【フォーミュラE 2016-2017】第6戦パリ(フランス)の感想と考察

2017年5月30日

フォーミュラe第6戦パリ

​2017年5月20日にフランスの首都パリ市街地でフォーミュラE 2016-2017シーズンの第6戦が開催されました。

フォーミュラEを運営するFIA(国際自動車連盟)のお膝元、いわばモータースポーツの中心地。どんなレースだったかを振り返ってみます。

コース:エッフェル塔をバックに、フォーミュラマシンが駆け抜ける!

花の都パリ。エッフェル塔のほど近く、ナポレオン1世の眠るアンヴァリッド廃兵院を集会するコースは、すぐ北にあるセーヌ川を渡ればシャンデリゼ通りにルーブル美術館と周囲に観光名所が目白押し。

全長は約1.9Kmと短いものの、クイックなセクションと中・高速エリアの組み合わせはセッティングが難しく、両方に対応できるセットアップを見つけられるかが重要だと、昨年走行したロイック・デュバル選手は話しています。

そして今回はついにロボレース車両が登場し、コースを走りました。まだノロノロ運転で去っていったようですが、コースを疾走する無人レースカーの姿を見られる日は意外と近いのかもしれません。

2回目となるフォーミュラE開催、このまま継続してフランスの名物となるのでしょうかね。

【動画】パリ コースレイアウト

【動画】パリのコースをウォーキング

 

予選:運命の6/1000秒

予選

予選で同グループに入ってしまったチャンピオンシップリーダーのセバスチャン・ブエミ選手(ルノーe.ダムス)とライバルのルーカス・ディ・グラッシ選手(ABTシェフラー アウディスポーツ)。予選が始まっても牽制の応酬でなかなかコースに出てきません。

ようやく出てきたブエミ選手は順調にスーパーポール進出。しかしその後塵を拝することになったディ・グラッシ選手はタイムを伸ばせず14位に沈んでしまいます。見えない戦いでもブエミ選手が上手でした。

予選は誰よりも元気なジャン-エリック・ベルニュ選手(テチーター)そしてチームメイトのエステバン・グティエレス選手がマシンをスライドさせながらの激走で初のスーパーポール進出。

そしてホセ・マリア・ロペス選手(DSヴァージン レーシング)、オリバー・ターベイ選手(ネクストEVニオ)らがポールポジションを争います。

スーパーポール

グティエレス選手はアタックに失敗してしまいますが、ロペス選手、ターベイ選手らは好タイムで残り2台を待ちます。

ベルニュ選手はブレーキングでタイヤから白煙を上げるほどの本気ラップで堂々の暫定首位に。あとはブエミ選手を残すだけ。

そのブエミ選手、タイヤグリップの限界を見極めた完璧なマシンコントロールで、なんと0.006秒差でポールポジションをゲットしました。

レース後の審査でターベイ選手が14位に降格。最終的に予選5位はニック・ハイドフェルド選手(マヒンドラ レーシング)となりました。

【動画】予選ハイライト

 

決勝:冷静な方が勝者

前半

オープニングラップではポールスタートのブエミ選手に外からベルニュ選手が仕掛けたり、マイク・コンウェイ選手とジェローム・ダンブロシオ選手(共にファラデーフューチャー ドラゴン レーシング)がサイドバイサイド対決になったり、ヒヤリとする部分はありましたが比較的落ち着いたスタート。

まだ3戦目でバトル慣れしてないグティエレス選手だけがズルズルと順位を下げていきます。

ブエミ選手が徐々に2番手ベルニュ選手との差を広げていく一方、アントニオ・ダ・コスタ選手(アンドレッティ フォーミュラE)にオーバーテイクされて15位に落ちたディ・グラッシ選手。16週ころから抜き返そうとして攻めまくります。

しかし19週目に無茶な締め出しで接触、ダ・コスタ選手はリタイアとなってしまいます。

ここでフルコースイエローとなり、このタイミングで各マシンがピットに向かいます。

後半

奇跡的に無傷でピットに戻ってきたディ・グラッシ選手。ですがまたしても彼に試練が訪れます。今回のミニマムピットストップタイムは70秒ですが、わずか62秒でピットアウト。ピッタリ10秒間違ってしまい、30周目にアダム・キャロル選手(パナソニック ジャガーレーシング)と一緒にドライブスルーペナルティを受けてしまいます。

ファンブーストを使い見事なオーバーテイクを決め8位まで浮上した直後だっただけにショックも大きいようで、49週目にリタイア。

優勝争いは2位のベルニュ選手がクラッシュしたことで決定的に。モナコに続き、ブエミ選手の勝利となりました。

詳しい結果は以下をご覧ください。

第6戦パリ(フランス)リザルト(テレビ朝日)

【動画】決勝ハイライト

【動画】決勝ハイライト(約50分拡大版)

 

感想

モナコに続いての市街地コースは、やはりモナコと同じく非常にオーバーテイクの難しいコースでした。ストレートエンドで仕掛けても、コーナー出口側のコース幅が狭くリスクが大きいし、内側にはアグレッシブそうな縁石が設けてあって超危険な感じだし。

道幅を広く取れない市街地レースの課題が見えたような気がします。

今回はかなり痛い結果となってしまったディ・グラッシ選手。彼の昨年からの強さの要因の1つとして粘り強さがあります。前季前半もしぶとくポイントを獲り続け、ファイナルラウンドまでブエミ選手にチャンピオンの座を譲りませんでした。

しかし一旦焦り始めると、普段なら信じられないようなミスをして自滅することがあるので、そこがウィークポイントになっています。

予選から苦しんだ上に抜くに抜けないサーキット、そしてドライブスルーペナルティと踏んだり蹴ったりで、入賞を諦めてファステストラップ(1ポイントがもらえます)狙いに行くもサム・バード選手(DSヴァージン レーシング)に同じ作戦を取られてしまいます。

さすがにここまで運に見放されるとモチベーションも維持できませんよね。クラッシュしても仕方がなかったのかも。

しかしブエミ選手にプレッシャーを与え続けるには、次戦からいつもの粘りを取り戻してもらわなくてはなりません。性能が一段上のルノーにはついていくのが精いっぱいだと思いますが、なんとか終盤まで持ちこたえて総合優勝争いに残り続けてほしいと思います。

あとはWTCCチャンピオンのロペス選手が、ようやくオープンホイールのマシンに慣れてきたのか表彰台にやって来ました。そろそろ本気出してくるのかな。期待してます。

 

おわりに

今回もAbemaTVでライブ配信されてましたね。このまま継続してもらえると嬉しいです。

第7、8戦ベルリン(ドイツ)は6月10日(土)と11日のダブルヘッダー。次こそはオーバーテイクショーが見られることを願ってます。

画像の出典:Formula E