【難民問題】シリアの未来はトルコが握っている?

どいdestructionドイツのメルケル首相による難民受け入れ表明から1年も保たずに限界を迎え、完全に扉を閉じてしまった感のあるヨーロッパの難民問題。国を追われ、逃げ出せたとしても行き着く先が失われつつあります。他に残された道はあるのでしょうか。

ヨーロッパ難民問題の現状

2016年8月に海を渡ってヨーロッパに渡った人の数は先月とほぼ同じ2万5千人弱となりました。かつては一ヶ月で10万人を超えた、トルコを経由してギリシャに渡るルートは3千人程度まで減少しています。ギリシャに渡ってもトルコに送還されるという情報が周知されたのでしょう。

Refugees/Migrants Emergency Response – Mediterranean(UNHCR)

変わって最近増加傾向なのがアフリカからイタリアへの渡航ルート。多くはナイジェリア人、エチオピア人です。こちらの動きについても調べてみようと思います。人数の増加に比例して海難事故による犠牲者も増えているのが気になります。

 

 

EUを牽引してきたドイツの混乱

難民の受け入れに当初積極的な姿勢を示していたドイツでは、9月に入って行われた州議会選挙で難民の受け入れに反対する政党が躍進し、国の方向性が完全に変わったことが数字上も明らかになりました。

German anti-immigrant party beats Merkel in her home district(REUTERS)
(ドイツの難民受け入れ反対派政党、メルケルの地元で勝利)

メルケル首相が率いるCDU(ドイツキリスト教民主同盟)はSPD(ドイツ社会民主党)と、難民受け入れ反対を掲げるAfD(ドイツのための選択肢)に続いての第3位政党になってしまいました。

もちろんメルケル首相も黙っているわけに行かず、人道的立場から難民の受け入れが必要であると訴え続けています。主張は正しいと思うのですが、難民の数が受け入れ体制の限界を簡単に超えてしまった今、具体的な対策は見えません。

Merkel strikes back, defends migrant policy after election rout(REUTERS)
(メルケルの逆襲、難民受け入れ反対は社会への脅威と主張 – 選挙敗退後)

 

 

シリアの未来はトルコにかかっている?

ドイツを中心としたEU内が混乱し、中東に対してアメリカも積極的な態度を見せない中で台頭してきた国家があります。それはEUのお隣トルコ。緊張が続いていたロシアとの関係を修復、イスラエルとの関係も正常化に合意し、7月のクーデターでは国内の反対勢力を一掃。

トルコ、ロシア軍機撃墜で謝罪 イスラエルとも関係修復へ(AFP通信)

トルコ・クーデター未遂 粛清は4万5000人規模に(BBC)

 

国内外の不安要素を排除し、ついにシリアへの軍事介入が始まりました。

トルコのクーデータ未遂事件後、「シリア内戦」の潮目が変わった(Newsweek)

 

正直、トルコとシリアそして数々の武装勢力との関係は複雑で理解が難しいです。しかし、そもそもの混乱を招いた欧米が動きを見せない中、ロシアを後ろ盾にしたトルコが中東を治めようとしている流れは見えてきます。

シリアが平和になるには、もしかしたらそれが一番早い選択なのかもしれません。成し遂げるまでに生まれる難民や犠牲者の数を考えると素直に喜ぶことはできそうにありませんが。

 

 

おわりに

たとえ何年か先に、中東やアフリカに平和が訪れるとしても、今苦しんでいる人たちにとっては今日、明日が重要であり、未来はたどり着けるのかもわからない、ずっと遠い先にあるのです。

一晩安らかに眠れることがどれだけ幸せなことなのか。その幸せを誰かに与えるには、どうしたらいいのでしょうか。