【ラリークロス】世界ラリークロス選手権(WorldRX) 第10戦 ラトビアの感想です

worldrx9月30日より、世界ラリークロス選手権(WorldRX)の2016年シーズン第10戦がラトビアのビケルニエキ・ナショナルスポーツベースで開催されました。新しいウィナーの誕生、そしてチャンピオンシップの行方に大きな影響を与える一戦となりました。

ルールについては以下の記事で説明していますので、事前に見ておくことをオススメします。

世界ラリークロス選手権(WorldRX)のルールについて説明します

開催地について

ソビエト連邦から独立し、現在ではEUの一員でもあるラトビア。バルト海に面した首都リガの旧市街地は世界遺産に選ばれるほど美しく、世界中の観光客から愛されています。

「ビケルニエキ・ナショナルスポーツベース」はその首都に新設されたばかりのサーキット。ラリークロスでも今回初めて使用されるため、経験値による差はありません。緩やかに弧を描くコースの先にはヘアピンが待ち受ける独特のレイアウト、そして長い直線とジャンプ台を含むジョーカーラップ。運と戦略が結果を大きく左右する一戦になります。

CIRCUIT: Bikernieki National Sports Base(FIA World Rallycross Championship)

 

予選:まさかのソルベルグ選手、失格

予選で好調だったのはQ2、Q3でトップタイムのヨハン・クリストファーソン選手(Volkswagen RX Sweden:フォルクスワーゲン ポロ)。予選結果全てが上位のアンドレアス・バックラッド選手(Hoonigan Racing Division:フォード フォーカス RSRX)が2位、表彰台の常連となったティミー・ハンセン選手(Peugeot Hansen:プジョー208 WRX)が3位で予選を通過しました。

チャンピオンシップリーダーのマティアス・エクストローム選手(EKS:アウディ S1)も4位と好位置に付けますが、ライバルのペター・ソルベルグ選手(シトロエン DS3)はQ2失格が響きまさかのセミファイナル進出ならず。予選でもポイントが加算されるので、ここだけで13ポイントもの大差がつきました。

地元ラトビアの声援を受けて、ヤニス・バウマニス選手(World RX Team Austria:World RX Team Austria)レイニス・ニティシュ選手(フォード フィエスタ)が見事にセミファイナル進出となりました。

 

セミファイナル:ヘビーウェットなコンディションでの争い

セミファイナル1:ジョーカーラップ戦略の頭脳戦

雨によりコースは完全にウェットコンディション。それでもスタートが鋭いクリストファーソン選手が飛び出し、ローブ選手が後を追う戦いに。先にジョーカーラップに入り、うまく車間を調整したローブ選手は、じりじりとタイムを上げてプレッシャーを与えます。

最終ラップを前に猛スパートをかけたローブ選手。ジョーカーラップに入ったクリストファーソン選手の前を余裕を持って通過し、ファイナルでのフロントローを手にしました。3番手は手堅くハンセン選手。ラトビア勢はここで姿を消しました。

 

セミファイナル2:ライバルを突き放すように

予選敗退となったソルベルグ選手との差を広げておきたいエクスロトーム選手が好スタート、ロビン・ラーソン選手(アウディ A1)も最後尾からロケットスタートを決めますが押し出されるようにコースアウト。

エクストローム選手を追うのはティマ・ティマジヤーノ選手(World RX Team Austria:フォード フィエスタ)。徐々に引き離されながらも隙あらばとプレッシャーをかけ続けます。しかし隙を見えることのないエクストローム選手がそのまま1位フィニッシュ、ティマティマは2位でファイナル進出となりました。後続を抑えることに徹したバックラッド選手がしっかりと3位を堅守。

 

ファイナル:彼を一人にしてはいけない

スタート直後の1コーナーで早くもティマジヤーノ選手がはじき出され壁に激突。波乱の幕開けとなりました。混乱から頭一つ抜け出したローブ選手がリードを築きにかかります。ファステストラップを更新しながら逃げるローブ選手にはエクスロトーム選手も追いつけません。2台が突出する形となり、その後続ではお互いのミスを狙い合う3台の混戦が繰り広げられます。

ジョーカーラップも余裕のマージンで難なくクリア、そのままローブ選手はミスすることもなく圧勝。エクスロトーム選手はプレッシャーをかけることもできず2位でフィニッシュしました。3位にはバックラッド選手とクリストファーソン選手のバトルをうまく利用して前に出たハンセン選手が入りました。

 

感想

今回残念な結果になったソルベルグ選手は、Q2でエクストローム選手に抜かれて頭に血が昇ってしまったのか無理な追い越し&接触で失格。その結果、予選では1ポイントも取れずセミファイナルにも進めませんでした。反対にファイナルまで進んだエクストローム選手は24ポイントをゲット。たった1戦で10ポイントの差が34ポイントもの大差へと広がりました。最高で1レース30ポイント取れるので理論上逆転は不可能ではありませんが、好調エクストローム選手が残り2戦ノーポイントとは考えにくいので、かなり厳しい状況です。

チャンピオンシップ争いは終わった?との問いかけに、曖昧に頷くソルベルグ選手。でも元気になったら、まだ諦めない!って宣言すると思います。というか願いたい。

そしてついにローブ選手が初優勝。競り合いが苦手みたいですが、WRC9連覇の偉業を達成した人ですから自分のペースで走れればどんどん走りを最適化して速くなっていきます。スタート直後の1コーナーが彼にとって優勝できるかどうかの運命の場所。1度感覚を掴んでしまえば次も狙ってくるでしょうから今後も要注意です。

選手権争いではエクストローム選手が頭一つ抜け出し、2番手にはクリストファーソン選手が浮上してきました。優勝こそ1度だけですが、全戦にわたって活躍している結果が数字にも表れています。ローブ選手と同じ先行逃げ切り型のタイプなので接近戦にちょっと弱いところがありそうですが、今季だけに留まらず来季も期待できそうです。

 

【動画】DAY1ハイライト

 

【動画】ファイナルの映像

 

【動画】決勝ライブ映像(フル)

セミファイナル1:1:06:00頃から
セミファイナル2:1:17:00頃から
ファイナル:1:41:00頃から

 

おわりに

残り2戦で、確実に結果を残したエクスロトーム選手と最悪の結果となったソルベルグ選手に大きな差がついてしまいました。このまま終わってしまうのでしょうか?

第11戦ドイツは10月14日開催です。