコースオフしながら最後まで耐えきっての表彰台と、やっぱり王者は強し。ライバルのヌービル選手がノーポイントのレースできっちりポイントを獲得し、精神的にも大きなアドバンテージを得ました。今までみたいにやりたい放題できなくても強い方が、カッコよく見えます。

エバンス選手は、もう少し上位陣が崩れてくれればという気もしますが、予想通り手堅い走りでしっかり入賞。DMACKタイヤが雨でも競争力を持っている良い証明にもなりました。

 

シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム(CITROËN TOTAL ABU DHABI WRT)

マシン:シトロエン C3 WRC(Citroën C3 WRC)

アンドレアス・ミケルセン選手/アンダース・イェーガー選手:2位
クレイグ・ブリーン選手/スコット・マーチン選手:5位
クリス・ミーク選手/ポール・ネイグル選手:リタイア

ミケルセン選手、おかえりなさい!久々の表彰台は真ん中じゃなくても値千金。一時は優勝できるんじゃないかと期待したほど速く安定感のある走りでした。なのにシトロエンとの契約は一旦終了し、また流浪のドライバーに戻ってしまうそうです。誰か彼にシートをあげてください!ちゃんと結果出しますから!

ミーク選手も途中までそうだったんですけど、シトロエン勢は何気に最初のステージでマシンが良い動きをしてたんですよね。ターマック速いかもしれません、このクルマ。でもフルターマックは今季もうないし、次戦スペインのくらいしか見られないのが残念。

ブリーン選手は、なんと今季6度目の5位入賞(最高位も5位)。最終ステージは自分でもビックリするくらいプッシュしたらしくインタビューではかなり興奮気味で、速すぎてさ~フロントガラス割れちゃうしさ~、アハハハ!とかヘンなテンションになっちゃってました。

ミーク選手は4日間にわたって開催されるイベントの最初のステージ、わずか85秒でクラッシュしてリタイア。マシンが動けなくなって周囲の観客からの視線を受け続ける屈辱の放置プレイを受けるなどこれ以上ない不幸な結果になりました。

でもこれ、コース幅も狭いし、フェンスはコンクリートだし、ドライバーもあんまり走ってて楽しそうじゃなかったし、ミーク選手がやらなければ他の選手が犠牲になってたと思うんです。もうちょっと工夫できなかったのかな~と思います。

 

トヨタ・ガズー・レーシング WRC(TOYOTA GAZOO Racing WRC)

マシン:トヨタ ヤリスWRC

ユホ・ハンニネン選手/カイ・リンドストローム選手:4位
ヤリ‐マティ・ラトバラ選手/ミーカ・アンティラ選手:7位
エサペッカ・ラッピ選手/ヤンネ・フェルム 選手:21位

コースとの相性以前に、ライバルたちと戦えるレベルまで持っていけませんでした。ラトバラ選手は好調かと思っていたらこれで3戦連続のマシントラブルで序盤から優勝が遠のいてしまうし、ラッピ選手は慣れないウェットコンディションのターマックロードでコースオフ、サスペンションの破損でリタイアに。

ハンニネン選手だけはコースオフやマシン損傷もありながらなんとか堅実に走り切り4位フィニッシュ。ラトバラ選手は挽回しての7位と、成績だけ見るとまぁ最低限の結果は出せたように思いますけどね。

貴重な雨のアスファルトのデータを持って帰って、今後の改善につなげてもらえればと期待しています。その前にラトバラ選手のクルマ早く直してあげてください。毎回トラブル起こすたびにハンドルバシバシ叩くから、そのうちハンドルのシャフトがトラブってしまうと思うんです。

 

ヒュンダイ・モータースポーツ(HYUNDAI MOTORSPORT)

マシン:ヒュンダイ i20 クーペ WRC((HYUNDAI i20 COUPE WRC)

ヘイデン・パッドン選手/セブ・マーシャル選手:8位
ダニエル・ソルド選手/マルク・マルティ選手:34位
ティエリー・ヌービル選手/ニコラ・ジルソウル選手:44位

ついにチャンピオンシップポイントで主意に並んだヌービル選手を擁するヒュンダイ勢。ヒュンダイ・モータースポーツの本拠地、ドイツということもあって一番盛り上がっていたチームだと思うのですが、最悪な結果となってしまいました。

ソルド選手は好調な滑り出しでしたが、崖から滑り落ちてリタイアに。ヌービル選手も左リアのサスペンションを破損してリタイアに。本人も何が起こったのかわからなかったというから、よほど運が悪かったのではないかと。

唯一生き残ったパッドン選手でさえパンクなどに苦しみ8位の結果。ホームイベント、フィンランドで優勝に沸いたトヨタとは180度異なる残念すぎる結果に、さすがに同情してしまいます。

 

その他

今回はビッグジャンプがないので参戦しなかった(実際の理由はマシンの不調です)マッズ・オストベルグ選手ですが、なんとヘニング・ソルベルグさん(ペター・ソルベルグ選手のお兄さん)と楽しくラリー観戦している模様をツイッターで大公開していました。添い寝に、一緒に歯磨きしてるシーンに、手をつないでスキップしている映像と、何しに来てるんだ?と思わないでもないですがとっても幸せそう。これが海外のBLというやつなのだろうか?

 

全体を通しての感想

悪天候になればツルッツルのコンディションになるドイツの路面。各チーム気象観測チームを引き連れて挑んだようですが、どうやら想像以上に雨の影響が大きくなってしまいました。

本当はもっとキビキビとしたマシンコントロールを見てみたかったのですが、貴重なターマック戦はサバイバルレースへ。優勝したタナク選手でさえ何度もヒヤリとする瞬間がありました。ミケルセン選手も最終パワーステージでコースオフしそうになって、ヒィッ!て思わず声出ちゃいました。

雨のタナク選手と言えば、昨年最終日に振った雨で調子を崩して優勝を逃したイメージがまだ残っていましたが、今年は頼もしくなりました!ヌービル選手は総合優勝どころかヘタすると3位になってしまう可能性すら出てきましたからね、勝負って最後までわからないもんですね。

 

WRCの下位カテゴリ、WRC2ではポンタス・ティデマンド選手がタイトルを獲得。昨年のチャンプ、ラッピ選手やライバルだったスニネン選手らはすでにトップカテゴリで着実に結果を出しており、来年はさらに若手のホープが暴れてくれそうです。

しかし、なかなか増える気配のないチーム数が心配ですね。選手権3位のドライバーでさえレギュラーシートが手に入らない状況を変えるためには、もっと多くのチームが参戦してくれないとなりません。シトロエンなんて撤退しちゃいそうなくらい難しい立場に追い込まれているんじゃないでしょうか。せっかくトヨタ参入で盛り上がりそうなときなんだから、このままミケルセン選手をエースにして立て直してください。

 

今年もブドウ畑をなぎ倒したり飛び込んだりのシーンが数多く見られました。きっと数年後にはそれぞれのドライバーたちの名を冠したワインが出荷されることでしょう。一度飲んでみたいですね。

 

おわりに

今シーズンも残すところ3戦になりました。そろそろ来季の去就についても噂が飛び交い始める季節を迎えます。このタイミングで新たなタイトル挑戦者の誕生というのもドラマチック。最後まで飽きずに楽しめそうです。

第11戦ラリー・カタルーニャ(スペイン)は10月5日(木)開催です。一年を通して唯一のグラベル(未舗装路)とターマック(舗装路)の混合バトルは、優勝争いの行方を左右する大事な戦いになりそうです。

(画像の出典:TOYOTA GAZOO Racing)

ハイライト動画集

【動画】ステージ1 – 4 ハイライト

【動画】ステージ5 – 8 ハイライト

【動画】ステージ9- 12 ハイライト

【動画】ステージ13 – 17 ハイライト

【動画】ステージ18 – 20 ハイライト

【動画】ステージ21 パワーステージ ハイライト

【動画】ラリー・ドイチェランド イベント ハイライト

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