11月17日(木)から、世界ラリー選手権(WRC)2016年シーズンの第14戦、最終戦となるラリー・オーストラリアが始まりました。今年の締めくくりを制し有終の美を飾ったのは一体だれでしょうか?
DAY3:痛恨のミスと淡々メガネ
最終日は5ステージ57.18kmとフィニッシュまで残りわずか。しかし首位のアンドレアス・ミケルセン選手(フォルクスワーゲン・モータースポーツ2:ポロR WRC)から3位のヘイデン・パッドン選手(ヒュンダイ・モータースポーツ:i20 WRC)までの差は約12秒と逆転も夢ではありません。
好天が続き暑い日が予想される1日、タイヤは各マシン共にソフトをチョイスした模様。首位のミケルセン選手は前日に2秒差まで詰め寄られてしまったプレッシャーを全く感じさせない走りで序盤から好タイムを出し続けます。一方追いかける立場のセバスチャン・オジエ選手(フォルクスワーゲン・モータースポーツ:ポロR WRC)は痛恨のスピンによってタイム差は22秒まで広がり、ほぼ逆転不可能な展開に。2位キープも危ない状態でしたが、パッドン選手もタイヤにダメージを負ってしまい5位にまで後退したため救われます。これで淡々と走り続けていたティエリー・ヌービル選手(ヒュンダイ・モータースポーツ:i20 WRC)が表彰台圏内に上がってきました。
中盤ではエリック・カミリ選手(MスポーツWRT:フォードフィエスタRS WRC)が右コーナー内側のバンクに乗り上げ横転、競技中断になるほどの混乱もありましたが、ミケルセン選手が逃げ切り今季2勝目、そしてフォルクスワーゲン最後のレースを優勝で飾りました。最終パワーステージでは渾身のタイムアタックを決めたオジエ選手がトップタイムで3ポイントをゲット、ヌービル選手、ダニ・ソルド選手のヒュンダイ勢が2、3番手となりそれぞれ2ポイント、1ポイントを獲得しました。カミリ選手、そしてコ・ドライバーのベンジャミン・ベイラス選手は無事で何よりでした。
【動画】ステージ 17 – 19 ハイライト
【動画】最終ステージ ハイライト
最終順位
順位は以下の通りです。ペナルティなどにより最終順位は変動する可能性がありますので、確定順位はこちらでご確認ください。
順位 | 選手名 | チーム名 | 車種 | タイム |
1 | アンドレアス・ミケルセン選手 | Volkswagen Motorsport II |
Volkswagen Polo R WRC
|
2:46:05.7 |
2 | セバスチャン・オジエ選手 | Volkswagen Motorsport |
Volkswagen Polo R WRC
|
+14.9 |
3 | ティエリー・ヌービル選手 | Hyundai Motorsport | Hyundai i20 WRC | +1:12.6 |
4 | ヘイデン・パッドン選手 | Hyundai Motorsport N | Hyundai i20 WRC | +1:26.7 |
5 | ダニ・ソルド選手 | Hyundai Motorsport | Hyundai i20 WRC | +1:28.3 |
6 | マッズ・オストベルグ選手 | M-Sport World Rally Team | Ford Fiesta RS WRC | +1:41.5 |
7 | オット・タナク選手 | DMACK World Rally Team | Ford Fiesta RS WRC | +3:04.3 |
8 | エサペッカ・ラッピ選手 | Škoda Motorsport | Skoda Fabia R5 | +7:32.3 |
9 | ヤリ‐マティ・ラトバラ選手 | Volkswagen Motorsport |
Volkswagen Polo R WRC
|
+7:56.9 |
10 | ロレンツォ・ベルテッリ選手 | F.W.R.T. | Ford Fiesta RS WRC | +8:00.1 |
感想
今年大活躍したミケルセン選手が最終戦でもその力強さ披露してくれました。もともと安定感には定評がありましたが、スピードもコースによってはオジエ選手と互角に戦えるくらいのレベルにまで近づいてきた感があります。マシン次第では来季のチャンピオンシップで首位争いができるかもしれません。
そんな彼を抑えて総合2位の成績を決めたのはヌービル選手。第6戦イタリアでの突然の復活優勝から4、4、3、2、3、3、3位と快進撃が続き、すっかりトップドライバーに返り咲きです。去年は死んだようでしたが、今年はチームとの関係も修復できたのか笑顔も見られるようになりました。来年もクールなメガネスマイルが楽しみです。同じくらい期待されてたマッズ・オストベルグ選手は安定感ナンバーワンなんですが、ちょっと速さが足りない分遅れを取ってしまいましたね。
初日は25位まで落ちていったラトバラ選手が維持を見せ、終わってみれば9位入賞。この速さでミスさえなければ・・・。最終日でオジエ選手がスピンしたとき、車内カメラの映像では結構な衝撃でしたが彼はノーダメージ。あれがラトバラ選手だったらたぶんリタイアですかね。なんだか運も悪く今年は安定感でも速さでもオジエ選手、ミケルセン選手のチームメイトに完敗でしたが、まぁ来年に期待しましょう。やっぱりトヨタがいいかな。
トヨタといえば、チーム入りが噂されているエサペカ・ラッピ選手がWRCの下位カテゴリ、WRC2での総合優勝を決めました。これでフォルクスワーゲンのドライバーたちが放出されていなければ加入確実だったのでしょうけれど。
【動画】ラリー・オーストラリア 総集編
おわりに
今季もこれで終わりましたが、今年はストーブリーグが熱くなりそうです。移籍合戦を制するのはどのチームでしょうか?
2017年シーズン第1戦ラリー・モンテカルロは1月20日(木)開催です。
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