【難民問題】ヨーロッパから追い出された難民が向かう場所は?

2016年8月8日

destruction難民問題がだんだんとEU・トルコ間の駆け引きの道具のように扱われ始めました。受け入れ先の選択肢が次々と消えていく中で、難民たちはどこに向かうのでしょうか。

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ヨーロッパ難民問題の現状

2016年7月に海を渡ってヨーロッパに渡った人の数は先月よりわずかに上昇し約2万5千人となりました。EUとトルコ間の協定でギリシャに渡航した難民はトルコに送還されることになり、その影響でヨーロッパに渡る人数自体は昨年に比べ減少しています。ただ、一旦アフリカに移動した後にイタリアに渡るルートを選択する人が増えているのが気になります。

Refugees/Migrants Emergency Response – Mediterranean(UNHCR)

関連:“強制送還”で減少? 欧州目指す難民の今(日テレNEWS24)

 

 

ヨーロッパへの道が閉ざされた今、難民が向かう先は?

シリアなど生命の危険を感じる国から脱出しても、EUに入ればトルコに送還されてしまうようになりました。昨年までにEUに渡り、留まることができたとしても厳しい現実が待っています。

難民申請の手続きが進まず、劣悪な環境でただ待たされるだけの日々。そんな生活に疲れ、シリアに戻ろうとする人、トルコに密入国しようとする人、またはアル=カーイダのような武装組織に参加することを選ぶ者も現れています。

Syrian refugees regret going to Greece(Al Jazeera)

 

 

トルコがシリアの救世主?

最近になってトルコの積極的な政治行動が見受けられます。昨年戦闘機を撃墜してから険悪になったロシアへの謝罪を発表。軍によるトルコ人活動家を狙った攻撃により関係が冷え込んでいたイスラエルとの関係修復についても言及しました。

トルコ、ロシア軍機撃墜で謝罪 イスラエルとも関係修復へ(AFP通信)

 

その直後に発生したクーデターで政府の反対派を鎮圧。EUからは難民受け入れの肩代わりと引き換えに多額の支援金やEUへのビザ無し渡航容認など、かなり強気な条件を出しています。難民が政治の道具に使われているような気もしないですが、弱みを握られたEU側はなす術もありません。

難民協定「代替案を」=トルコの撤回に危機感-ギリシャ(時事通信社)

 

政権は維持しているものの国力をすっかり失ってしまったシリアのアサド政権。トルコはその後を見据えているのかもしれません。中東地域で起こっている混乱の沈静化に本腰を入れようとしないアメリカを見限り、ロシアやEUをバックに付けたトルコが、かつてのオスマン帝国のように大きな影響を持ち始めています。

トルコがシリア解放の救世主となるのか。国を追われた難民たちが、もう一度平和に暮らせる場所を取り戻せることを願うばかりです。

 

 

おわりに

クルド労働者党(KPP)という反対勢力を内部に抱えていたり、イスラム国(IS)からの脅威にも常に晒され続けているトルコですが、周辺国をバックに付け、どのようなアクションにでるのか気になります。もしかしたら近いうちに大規模な軍事行動もあるかもしれません。

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