世界ラリー選手権(WRC)2016 第6戦 ラリーイタリア・サルディニアの感想です(その2)

wrc世界ラリー選手権(WRC)の2016年シーズン第6戦、ラリーイタリア・サルディニアが開催されました。前の記事に続いての感想です。

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DAY3:追いすがるラトバラ選手

DAY3は6ステージ、名所Micky’s Jumpを含む3ステージを2回走る177,70kmの行程。天気も気温も昨日と同様のコンディション。まるでパスダースノーのようなきめ細かい砂の路面が水を含んでドロドロになることを考えると、雨が降るよりいっか。

前日まで好調のティエリー・ヌービル選手(ヒュンダイ・モータースポーツN)とヤリ‐マティ・ラトバラ選手(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)はタイヤ選択もソフト3本+ハード2本(1本はスペア)と全く一緒。どちらが長い1日で集中力を持続できるかが勝負でしたが、この日はヌービル選手の方が優っていました。1時は約3秒差まで迫られますが、午後に入って勝負どころで攻めきれないラトバラ選手を再度引き離し、この日の終了時点で16.1秒差までリードを広げました。

3位スタートのオジエ選手(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)は後方から追い上げるマッズ・オストベルグ選手(Mスポーツ WRT)に抜かれアンドレアス・ミケルセン選手(フォルクスワーゲン・モータースポーツ2)にも追いつかれます。しかしミケルセン選手がコース上の石でマシンを破損、オストベルグ選手がコース脇の石でできたゲートにぶつかりリタイヤと謎の力でライバルを排除し3位堅持。何かに守られている感がすごい。

優勝あらそいの2人を除いて中堅どころが消えていく中、若手の活躍が目立った1日でもありました。ケビン・アッブリング選手(ヒュンダイ・モータースポーツN)は主に来年に向けて開発中のマシンのテストドライバーですが、今季参戦2戦目でありながらステージ10で最速タイムを出すなど大器の片鱗を見せます。そのすぐ後ろにつけたエリック・カミリ選手(Mスポーツ WRT)もこの日好調で総合7位に入ってきました。初戦から3戦はダメダメでしたが、1度完走してからは安定してきました。

 

ステージ10 – 12 ハイライト

 

ステージ13 – 14 ハイライト

 

 

DAY4:クールなメガネ男子、その力は本物か?

最終日は4ステージ、海を望む高台の2ステージを2度走る42.04kmのみとなりました。

オジエ選手の路面掃除もお役御免。最終日の出走順は前日の順位のリバースオーダーとなるため、上位3人のハンデはほぼ互角。ここでオジエ選手にタイム差をつけられると、なんだ実力で勝ったんじゃないのかと言われてしまうため気は抜けません。しかしここでもヌービル選手が速く、ラトバラ選手も2位キープ宣言。ドラマチックな展開はなく無事にレースが終了しました。

最終ステージは、この区間の最速タイムベスト3のドライバーにに3ポイント、2ポイント、1ポイントが与えられるパワーステージとなっています。最後に3ポイントをゲットしたのはオジエ選手。優勝争いを演じたラトバラ選手を抑え2ポイントを手にしたのはアッブリング選手でした。

これでヌービル選手は2年ぶりの2勝目、ラトバラ選手は久しぶりの表彰台。オジエ選手は優勝できなかたものの3位表彰台で、今季はここまで1位、1位、2位、2位、3位、3位の成績。次はループして1位に戻るのか、このまま4位に向かってしまうのか気になります。

 

ステージ15 – 17 ハイライト

 

最終ステージ ハイライト

 

 

最終順位

順位は以下の通りです。ペナルティなどにより最終順位は変動する可能性がありますので、確定順位はこちらでご確認ください。

順位 選手名 チーム名 車種 タイム
1 ティエリー・ヌービル選手 Hyundai Motorsport N
Hyundai i20 WRC
3:35:25.8
2 ヤリ‐マティ・ラトバラ選手 Volkswagen Motorsport
Volkswagen Polo R WRC
+24.8
3 セバスチャン・オジエ選手 Volkswagen Motorsport Volkswagen Polo R WRC +1:37.8
4 ダニ・ソルド選手 Hyundai Motorsport Hyundai i20 WRC +2:54.0
5 オット・タナク選手 DMACK World Rally Team Ford Fiesta RS WRC +5:26.4
6 エリック・カミリ選手 M-Sport World Rally Team Ford Fiesta RS WRC +5:59.8
7 ヘニング・ソフベルグ選手 Solberg Henning Ford Fiesta RS WRC +6:22.2
8 テーム・スニネン選手 Team Oreca Skoda Fabia R5 +8:57.4
9 ヤン・コペッキー選手 Skoda Motorsport Skoda Fabia R5 +9:47.0
10 カール・クルーダ選手 Drive Dmack Trophy Team Ford Fiesta R +13:28.5

 

 

感想

冷静さを装いながらも勝利へのプレッシャーを感じているのか、ときにはミスもするヌービル選手。しかしそのチャンスをことごとく活かせないラトバラ選手。ここぞという場面で弱いんですよね。90パーセントの力で走ればいいのに120パーセントの力を出そうとして、結果80パーセントの力しか出せないような感じ。優勝とか成績よりも、いつも全力で取り組むところが応援したくなるところでもあるんですけど。

ヌービル選手は本来こういう人なのでこれまで優勝できなかったのがおかしいんです。これで呪いが解けたのでしょうか?また取り憑かれるのでしょうか?まだ安心できません。

それにしてもヒュンダイは不思議なチームです。最初はヌービル選手推しでしたが不調が続き、その間にヘイデン・パッドン選手が浮上、今年に入って初優勝しエース扱いに。するとパッドン選手が調子を崩し、ヌービル選手が優勝。今季2勝したのはどちらもセカンドチームのヒュンダイ・モータースポーツNです。ダニ・ソルド選手だけマイペース。エースドライバーのプレッシャー強すぎなのでは?

フォード勢ではカミリ選手が好調を維持。映像見ていてもオストベルグ選手的な丁寧さと、最終日にステージ17の最速タイムを出せるような一発の速さが身についてきました。まだまだ表彰台まではタイム差が大きいのですが、まだまだ成長してくれそうです。オット・タナク選手(DMACK WRT)は過酷なコンディションでチームが供給するDMACKタイヤが保たなかったようです。それでも擦り切れたタイヤで全力疾走する姿、目に焼きつきました。

ヘニング・ソルベルグ選手もちゃっかり7位フィニッシュ。4年後には息子のオスカー君とWRCで戦う予定らしいので、それまで頑張らないと!

シトロエン勢がお休みでしたが、各ドライバーの個性が光る、群雄割拠の時代の訪れを予感させる一戦でした。

一つ心配なのは地元イタリアのラリーに怪我を押して参戦したロレンツォ・ベルテッリ選手。マシンが横転、コ・ドライバーのシモーネ・スカットーリン選手が病院に運ばれたようですが大丈夫だったんでしょうか?

 

ラリーイタリア・サルディニア ハイライト

 

 

おわりに

ことしは6戦で優勝者5人目と意外に混戦模様。後半戦はもしかすると面白い展開になるかもしれませんね。

第7戦ラリー・ポーランドは6月30日(木)開催です。

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