2016年7月2日にイギリスのロンドンでフォーミュラE 第9戦が開催されました。最終決戦の地で2日連続で行われるバトルの1戦目、総合優勝争いを演じる2人のドライバーの行方を中心に振り返ります。人気があった頃のF1みたいな展開でした。
開催場所の紹介
ロンドンの名所ビッグ・ベンやバッキンガム・パレスからテムズ川沿いに南に向かうと見えてくるバタシーパーク。ロンドン中心部からもほど近い位置にあります。
公園の外周部を走る全長約3kmのコースは、もちろん本格的なサーキットではないので路面も荒く、ホコリや木の枝葉が舞い飛ぶスリリングな環境。高速コーナーやストレートからの難しいブレーキポイントなどドライバーのテクニックとマシンの総合力が試される、最終戦にふさわしい舞台となっています。
しかし本コースの使用は契約の関係で今年が最後。だったら次はロンドン市街地で開催してもらいたいですね。グランツーリスモシリーズにあるコースで。
予選:伝説のセナプロ対決再び
予選
予選は雨がパラつく不安定な展開。濡れた路面に挙動を乱し、クラッシュするマシンが続出しました。わずか1ポイント差で選手権をリードするルーカス・ディ・グラッシ選手(アプト・アウディ)は10位と低迷しますが、後を追うセバスチャン・ブエミ選手(ルノー・e.ダムス)もタイムを伸ばせず12位に終わります。
スーパーポール
予選上位4台によるポールポジション争い(通常5台だけど、1台どうなったんでしょう?)では、元F1チャンピオン、アラン・プロスト監督の息子ニコラス・プロスト選手(ルノー・e.ダムス)がポールを獲得。2位にはこちらも伝説のF1チャンピオン、アイルトン・セナさんの甥ブルーノ・セナ選手(マヒンドラ レーシング)とかつての名勝負セナプロ対決を彷彿とさせる順位になりました。以降は日本で開催中のスーパーGTにも参戦中のオリバー・ターベイ選手(ネクストEV TCR)、そしてロビン・フラインス選手(アンドレッティ)と続きます。
予選ハイライト
決勝:どいて、そこどいて!
前半
落ち着いたスタートから、プロスト選手とセナ選手がクリーンな立ち上がりでリードを築きます。3番手以降は1列になり混戦に。DSヴァージン レーシングのジャン-エリック・ベルニュ選手とサム・バード選手はもはや恒例となったチーム内バトルを早速開始します。この2人、同じマシンだし実力も近いからいつもこうなりますね。
狭くて抜きづらいコースの中ディ・グラッシ選手が8位まで順位を上げると、ここで彼に援軍が登場します。チームメイト、ダニエル・アプト選手が2台の間に入り、ブエミ選手を鬼ブロック!しかしディ・グラッシ選手もジャン-エリック・ベルニュ選手(DSヴァージン レーシング)を交わせず、ピットイン直前にアプト選手を抜いたブエミ選手と7、8位の順で後半戦に入ります。
後半
全車ピットアウトして隊列が落ち着いた頃、パラパラと雨が降り出します。そのせいかディ・グラッシ選手の援護役、アプト選手がフラインス選手との接触からクラッシュ。セーフティーカーが入ってレースも仕切り直しになります。
残り10周からのレース再開後は、同士討ちになったとしても抜かせたくないディ・グラッシ選手と、なんとしても彼の前に出たいブエミ選手の戦いも再燃。マシン不調のせいか遅いのか速いのかよくわからないサム・バード選手(DSヴァージン レーシング)が間に入っちゃったりして大混戦。どいて!邪魔しないで!というブエミ選手の叫びが聞こえてくるかのようでした。
その間後続のドタバタとは無縁のプロスト選手とセナ選手が楽々と走り、そのままフィニッシュ。結局4位ディ・グラッシ選手、5位ブエミ選手となりました。
2人に抜かれたと思ったら抜き返してみたりのバード選手は最終コーナーで失速。いつも大事なところで運がない人だなぁ。
最終結果は以下のリンク先でご確認ください。
■第9戦 イギリス ロンドン大会 最終結果(テレビ朝日)
決勝ハイライト
感想
まずは1990年以来のセナプロ対決実現に驚きました。プロスト選手は優勝経験のある選手ですが、セナ選手はこれまで表彰台に上っていませんでしたから、雨の影響もあったとは思いますがシーズン2終盤でようやく結果を出せましたね。ケンカすることもなく仲良くフィニッシュし、表彰台でお互い祝福する姿も見られました。2人とも顔がレジェンドたちによく似てるんですよね〜。これからもいい勝負が見られると、かつてもF1ファンの心を掴めるかもしれません。
そして玉砕覚悟のディ・グラッシ選手と相打ちでは分が悪いブエミ選手のバトルの方は、なんとか最後まで両者こらえて最終戦まで勝負は持ち越し。見ていてずっとヒヤヒヤの展開で、こっちがセナプロ対決みたいになってました。
最終戦を前にディ・グラッシ選手が3ポイントリードと広がりましたが、アプト選手によるペナルティ覚悟の強烈ブロックを終始耐え抜いたブエミ選手の方がドライバーとしては評価が高かったです。
おわりに
最終戦の配信もアップされているので早めにチェックしたいと思います。
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