6月30日から世界ラリークロス選手権(WorldRX)第7戦がスウェーデンで開催されました。
足を轢かれた痛みはどこへやら、全く隙のないレース運びでクリストファーソン選手が2連勝を決めた一戦、その感想を書いていきます。
ルールについては以下の記事で説明していますので、事前に見ておくことをオススメします。
【ラリークロス】世界ラリークロス選手権(WorldRX)のルールについて説明します
難コース、ホリェスサーキット
舞台となるのはホリェスサーキット。1.21kmのコースレイアウトにはほとんどストレートが存在せず、複合コーナーの多い難コース。波打つような路面やジャンプスポットも用意されており上下への揺さぶりも強烈。コーナリングしながらのジャンプで横っ飛び状態になるマシンの姿を見られるのはここくらいかもしれません。
2コーナーに仕掛けられたジョーカーラップは出口付近がシケインになっており、通常ルートとの合流地点も危険な香りがします。その先にも急角度なコーナーがあり前半は特に要注意です。
SWECON WORLD RX OF SWEDEN(FIA World Rallycross Championship)
【動画】ホリェスRX プレビュー
予選~セミファイナル:連勝の勢いそのままに
最強ドライバーの一人、マティアス・エクストローム選手(Team EKS:アウディS1)がDTM(ドイツツーリングカー選手権)への参戦を優先し欠場となりましたが、その間も休むことなくフォルクスワーゲン勢が快進撃を続けます。
Q1こそセバスチャン・ローブ選手(Team Peugeot-Hansen:プジョー 208)がトップに躍り出ますが、Q2、Q3はヨハン・クリストファーソン選手(Team PSRX Volkswagen Sweden:ポロ GTI)が、Q4ではペター・ソルベルグ選手(Team PSRX Volkswagen Sweden:ポロ GTI)が奪い予選をワンツーフィニッシュで通過と手が付けられません。
決勝への生き残りを賭けたセミファイナル1でも、クリストファーソン選手がローブ選手を抑えてフロントローの資格をゲット。3位にはローブ選手のチームメイト、ティミ・ハンセン選手(Team Peugeot-Hansen:プジョー 208)が入ります。
セミファイナル2では波乱が起きます。スタートでソルベルグ選手がエンジンストール、なんとか追い上げようと試みるもティモ・シャイダー選手(Team MJP Racing Team Austria:フォード フィエスタ ST)とのバトルでコースオフ。決勝進出を逃しました。
首位でフィニッシュしたのは決勝の常連アンドレアス・バックラッド選手(Team Hoonigan Racing Division:フォード フォーカス RS)、2位以下はケビン・エリクソン選手(Team MJP Racing Team Austria:フォード フィエスタ ST)、ヤニス・バウマニス選手(Team STARD:フォード フィエスタ)と新鮮な顔ぶれが揃いました。
【動画】予選Q2ハイライト
【動画】予選Q3ハイライト
【動画】予選Q4ハイライト
決勝:飛び出したら止められない!
スタートから飛び出したのはクリストファーソン選手。先手を取られたバックラッド選手はすぐ背後につけます。あれ?どこかで見たようなと思ったら第6戦ノルウェーと全く同じ序盤じゃないですか。
きっちり後ろをブロックしつつ最初のコーナーをクリアすると、クリストファーソン選手はここから一気にペースを上げます。今回は序盤でスパートをかける作戦だったようですね。
インを取られて行き場を失ったのか、ファーストラップからジョーカーラップに飛び込んだのはローブ選手。ハンセン選手も続きますが2台の距離が近すぎて牽制し合ってしまい、お互いわずかにタイムロス。こちらは作戦ミスでしょうか。
ジワリジワリと距離が離れていくバックラッド選手ですが、彼が遅いのではなくて前が速すぎるようです。
3位、4位を走るエリクソン選手、バウマニス選手は完全に置いていかれ、3週目、4週目にジョーカーラップをクリアするとプジョーの2台にあっさり前に出られてしまいます(どうやらバウマニス選手選手はパンクしていたようです)。
これで優勝はクリストファーソン選手とバックラッド選手の2台に絞られました。差は約2秒、ミスの1つで勝敗が分かれるファイナルラップに入りますが、完璧なマシンコントロールを見せるクリストファーソン選手には付け入る隙がありません。
最後まで1つのミスもなく走り切ったクリストファーソン選手、2連勝で今季3勝目、選手権でのリードを更に広げました。
最終結果は以下をご覧ください。
Live Qualifying Results – Supercar – HÖLJES(FIA World Rallycross Championship)
【動画】決勝ハイライト
感想
第6戦ではローブ選手に轢かれた足で痛みを抱えながらの優勝、そして今回は盤石のレース展開で堂々の2連勝。最大のライバル、エクストローム選手が欠場の間に大きな仕事をやってのけました。
抜群のロケットスタートから一気に逃げをうつ作戦も当たり決勝では完全勝利。バックラッド選手は1コーナーから2コーナーへ向かう辺りで前に出ようと試みますが動きを読まれており、抑えられてしまった時点で優勝は遠ざかってしまいました。
ローブ選手は絡み相手のエクストローム選手が不在で、なんとなく楽しくなさそう。それでも淡々とゴールまでマシンを運んで表彰台。チャンピオンシップ争いでもエクストローム選手に追いつけそうになってきました。
決勝進出を逃したソルベルグ選手は残念でしたが、今回はエリクソン選手、バウマニス選手らが強豪らの間に食い込む活躍を見せてくれました。ティマ・ティマジヤーノ選手(Team STARD:フォード フィエスタ)やケン・ブロック選手(Team Hoonigan Racing Division:フォード フォーカス RS)らも調子は悪くないようなので、今後は決勝で戦う姿を多く見られるよう頑張って欲しいです。
おわりに
エクストローム選手があと何戦欠場するのか気がかりですね。早く帰って来てくれないと総合優勝できなくなってしまいますからね!去年とは違ってライバルたちが超強いんですから!
次回第8戦は8月4日、カナダのトロワ・リヴィエールサーキットで開催されます。お楽しみに!
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