過去最大のリークとも言われるパナマ文書。まだその全容は明らかになっていませんが、国の首相が辞任してしまうなど世界中を揺るがすほどの大きな影響を持ち、今度は世界経済にも影響を与えそうな気配です。
しかし実際に何が書かれているのかはよくわかりません。そこで、いったいどこで見られるのか調べてみました。
パナマ文書とは
パナマ文書(Panama Papers)はパナマのモサック・フォンセカ法律事務所から流出したとされる内部文書です。この事務所では税金の安い国に資産を移動するための法人設立代行を行っていました。漏洩した情報には顧客とのやり取りが含まれており、世界中の富裕層がどれだけの資産を国外に隠しているかが詳細に記録されているようです。
内容についてはまだ多くが明らかになっていませんが、そのデータ量は膨大で過去のリーク事件が霞んでしまうくらいの規模です。全部で2.6テラバイト、Eメールだけでも約500万通と巨大な情報の塊です。
その大きさは下記のインフォグラフィックスで見てもらえれば実感できると思います。
About the Panama Papers(Süddeutsche Zeitung)
閲覧することは可能なのか?
今のところ全文は公開されていませんが、発表と同時に一部が公開されました。本物かどうかは確証が取れていませんが、以下にあるのがその原文書のようです。確かに要人のものと思われる名前があちこちに見受けられます。日本企業や日本人と思われる名前も探してみましたが見つけられませんでした。
アメリカがやけに少ないなと思ったら、アメリカ国内にはデラウェア州というタックスヘイブンがあるので、きっとそちらにお金が流れているんでしょう。
Internal documents from Mossack Fonseca (Panama Papers)(DocumentCloud)
電通がリストに載っているなんて噂もありますが、それが何を意味しているのか正しい裏付けは取れていないと思います(多分以下のリンク先にあるファイルを検索したのでは?)。5月には関連する企業の全リストが公開される予定ですので詳細は今後の発表を待ちましょう。
Panama Papers: ICIJ Offshore Leaks Database Documents Download [Complete]
全部が悪いわけではない
税金の安い地域にお金を移すのは節税であって違法ではないとのこと。ただしリストの中には裏取引のような違法性を問われる内容も含まれているようで、心当たりのある人たちは今ごろビクビクしていることでしょう。
それに違法ではないとしても、たとえば国のトップが税金逃れをしておきながら国民に増税を課すとなると強い反発が生まれます。今後日本の政治家の名前が見つかったりしたら国内でも確実に大騒ぎになりますね。
参考にさせていただいたサイト
- パナマ文書は、どこでダウンロードできるのか? 今話題の秘密文書を実際に見てみよう(NEVERまとめ)
- 世界最悪のタックスヘイブンはアメリカにある(ニューズウィーク日本語版)
おわりに
実は昨年から始まったマイナンバー制度によって、海外に退避させた資産についても国が把握できるような対策が検討されています。あまり嬉しくない制度ではありますが、導入されるなら、せめて正しい使われ方をしてもらいたいものです。
5月10日に公開されたパナマ文書のデータベースについてはこちらの記事で書きました。
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