【フォーミュラE】Formula EがF1を超える日は来るのか?

フォーミュラEニューヨーク

いよいよ本日​2017年7月15日(土)、16日(日)にフォーミュラEがアメリカ最大の都市ニューヨーク市内に上陸します。マンハッタンの摩天楼と自由の女神を背景に電気のみで走るフォーミュラカーが疾走する姿を、世界はどのように受け止めるのでしょうか。

今後のモータースポーツをけん引するカテゴリーとして飛躍できるのか、考えてみたいと思います。

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風が吹き始めた

ヨーロッパは内燃機関エンジン禁止の方向へ

ドイツ連邦参議院(Bundesrat)で、2030年以降のガソリンやディーゼルエンジンを搭載した自動車の販売を禁止する決議が採択されたとのことです。

同様の動きはフランス、オランダ、ノルウェーでも見られ、ユーロ圏の公約トレンドのようになっています。

自動車から「エンジン」が消える!? ドイツで2030年以降の搭載禁止決議が採択(日経BPネット)

モータースポーツ界にも動きが

アウディは2017年12月から開催されるシーズン4より「アウディスポーツABTシェフラー」チームとしてフォーミュラEに参戦することになりました。今まではABTシェフラーチームのバックアップを担当していましたが、ついに本腰を入れた形となります。

同じくドイツのメーカーBMWもシーズン5からの参戦を決定。フェラーリも関心を持っているという報道もあり、かつては懐疑的な目を向けていた有名レーシングチームも無視できない存在となっています。

「レースはサーキットで」の概念を変えた

フォーミュラEは排気ガスを出さないという特徴を活かし、市街地コースなど普段の生活圏でのレースを可能にしました。

わざわざ遠くのサーキットまで行かなくても、さっき買い物に行った通りでレース観戦できるとしたら、ちょっと見てみようという気持ちになりませんか?

環境に優しいというだけでなく、多くの人が持っているレース=サーキットという概念を捨て、モータースポーツがもっと身近にあることを知ってもらうための活動に踏み切ったことで、知名度も上がってきたのだと思います。

佐藤琢磨選手がインディ500で優勝するのも嬉しいのですが、高い敷居の向こうにあるお祭りよりも、もっと近くにあるものに興味があるという人も多いのではないでしょうか。

 

ただし、まだ課題も

レースとして物足りない感じはします

フォーミュラマシンの代名詞といえば「エンジンサウンド」ですが、もちろんフォーミュラEはモーターだけなので静かに走っちゃいます。観客が増えてきて歓声を上げれば消えてしまうような音量で、盛り上がるかと言ったら、やっぱり物足りません。

F1と違って300kmを超える超高速バトルも今の段階では実現できていませんので、究極の興奮を求めるには厳しいものがあります。今回のニューヨーク開催でも、アメリカの観客を沸かせるほどの熱いレースにできるとは正直思えません。

なのでF1に代わる存在になれるか?と聞かれたら現時点ではノーと答えます。しかし今後F1と同じサーキットコースでの開催が可能になれば、モーターの限界を極めたようなマシンが登場し、エンジンとは違う次元のモーターサウンドが生まれてくるのではないかと期待しています。

バッテリーの問題も

現在では約1時間のレースを走り切れるほどのバッテリーの持ちがよくありません。フォーミュラE名物となった「ピットインでマシン丸ごと乗り換え」という儀式が今も続いています(これはこれで数々のドラマを生み出しているので面白い要素なのですが)。

見た目は非常に残念ですが、数シーズン先にはマシン交換なしで走り切れる技術が実現するようなので、もう少しの辛抱です。

そうなるとピットストップはタイヤ戦略が重要になるのでしょうか?今はミシュランだけなので競争が必要ですね。ブリジストンさん、スタンバイお願いします!

興行収入はどうなっているのか?

そして一番心配なのが興行としての実績。有名な各都市での開催だと知名度アップにはつながりますが、近くのビルに登れば見れてしまったりするのでサーキットと違い入場料収入も多くないような気がします。今後は放映権などで稼ぐのかもしれませんが、他のモータースポーツでもうまくいっている話をあまり聞きません。

お金の面で厳しくなると、すぐにお金のあるチーム=強いチームになってしまい公平性が失われてレース自体もつまらなくなります。隆盛を極めてからの衰退ならまだ良いのですが、足場が固まる前にそうなってしまっては消えていくだけです。

うまく単独で開催を続けていけるようになるのか、それとも別の道を探して生き延びるのか。どちらにしても、ここ数年が勝負になります。

アメリカ本土での開催も、今後数年でヨーロッパのエンジン廃止の流れがアメリカにもやってくることを見越してなのだと思いますし、一見華やかに見えるけれど実はギリギリの水面下バトルが繰り広げられているのです。

でも、ここを超えられれば、F1を超えていけるかもしれません。F1の後ろ姿を追うだけではなく身近なレースとしての価値を生み出したフォーミュラEは、少なくとも未来に目を向けています。

チームやドライバーがF1から流れてくるようになってしまえば、資金も増え技術力も上がり、その差は一気に縮まっていくでしょう。

 

おわりに

今はまだ、世界の有名なレースの1つとして取り上げられることはないであろうフォーミュラEですが、他の何よりも可能性という大きな武器を持っています。今までと違うからイヤ、というのはなく、多くの人に新しいね!と言ってもらえるようなカテゴリーに育っていけるよう、これからも応援していきます。

 

ニューヨーク戦のファンブースト投票ではダニエル・アプト選手がリード。チームメイトのルーカス・ディ・グラッシ選手が後を追っています。

あなたの1票でマシンがパワーアップしますので、まだ投票してないよ!という方は軽い気持ちで試してみるのもよいと思いますよ。

第9戦は日本時間16日(土)の4:50から、第10戦は日本時間の18:00からAbema TVでも中継されます。歴史的瞬間をお見逃しなく!

画像の出典:Formula E

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