イギリスのEU離脱がヨーロッパの難民問題に与える影響は?

destructionイギリスがEU離脱に向けて動き出し、動揺するヨーロッパ地域。領内の問題で手一杯になってしまうと、まだ解決していない難民問題も気になるところです。現状とイギリスの判断による影響を考えてみます。

スポンサーリンク

ヨーロッパ難民問題の現状

2016年6月に海を渡ってヨーロッパに渡った人の数は先月とほぼ同じで約2万3千人となりました。ピーク時の2015年10月と比較すると約22万人から10分の1減少しています。トルコとの協定により、EUに不法入国した難民はトルコへと強制送還されるようになったことが大きく影響していると思われます。

Refugees/Migrants Emergency Response – Mediterranean(UNHCR)

 

一方、締め出し前にヨーロッパに到達できた人たちからの難民申請は今年に入って1ヶ月あたり約10万件程度で推移しています。受付側の処理能力の限界がこのあたりなのかなと思いますが、昨年だけで100万人を超える数が押し寄せましたから、その申請だけで10ヶ月はかかってしまう計算になります。せっかく安全な国に逃れてきても、受け入れられるかはわからないまま長い間待たされることになります。

File:First time asylum applicants, EU-28, January 2015 – March 2016.png(eurostat)

 

 

イギリスのEU離脱が難民問題に与える影響は?

地中海からイギリスにまで海を超えて難民が押し寄せることはありませんでしたが、EU領内を横断してフランスに渡り、そこから海峡を越えてイギリスに向かう動きがありました。難民に対してはテロの脅威もあり、できるだけのことをしながらも無理に受け入れたりしないスタンスを取っているようです。どちらかと言うとイギリスとしてはEU内からやってくる移民に対しての方が意識が強く、苦い感情を持っているようです。

ただ、本当に離脱となれば話は変わってくるかもしれません。EUはイギリスへの報復として重い関税だけでなく、いろいろな負担を押し付けようとしているように見えます。その1つの政治的手段として難民問題をぶつけてくる可能性もあります。

EUからすると増え続ける難民が他国に移動してくれるのは大歓迎でしょうから、EUからイギリスに向かう難民たちを黙認するような事態が起こるかもしれません。

英EU離脱派リーダー、欧州議会で放言 対立浮き彫りに(CNN)

 

 

シリア危機から5年を過ぎて

アラブの春によって民主化に向かうかと思われたシリア。アサド政権は存続し、国内は内戦で泥沼化、イスラム国の台頭もあり未だに混乱が続き、解決への希望も見出せていません。救済の道だったはずのEU難民受け入れも扉が閉ざされようとしています。

トルコ国境にはすでに200万人が避難し、周辺国も人道的な立場から救いの手を差し伸べていますが、もう限界を迎えているように思えます。アフリカにもイスラム国の活動が広まり始め、まだ根絶には長い時間がかかりそうです。これ以上の苦しみが続けば、シリアを始め中東で苦しむ難民はどこに向かうのでしょうか。

 

 

おわりに

街は廃れて文化も失い、子供たちは1度も学校に行くことなく大人になっていってしまうのでしょうか。国外での避難生活にも限界がありますから、一刻も早くシリア国内に戻れる場所ができて欲しいです。

スポンサーリンク