【WRC2017】世界ラリー選手権 第4戦ツール・ド・コルス(ラリー・フランス)の感想です

ツール・ド・コルス結果

​今季初の本格的ターマックイベントとなった世界ラリー選手権 第4戦ツール・ド・コルス(ラリー・フランス)は、またしても波乱の展開。

今年はシーズン最後までドキドキが続きそうです。

各チームごとに振り返ってみます。

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ヒュンダイ・モータースポーツ(HYUNDAI MOTORSPORT)

マシン:ヒュンダイ i20 クーペ WRC((HYUNDAI i20 COUPE WRC)

ティエリー・ヌービル選手/ニコラ・ジルソウル選手:優勝
ダニエル・ソルド選手/マルク・マルティ選手:3位
ヘイデン・パッドン選手/ジョン・ケナード選手:6位

開幕戦そして第2戦と、他を寄せ付けない圧倒的な速さを見せた後リタイアで消えていったヌービル選手が、ここでようやく初勝利。ミーク選手のリタイア、オジエ選手のマシントラブルと運にも助けられました。

「フィニッシュラインを超えたときは涙が出たよ」
I had tears in my eyes after crossing a finish line.

いつもクールなヌービル選手が泣くほど待ち焦がれた優勝となりました。

ミーク選手と並び、ターマックでの速さに定評のあるソルド選手も表彰台。パッドン選手も危なっかしい走りながら最後まで持ちこたえ6位入賞と、チーム総合力の高さを証明しました。

【動画】パワーステージでのソルド選手

 

Mスポーツ・ワールドラリーチーム(M-SPORT WORLD RALLY TEAM)

マシン:フォード フィエスタ WRC(FORD FIESTA WRC)

セバスチャン・オジエ選手/ジュリアン・イングラシア選手:2位
オット・タナク選手/マルティン・ヤルベオヤ選手:11位
エルフィン・エバンス選手/ダニエル・バリット選手:21位

今年のメキシコでは池ポチャを免れたタナク選手、なぜかフランスで道路わきの溝に落ちるというミスで初日からリタイアという悲劇。エバンス選手もDMACKタイヤとの相性が良くないのかペースが上がりません。

こうなると期待を一身に背負う王者オジエ選手に期待がかかりますが、なぜかミーク選手に追いつけず苦しむ光景が見られました。去年までなら考えられないです。

終盤には油圧系のマシントラブルで表彰台まで逃しそうなほどの危機を迎えましたが、なんとか2位をキープしてフィニッシュ。しかしマシンの信頼性では一番不安があるチームともいえます。

「(まぁ)表彰台だからね。ないよりマシさ」
A podium is better than nothing.

常に優勝を目指す彼らしい言葉ですね。

ただハンドリングはずいぶん向上しているようで、前戦までの不安定な挙動は改善されて落ち着いてドライブしているようにも見えました。

【動画】タナク選手のクラッシュ映像

 

トヨタ・ガズー・レーシング WRC(TOYOTA GAZOO Racing WRC)

マシン:トヨタ ヤリスWRC

ヤリ‐マティ・ラトバラ選手/ミーカ・アンティラ選手:4位
ユホ・ハンニネン選手/カイ・リンドストローム選手:リタイア

序盤はセットアップに苦しみながらも、うなぎ登りに調子を上げて最終ステージではトップタイムを叩き出して5ポイントゲット、総合でも表彰台まであと1歩の4位まで順位を上げたラトバラ選手。

「(パワーステージは)本気でドライビングに集中したよ」
I was totally focused on my driving.

タイムは1位から1分以上離されていますが、数字以上に意味のある結果だったと思います。

特に、ラトバラ選手はターマック戦が苦手だったんですが後半の速さはそれを感じさせないクールな走り。そしてここまで4戦4完走と抜群の安定感。ここまで頼もしく見えるのは彼のファンになってから初めてかもしれない。

対照的にハンニネン選手は最初のステージでリタイア、パワーステージに挑む前にまたリタイアと全くポイントに絡む活躍ができませんでした。早く第3のドライバー、エサペカ・ラッピ選手に参戦してもらい、チーム戦としてのプレッシャーを和らげてもらいましょう。

【動画】ラトバラ選手、シェイクダウン時のオンボード映像

 

チーム:シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム(CITROËN TOTAL ABU DHABI WRT)

マシン:シトロエン C3 WRC(Citroën C3 WRC)

クレイグ・ブリーン選手/スコット・マーチン選手:5位
ステファン・ルフェーブル選手/ギャビン・モロー選手:50位
クリス・ミーク選手/ポール・ネイグル選手:リタイア

前戦でのいきなりの優勝により、今回も大きな期待を背負ったミーク選手。その声援に応えるように序盤から快走を見せます。

もう誰も止められない!そう周囲が諦め始めたときに悲劇は起こりました。エンジンが白煙を上げ突然のリタイア。まぁ、これもラリーだよと嘆くミーク選手でしたが、ようやく復調のきっかけをつかんだ直後だけに残念です。

代わりに活躍したのがブリーン選手。一時はラトバラ選手より上の順位にいましたが、最後の最後、わずか0.1秒差で逆転を許し5位フィニッシュ。それでも不運に泣いたシトロエン勢で唯一の希望の光となりました。

途中ではインターコムが壊れてコ・ドライバーのマーチン選手がハンドサインでコース指示する羽目になり、普段は朗らかなブリーン選手が声を荒げるシーンもありました。

「こんなの二度とゴメンだよ!」
I never want to do that again!

マシンの速さは誰もが認めるシトロエン。あとは結果がついてくれば・・・。

【動画】ミーク選手のエンジントラブル映像

 

その他

昨年はフォルクスワーゲンのドライバーとして選手権を戦ったアンドレアス・ミケルセン選手がWRC2から参戦、見事優勝を飾りました。こんな人が下位カテゴリーにいること自体おかしいですが、もっと可哀そうなのは彼とチャンピオン争いしなくてはならない他のドライバー。相手が世界で3番目に速い男とか、勝てる気がしないでしょう。

WECやフォーミュラEで活躍しているステファン・サラザン選手もスポットで参戦、なんと総合9位の成績でフィニッシュしました。そういえば元々スバルチームのドライバーでしたね。

 

ハイライト映像

【動画】ステージ1 – 2 ハイライト

【動画】ステージ3 – 4 ハイライト

【動画】ステージ5 – 6 ハイライト

【動画】ステージ7 – 8 ハイライト

【動画】ステージ9 ハイライト

【動画】ステージ10 パワーステージ ハイライト

【動画】ツール・ド・コルス(ラリー・フランス) 総集編

 

おわりに

これで4戦を終えてすべて異なるチーム、ドライバーが勝利という、近年まれにみる混戦模様となってきました。

王者擁するMスポーツ、トヨタの善戦、そしてシトロエン、ヒュンダイの逆襲と、これからも多くのドラマが待っていそうで楽しみです。ここに途中からでいいからフォルクスワーゲンが加わってくれれば、さらに賑やかになりそうなんですが、噂で終わってしまうんでしょうかね?

第5戦ラリー・アルゼンチンは4月27日から開催です。

(画像の出典:TOYOTA GAZOO Racing)

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