6月10日より、世界ラリークロス選手権(WorldRX)の2016年シーズン第5戦がノルウェーのヘルサーキットで開催されました。意外?な伏兵が大活躍したこの一戦についてのレースの感想です。
ルールについては以下の記事で説明していますので、事前に見ておくことをオススメします。
世界ラリークロス選手権(WorldRX)のルールについて説明します
予選:これまでと違う展開に
地元パワーを受けて元気なのはアンドレアス・バックラッド選手(チームHoonigan Racing Division:フォード フォーカス RSRX)。なんとQ1からQ4まで全てトップタイムで予選通過。
同じノルウェイ出身のペター・ソルベルグ選手(シトロエン DS3)もいいタイムを出すのですが、すぐに塗り替えられてしまいます。セバスチャン・ローブ選手(チームPeugeot Hansen:プジョー208 WRX)、そして心のなかでいつもティマティマと呼んでいるティマ・ティマジヤーノ選手(フォード フィエスタ)あたりが2位集団を形成。マティアス・エクストローム選手、トッピ・ヘイッキネン選手(共にチームEKS:アウディ S1)は6、9位と振るいませんでした。
一人だけ浮いてるマシンでよく目立つ、ちょいワルBMWミニのライアム・ドーラン選手はQ1で他のマシンと接触、Q2でも接触からの大横転と良いところなし。それでもメカニックの努力でレースには復帰しましたが予選敗退となってしまいました。
セミファイナル:対照的な2人のドライバー
セミファイナル1
バックラッド選手が登場したセミファイナル1。ヘイッキネン選手、セバスチャン・ローブ選手にティミー・ハンセン選手(共にチームPeugeot Hansen:プジョー208 WRX)と強豪ぞろいの中でも綺麗なスタートを決めたバックラッド選手は、2位争いの混乱にも助けられ楽勝モード。ファイナルへの切符を手にしました。2位にはハンセン選手、3位には序盤のジョーカーラップ選択で混乱をうまく避けたローブ選手が入りました。
バックラッド選手はどっしりと構えたような余裕のある走り。
セミファイナル2
セミファイナル2はティマジヤーノ選手を先頭に隊列を作ります。軽快にヒラリヒラリと走るティマティマを、チャンピオンシップリーダーのエクストローム選手が追いかけるますが微妙に届きません。結局このままフィニッシュとなり、3位にはセミファイナル1のローブ選手と同様にジョーカーラップをうまく利用したソルベルグ選手がなんとか入りました。
ティマジヤーノ選手は軽いマシンを軽快に操るような走りでした。
ファイナル:明暗分かれたフロントローの2人
フロントローの2人の選択は1周目から分かれました。ポールポジションからスムーズに1コーナーに飛び込んだバックラッド選手に対し、躊躇なく一気に加速してジョーカーラップに飛び込んだティマジヤーノ選手でしたが、スピードに乗りすぎたのか外側に膨らみ手痛いタイムロス。その後も表彰台のプレッシャーからか5周目にミス、あれよあれよと言う間に最下位まで落ちて行きました・・・。
バックラッド選手が無敗のまま優勝、ピッタリと後ろを追走していたハンセン選手が2位になり、3連勝後のエクストローム選手が3位となりました。
最終結果は以下をご覧ください。
Live Qualifying Results – Supercar – Hell(FIA World Rallycross Championship)
感想
バックラッド選手のマシンはコーナー立ち上がりからの上り坂などで持ち前のパワーを発揮できていたようです。その分車重があるように感じるんですが、きっちりとしたブレーキングと立ち上がり重視の走り方、あとはコースラインを外さない正確なテクニックによって誰も寄せ付けない速さを生み出していたのではないかと思います。
一方ティマジヤーノ選手は同じフォード車種でもフォーカスより一回り小さいフィエスタ。小型軽量の利点を生かしての軽快なコーナリングは見事でした。しかしコースラインを外すことも多く正確性が結果につながってしまったのではないでしょうか。他の選手は両者の間でどっちつかずになってしまったのかな?
予選からファイナルまで全て勝利したのはバックラッド選手が世界ラリークロス選手権史上初めて。しかも母国ノルウェイでの今季初勝利と嬉しいことづくしの1戦となりました。次のスウェーデンは比較的フラットなコースに見えるので今回ほどパワー重視のレースにはならないと思いますが、マシンとの相性も良さそうだし、打倒エクストローム選手の中心選手になってくれるかもしれませんね。チームメイトのケン・ブロック選手にもいい刺激になったのではないでしょうか。
配信映像
DAY1ハイライト
DAY2ハイライト
決勝ライブ映像(フル)
セミファイナル1:1:02:00頃から
セミファイナル2:1:14:00頃から
ファイナル:1:39:00頃から
おわりに
WRCと同時に開催されるとどっちも観戦する時間がなくなってしまいますね。次戦もWRC第7戦と被ります。
第6戦スウェーデンは7月1日開催です。
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