イスラム国ってなんだ?絶望した人々の受け皿になってしまうのか

warイスラム国によるテロ事件が各地で相次ぎ、大きく報道される機会もありました。しかし被害ばかりが取り上げられ、依然として正体が見えてきません。

そこでイスラム国って何なのか、調べてみることにしました。

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イスラム国が生まれる経緯

イスラム国の起源となる組織は、1979年に起こったイラク革命から始まった混乱の中から生まれました。その後はソ連のアフガニスタン侵攻に抵抗する勢力となり、その中心人物であったウサーマ・ビン=ラーディンらが主体となりアル=カーイダを名乗ります。この組織は1991年以降、湾岸戦争でイラク攻撃の主導であったアメリカと敵対することになります。

アル=カーイダは2001年のアメリカ同時多発テロ(9・11)事件の首謀とされ、支援国と名指しされたアフガニスタン(タリバン政権)、イラク(フセイン政権)が攻撃を受け崩壊します。アル=カーイダも力を失いますがしぶとく生き残ります。

転機が訪れたのは2010年でした。中東で起こった民主化運動「アラブの春」の結果、シリアでは内戦が始まります。するとアル=カーイダ(この時点ではイラク・イスラム国と名乗っていた)が、紛争で統治の行き届かなくなった地域に移ります。シリア領内に拠点を得た組織は拡大し、何年にも及ぶ多数武力組織の吸収・合併・分裂を得て2014年に「イスラム国」の名を宣言します。

そして2016年時点、アメリカやロシアからの空爆によって勢力を弱めてはいますが未だに活動を続けています。

以上、雑ですが簡単なイスラム国誕生までの流れでした。実際に調べてみると、アメリカ同時多発テロに至るまでの経緯が全く見えてこないのが気になります。あまりにも突然すぎる感じで、アメリカが作った陰謀説という噂が未だ消えないのも理解できます。

 

 

消滅しそうでしないイスラム国

アメリカやロシアなどがよってたかって空爆しているから拠点なんてすぐに取り戻せそうな気がしてしまいますが、地図を見ると非常に難しいことがわかります。

Islamic State group: Crisis in seven charts(BBC NEWS)

 

一箇所に固まっていれば一網打尽にできますが、イスラム国の支配地域はシリア、イラク領内に点在し、まとまっていません。まるで霜降り肉の脂肪のように細かく散らばっていて、そこだけ取り除くなんて不可能です。攻撃すれば周囲の民間地域に被害が出てしまうことも意識してもいるのでしょう。

シリア政府による地道な反撃によって支配地域を取り戻しつつはありますが、現在はアフリカ大陸にも勢力を伸ばし、不安定な国家に根付くというやっかいな能力を身につけてしまったように思えます。

 

 

イスラム国は絶望した人々の受け皿になるのか

アメリカのフロリダ州オーランドで6月12日、ナイトクラブでの銃乱射事件が発生しました。7月14日には南フランスのニースで、花火を見ていた観客にトラックが突っ込む惨事が起こりました。

50人死亡のオーランド乱射は「テロとヘイトの行為」=オバマ米大統領(BBC NEWS JAPAN)

ニース事件は過激派と無縁の大量殺人だった(東洋経済オンライン)

 

犯人たちは本当にイスラム国の戦士として殉職を望んだのでしょうか。そうではなく、人生に絶望し、死を前にして世界に怒りをぶつけようと思った時、イスラム国という存在があったのではないでしょうか。

そうであれば宗教観に関係なく、世界中で格差社会が広がり貧困などによる絶望を感じる人が増えれば増えるほど、イスラム国に同調する人の数も多くなっていくことになっていきます。たとえ領土を失ったとしても世界中の人の心の中にイスラム国は残り、広がる。そんな恐ろしさを感じます。

絶望する人々の救済。これってどの宗教の根底にもある思想ですから、生きる希望を失った人を集める大きな受け皿となる可能性があると思います。

 

 

おわりに

この記事を書くにあたり、以下の『イスラーム国の衝撃』という書籍を参考にさせていただきました。イスラム国が生まれた理由や今後の行方など詳しく説明されています。ヨーロッパの難民問題にもつながるイスラム国の存在についてご興味あれば読んでみてください。

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