8月17日(木)より、世界ラリー選手権の第10戦ラリー・ドイチェランドが開催されます。ブドウ畑に軍事演習場と、独特なステージを走る他に類を見ない一戦です。
ラリー開催前に、概要と見どころをご紹介します。
概要
今季はラリーの拠点が変更となり、より利便性が良いとされるザールランド州ボスタールゼーへ移動しました。とはいえ、ほーんの少しだけドイツの中心部に近づいたかな?という距離でステージの構成は今までと変わらずです。
ブドウ畑に囲まれて色濃い緑の丘をひた走る優雅さと、一転してゴッツイ印象を与える軍事演習場という二面性を持つ独特のコースレイアウトは、第4戦ツール・ド・コルス(ラリー・フランス)以来、6戦ぶり、今季2度目となるターマック(舗装路)コース。
砂埃を巻き上げるダイナミックは映像は観られませんが、グリップの効く路面をしなやかに舞う別の美しさを感じられる一戦です。
- 1日目:1ステージ2.05km・リエゾン区間53.29km
- 2日目:7ステージ108.51km・リエゾン区間333.10km
- 3日目:9ステージ146.67km・リエゾン区間293.13km
- 最終日:4ステージ51.94km・リエゾン区間176.56km
- トータル:21ステージ309.17km・リエゾン区間856.08km
【動画】プレビュークリップ
【動画】ステージ紹介
見どころ
ブドウ畑と軍演習場のミスマッチイベント
穏やかに隆起するブドウ畑の間を縫うように駆け抜けるマシンたち、空撮ヘリからの映像だと優雅に見えるんですが、視界の両サイドに伸びるぶどうの蔓は視界を遮り、ブドウ畑に飛び込んだり道を間違えてしまったりはもはやお約束。
そんな細道をサイドを引いて華麗なターンで回ったり、クイックなコーナリングを披露したり、ターマックならではの走りを味わえます。
そしてお楽しみは3日目に登場するパンツァープラッテステージ。ここはバウムホルダー軍事演習場の中に設置されたコースで、コンクリートむき出しの路面や、ヒンケルシュタインと呼ばれる戦車のためのガードレールがあり、見た目からして物騒な場所。
昨年はステファン・ルフェーブル選手がその悪名高きヒンケルシュタインにヒットし病院送りとなりました。戦車を止めてしまうくらい頑丈な物体に普通のクルマがぶつかったら、そりゃあタダではすみません。
そんなスリルとスピードの命がけの戦いを、観戦者は目撃するのです。
オジエ選手の3連覇なるか?
2015年、2016年と2連覇中なのはセバスチャン・オジエ選手。今季は精彩を欠きチャンピオンシップ争いでついにティエリー・ヌービル選手に並ばれてしまいましたが、特異なこのコースでどう戦うでしょうか。終盤戦に向けての大事な勝負どころとなります。
ヒュンダイとの相性もGood!
昨年はダニエル・ソルド選手が2位、ヌービル選手が3位に入り、マシンとコースの相性の良さを示したのがヒュンダイ勢。ヌービル選手にとっては2014年に初優勝を遂げた思い出の地でもあります。
今年のツール・ド・コルスでもヌービル選手が優勝、成績次第ではチャンピオンシップで単独首位浮上の可能性もあり、負けたくないでしょうね。フランスではソルド選手も3位と良い結果を手にしており、こちらも負けずに勝利を狙ってきそうです。
しかもドイツはヒュンダイモータースポーツの拠点。トヨタ陣営が拠点を持つフィンランドで大活躍したように、ホームイベントで大盛り上がりできると良いですね。
トヨタチームの試練
デビューイヤーのトヨタにとっては、ターマック戦はまだ2戦目と経験値の少なさが心配ですが、ラリー・フィンランドのダブル表彰台での勢いそのままにフィニッシュラインまで駆け抜けて欲しいところ。
フランスでのデータがそのまま活かせるわけでもないでしょうから、ちょっと厳しいレースになるかもしれませんね。
ヤリ‐マティ・ラトバラ選手に関してはメカニカルトラブルなくまずは完走してもらいたいですし、前戦で初優勝したエサペッカ・ラッピ選手、そして初表彰台のユホ・ハンニネン選手らも、慣れてないコースには無理せずに完走目指してくださいね(あんまり応援するとリタイアするジンクスがあるので控えめに)。
おわりに
何かと話題を提供してくれるお祭り男、マッズ・オストベルグ選手が出場見送りになってしまいましたが、アンドレアス・ミケルセン選手がシトロエンから再戦。結果を楽しみにしてます!
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画像の出典:TOYOTA GAZOO Racing