常識と芸術のあいだ【広告コピーってこう書くんだ!読本】感想です

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5月から少し乱読気味に、普段読まないような本を積極的に読んでいます。その中の1冊「広告コピーってこう書くんだ!読本」をご紹介したいと思います。

広告コピーってなんだ

この本を書かれたのはコピーライターの谷山雅計さん。読む前はそもそも広告コピーってなんだ?っていう状態でしたが、この方が手がけた以下のキーワードならどこかで聞いたことがあるはず。こういったメッセージが広告コピーで、メッセージを含めた宣伝のための壮大な仕掛け作りに長く関わっている方です。同業者だと糸井重里さんとかですね。

  • 東京ガス「ガス・パッ・チョ!」
  • 新潮文庫「Yonda?」
  • 日本テレビ「日テレ営業中」

 

たかが一言、されど一言の世界

こんな1言くらい簡単に書けるわ!って思う方もいるかもしれません。確かに1つ2つなら誰でもできるかもしれません。だけど仕事として常に高い品質とそれなりの結果を出し続けるのは大変です。広告業界なんて使われるお金も桁外れに高いですしね。

楽な商売に見えたりもしますが、その世に出る一言の裏には100倍以上の使われなかった言葉が存在するという厳しい現実を知ることができます。

 

 

「なんかいいよね」の呪縛

普段何気なくいろんなものを目にして、ふと良いものを見つけたとき「なんかいいよね」って思うことありますよね。でも大抵はそこで終わってしまいます。コピーを作り出すには「なんかいいよね」から「なぜ良いのか」に考え方を変えなければなりません。なぜあの言葉は心に響くのか。なぜあの本は何度も読み返したくなるのか。なぜあの曲を聴くたびに涙が出るのか。その答えに向かって歩み続けるのがコピーライターのお仕事。

僕はコピーライターではありませんが、振り返ってみると「なんかいいよね」で終わっていることが結構多いような気がします。なぜ?って一歩踏み出す勇気を忘れていましたね。

 

 

「常識と芸術のあいだ」にコピーがある

何かを説明しようと思ったとき、相手がどう受け取ってくれるかはあなた次第です。当たり前のことを並べても「あたりまえじゃん」と思われてしまいますし、理解に時間のかかるような説明だと「わかんない」って言われてしまいます。コピーとはその中間に存在するもので「そういえばそうだよね」っていう共感を生み出し、惹きつける言葉。

説明の例えとしてお豆腐を題材にするところが面白くて、シンプルだけど簡単にはできないよなっていう難しさも体感できました。ここは一番の読んでもらいたいポイントです。

 

 

違う業界でも読んでみる価値はありました

広告業界に限らず、商品を買ってもらおうとしたりサービスを使ってもらおうと思ったら、まずは興味を惹くのが大事です。世の中でヒットしているものの多くは決して偶然だけでなく考え抜かれた計画と深い意味があって広まっているのが、この本を読むと理解できるようになります。

モノを売りたい、良さを伝えたいという売り手の視点から、購買者がどういう気持ちで何を求めているのかを考える発想の切り替え方は、どんな職業にだって役に立つものだと思います。ブログの記事を書くにも読み手が望んでいる文章を書くのって大事ですしね。コピー業界に憧れる人だけでなく、新しい発想を学びたい人にもぜひ読んでもらいたい1冊です。

 

 

おわりに

「なんかいいよね」を作り手として禁止しながら読み手には「なんかいいよね」って思わせる空気感を与えるのってどうなんだろうと思わないでもないですが、難しい言葉を並べず、いろんなタイプの読者が同じ想像をしやすいような説明の仕方は、それだけでも谷山さんの文才が感じられました。

動画配信のようなサービスが当たり前になっても、世の中はまだ言葉で回っているんですね。

Amazonプライム会員なら「Kindleオーナーライブラリー」を利用すれば無料で読むこともできますので、ちょっと新しい発想を探してみたいなと思ったら、お気軽に手にしてみてください。