【難民問題】シリアに帰る場所はあるのだろうか

2016年12月31日

ヨーロッパを揺るがした難民問題において2016年は転換期となりました。国内への流入を拒むEU各国、行き場を失う難民達の受け皿となるトルコ、そしてシリア国内では政府軍による鎮圧によって停戦が発効されました。

来年を見据える前に現状を確認してみたいと思います。

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ヨーロッパ難民問題の現状

2016年に海を渡ってヨーロッパに渡った人の数は約36万人となり、100万人を超えた昨年に比べ3分の1にまで低下しました。

シリアからのギリシャに向かうルートはほぼ絶たれましたが、混乱するアフリカからの流入が増加。ナイジェリアからイタリアに渡るルートでは昨年より増加し、危険な航海による犠牲者の増加を含め2017年の新たな問題となりそうです。

Refugees/Migrants Emergency Response – Mediterranean(UNHCR)

 

そこにアメリカの姿はなかった

2016年が終わる直前に大きな動きがありました。シリア政府と反体制派勢力の間で停戦が合意され30日から発効されました。ロシアやトルコ、イランが仲介となり今後に向けての話し合いが行われています。

シリア停戦で合意、30日発効(ロイター)

今年に入ってロシアがシリア内戦に介入してきたことで泥沼化していた状況が激変。ヨーロッパ難民問題の鍵となったトルコもEUと距離を置きロシア側に寄りました。今後の中東の未来の鍵を握るのはこの2国になるでしょう。もしかしたら、ロシア帝国とオスマン帝国の再建を描いているのかもしれません。

トルコのEU加盟交渉、欧州議会が中断求める決議採択 トルコは反発(ニューズウィーク日本版)

アサド政権を嫌うアメリカは停戦協議の壇上に姿はなく、難癖をつけてあしらわれるばかり。これでは他国の混乱させ、内戦を長引かせただけの存在みたいに見えてきます。そう見せるのがプーチン大統領の狙いの1つでもあるのでしょう。

プーチン大統領 対抗措置とらず米次期政権と関係改善へ(NHKニュースウェブ)

 

もしかすると、真実は違うのだろうか?

シリアで何が起こっているか情報を探しているとよく目に入ってくるRT Newsというニュースメディアのサイトがあります。内容はロシアよりっぽいのですが、その分記事の切り口が他とは違っていて興味深く、時々チェックするようになりました。

そしてクリスマスシーズン、目にしたのはこんなニュースでした。

War-torn Aleppo celebrates Christmas, shares stories of joy & loss with RT (EXCLUSIVE)(RT News)
戦火の街アレッポで祝うクリスマス、人々は喜びと悲しみを分かち合う)

あれ?という感じになりました。アレッポ陥落の直前には自由を願う反体制派勢力のメンバーや住人達が処刑に怯えているという記事があったはずなのに、なんだか逆のことが報道されています。

「アレッポの惨劇」を招いた欧米の重い罪(ニューズウィーク日本版)

確かに反体制派勢力はイスラム国(IS)とは区別されているものの、その他のイスラム過激派組織なんかも加わってたりして、アメリカの支援を受けているとはいえ正義と言えるのかよくわからない勢力になっています。

何が真実なのかネットの情報だけでは判断できない部分も多いので、もっと目を養わなければなりませんね。

長く続いたシリアの内戦はようやく集結するチャンスを得ました。しかし難民となって国を出た人々が元の家に戻って暮らせるのかはまだわかりません。政府に反発したものとして処刑されてしまうことだってあるかもしれません。戦争によって人間性も文化も破壊された街の復興だって簡単ではありません。

これからも大変だということを忘れず、何かしてあげられるように生きていこうと思います。

 

おわりに

今年はイギリスのEU離脱やアメリカ大統領選挙によって本当の世界がメディアに登場する有識者の言葉とは異なることが露わになりましたが、シリアの報道も同じように真実とは異なっているのかもしれません。

来年は難民という視点からシリアを中心にした情勢について注視していこうと思います。中東に目を向けるとアメリカというバイアスのかかっていない世界の姿が見えてくるのも興味深いところです。


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