【コミックレビュー】あげくの果てのカノン/狂おしいほど愛おしい(ネタバレなし)

あげくの果てのカノン 第3集

4月28日より『あげくの果てのカノン 第3集』が電子書籍でも発売開始されました。

より大胆に、より危うく加速するSF×不倫の世紀末ストーリー、個人的に超激推しの作品なので、まだ知らない方向けにご紹介を兼ねて感想を書きます。

物語のあらすじ

そこは、雨が降り続ける世界。宇宙から飛来した謎のエイリアン、通称ゼリーと戦う特殊隊員の境宗介(さかい そうすけ)。学生時代からの彼への想いを断ち切れない高月(こうづき)かのんは、愛情をこじらせてもはやストーカーの域へ。そんな彼女が働くケーキ屋で憧れの境先輩と偶然(?)出会います。

単純な彼の心変わりなのか、それとも深い意味があるのか、二人は距離を縮めて急接近。しかし妻帯者であり地球の英雄である宗介に、彼女の歪んだ愛情は届くのでしょうか。

SF×不倫。終わりゆく世界に放たれる、異常なまでに純粋な恋愛劇。読んでいると一緒に堕ちていってしまいそうです。

 

今回のあらすじ

隊員たちの「修繕」には記憶の喪失や性格の変化という副作用があるらしく、まだ実態は解明されていません。夫である宗介を出会った頃のままつなぎ留めようと「修繕」について研究を重ねる妻の初穂(はつほ)ですが、宗介のほうはいつまでも変わらずにいることについて疑問を感じ始めます。

ヒーローとして、そして初穂の夫としての自分から逃れられない宗介が苦しみを打ち明けられるのは、かのんだけなのでした。

完璧な人間ではなく現実に苦しみながら生きる彼の姿に、ますます恋心を揺さぶられるかのん。ついに二人は、全てを投げ出してしまおうとするのですが・・・。

 

感想

今回はキャラクターそれぞれの心の奥底が現れていて、かのんさんが抱えている闇もさらに深いものになっていきました。

弟くんと初穂さんの存在感も増し、三角関係どころか四角関係にさえ発展していきそうな勢い。誰の愛情も純粋なのに、全てがどこか歪んでいるという異常さには今回もドン引きでしたが、終わる世界でそれほどまでに恋する姿には軽い嫉妬すら感じました。

今回のストーリーで重要なキャラクターとなる初穂さんも、綺麗で頭が良くて完璧な女性かと思ったら意外にも天然ぽい可愛らしいところもあったりと個人的に高評価。でもこの人もかのんさんに負けず狂ってる感が漂っていて怖いです。

そしてついにゼリーの魔の手がかのんさんの周囲にも伸びてきます。情報操作された世界で信じていた事実がガラガラと崩れ落ちていく。この感じ、なんとなく今の日本と似ているような。気づいたら手遅れだった、みたいな?

自分が世界を壊していることに気付いたかのんさん。次回は自身の過ちを償うことができるのでしょうか?

 

おわりに

もう明るい結末を描くことができないくらい救われない感じがしてますが、どんな結末が待っているのか気になってどうしようもありません。

世界が大きく動き始める、次巻を楽しみにしています。