【ラリークロス】世界ラリークロス選手権(WorldRX) 最終戦 アルゼンチンの感想です

worldrx11月25日より、世界ラリークロス選手権(WorldRX)の2016年シーズン第12戦がアルゼンチンのアウトドローモ ロザリオ サーキットで開催されました。年間チャンピオンは決定しましたが、チーム戦に加え最後を勝利で締めたい猛者たちのラストバトルはいつになくスリリングな展開となりました。

ルールについては以下の記事で説明していますので、事前に見ておくことをオススメします。

世界ラリークロス選手権(WorldRX)のルールについて説明します

開催地について

南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスからパラナ川に沿って北西に約350kmに位置する、サンタフェ州最大の都市ロサリオ。ここはメッシ選手をはじめ世界的に有名なサッカープレイヤーたちを生み出した場所でもあります。

2011年に建設されたアウトドローモ ロザリオ サーキットは全長1km余り、全体的に曲線の多いテクニカルなレイアウト。特にフルスロットルの緩い右1コーナーから深く急角度に食い込む2コーナーはブレーキングも難しくアスファルトからグラベルへと路面状態も変わるため混乱必至。ジョーカーラップにはシケインが設置され、急いで抜けようと焦る心を揺さぶる精神的にもハードな構成になっています。

WORLD RX OF ARGENTINA(FIA World Rallycross Championship)

 

予選:パーフェクトリザルト

予選は年間王者から陥落し、このままでは終われないペター・ソルベルグ選手(シトロエン DS3)の独壇場となりました。

雨により徐々にコンディションが悪化する中、第1走目と運も味方につけたソルベルグ選手は得意技のロケットスタートを決め2位のマティアス・エクストローム選手(EKS:アウディ S1)に3秒以上の大差をつけてQ1トップ通過。

雷雨によって翌日に順延されたQ2以降も、加速力の良さを活かして2コーナーで頭1つ抜け出し、そのまま逃げ切るという勝ちパターンで連勝を重ねたソルベルグ選手が、終わってみれば予選を完勝。滑りやすいコースにも関わらず全くミスのない走りでセミファイナル進出です。

予選上位にはエクストローム選手のほかアンドレアス・バックラッド選手(Hoonigan Racing Division:フォード フォーカス RSRX)、セバスチャン・ローブ選手(Peugeot Hansen:プジョー 208 WRX)、ヨハン・クリストファーソン選手(Volkswagen RX Sweden:フォルクスワーゲン ポロ)と常連組が名を連ねました。

 

セミファイナル:コースアウト続出

セミファイナル1:完勝から一転

エクストローム選手がフライング後のスタートで、ここに来て初めて先手を取られたソルベルグ選手。頭を抑えられた形になり2コーナーで混乱に巻き込まれます。トップに立ったエクストローム選手はペナルティでジョーカーラップを2度走らなければならず、その分のタイムを詰めようとフルアタック。クリストファーソン選手が悠々と後を追います。

ソルベルグ選手は序盤3位とファイナル進出圏内にいましたが、スタート直後の接触により左前輪を破損、グネグネになっています。5位まで順位を落とした後についにクラッシュし、決勝進出だけでなくチャンピオンシップ2位の座まで危うくなってしまいました。

トップ通過はクリストファーソン選手。エクストローム選手がジョーカーラップのハンデを乗り越え2番手に。3位にはトッピ・ヘイキネン選手が入りました。序盤の混乱で順位を落としたティマ・ティマジヤーノ選手(World RX Team Austria:フォード フィエスタ)、パンクによりスピンを喫したヤニス・バウマニス選手(World RX Team Austria:World RX Team Austria)らが脱落となりました。

セミファイナル2:大混乱でも安定感

2レース目もスタート直後に大混乱。ゴチャゴチャになった2コーナーから3コーナーにかけては、ほぼ全車がコースをはみ出してどこ走ってんだ状態に。変なところを走りすぎたローブ選手は5秒ペナルティを受けてしまいます。とりあえず先頭に立って無傷で乗り切ったバックラッド選手がレースをリードし、トップでフィニッシュ。この人はマシンがどんな状態でも安定して速く、もはや貫禄さえ感じられます。

ティモ・シャイダー選手(ALL-INKL.COM Muennich Motorsport:セアト・イビサ)、ロビン・ラーソン選手(アウディ A1)らもファイナル進出を決めました。

 

ファイナル:大人の走り

ファイナルのスタートで先頭に立ったのはバックラッド選手。後続も無理をせず混乱のない序盤を迎えます。予選では速いのに、いざとなると必ず誰かが前にいるクリストファーソン選手が今回も2番手追走。

予選からの荒ぶりが嘘のような落ち着いた展開の中、見所はエクストローム選手とヘイキネン選手のチームメイト対決。ジョーカーラップをクリアしたヘイキネン選手に追いついたエクストローム選手が横に並び、そのまま魔の2コーナーに突入。さすがに同士討ちは起こりませんでしたが激しいブレーキ勝負の結果ヘイキネン選手が前に出て3位を死守しました。

先を走るバックラッド選手とクリストファーソン選手は特にバトルもなく大人のレース。1位、2位となりました。

最終結果はこちらをご覧ください。

 

感想

全体として、スタートから2コーナーまでの数秒間で勝敗が決まってしまうような展開でした。ロケットスタートが勝利の鍵というのは短いレースなので当然ですが、あまりにも要因として大きすぎる気がします。

それでもいろいろありましたけどね。どうしちゃったんだと心配になるくらい速かったソルベルグ選手、そこからのセミファイナルの悲劇。第2コーナーでほぼみんなコースアウトするとか珍事も発生。そんな中でも安定して速いバックラッド選手。いくらでも番狂わせのありそうなレースなのに勝っちゃう安定感はさすがでした。

ソルベルグ選手の3連覇は正直難しいと思っていたのですが、自動車メーカーのサポートが厚いチームが増えてきている中でここまで頑張ってくれたことには感動しました。来年もラリークロスかな?とにかく目立つ人なので来季は挑戦者として勝負してもらえたらいいなと思っています。

【動画】DAY1ハイライト

【動画】ファイナルの映像

【動画】決勝ライブ映像(フル)

セミファイナル1:1:05:00頃から
セミファイナル2:1:16:00頃から
ファイナル:1:38:00頃から

おわりに

今年1年追い続けたFIA世界ラリークロス選手権。わかりやすく、サクサクと視聴できるレース展開と激しいバトルシーンにすっかり虜になってしまいました。2017年の第1戦バルセロナ(スペイン)は4月1日開催です。

記事を読んで応援してくださったみなさん、1年間ありがとうございました。