友人に紹介された映画「ワン・デイ 23年のラブストーリー」が感動的だったので、久しぶりに感想を書いてみました。終わった後に考えさせられることも多かったし、こういうじれったい恋愛ものは大好きです。
作品について
まずは観ていない人向けに簡単な作品のご紹介です。
作品情報
- 原題:One Day
- 監督:ロネ・シェルフィグ
- 主演:アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス
- 製作国:イギリス
- 上映時間:107分
あらすじ
大学の卒業式の日に出会ったエマ(アン・ハサウェイ)とデクスター(ジム・スタージェス)。エマは彼に惹かれるのだけれど恋人としては受け入れられず、2人は親友としての付き合いを始めます。
真面目に生きるエマと自由奔放に生きるデクスターは全く正反対の人生を歩みながらも、ときに距離をおいて、ときに恋人より近くに寄り添いながらお互いを支え続けます。
紆余曲折を得てもなお消えない本当の気持ちに気づいた2人に、やがて転機が訪れます。エマとデクスターを結びつける友情の行方は思いもよらない結末を迎えるのでした。
余談ですが、物語を貫く7月15日は聖Swithin(スウィジン?)の日というイギリスの祝日。この日が晴れなら40日間晴れが続き、雨なら雨が40日間続くという言い伝えがあるそうです。
見どころ
- キラキラしてない演技すらも素敵なアン・ハサウェイさん
- 仲良しなのに大事な場面ですれ違い続き(つい突っ込みたくなる)
- エマとデクスターの対照的な生き方
- 主演の2人によく合うイギリス・パリの街並み
- 衝撃的な友情の行方
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ここから先はネタバレを含みます。
感想
上映時間は108分と比較的短めで観始めるとあっという間ですが、2人の23年間がギュッと詰まった物語を共に過ごして来たような気持ちになりドッと疲れました。それだけ濃い内容だったということです。
大事なところですれ違い
あなたと恋人にはなれないって言いながらもデクスターのことが気になって仕方がないエマ。ずっとエマが好きなんだけどモテるもんだから常に他の女の子が周りにいるデクスター。
本当は好きなのに、言葉にした途端今までの関係が変わってしまうことが怖くて言い出せない。しかも大事なタイミングでは言葉が届かない。このもどかしい感じが観ていてたまらない。わかるなぁ。
でも男性と女性はお互い考えていることがわからない生きものなんだから、実際にこんな問題抱えている人は素直に話し合いましょうね。
2人の人生の対比
エマはとっても真面目で、小説家になりたいという自分の夢に向かってコツコツと努力を続けます。デクスターのほうはお金持ちの家に生まれて、大学卒業後はすぐにテレビ業界の売れっ子なり超モテモテ。この関係が徐々に変化していきます。
夢を追い続けたエマはついに作家となり、右肩上がりの人生を歩みます(男運は別にして)。一方デクスターはだんだんと時代に取り残されていく。
お互いの気持ちはすれ違い、人生までも重ならない。それでも運命は2人を離してはくれないのです。そこが映画らしくもあり、観ている側の希望でもありました。きっと幸せになれるよねって思っていたのに。
生きるということ
エマが自転車に乗った瞬間、嫌な予感があり鳥肌が立ちました。路地を走るエマを背中を追いかけるシーン。そして・・・。まだ何も知らぬデクスターは待ち合わせのお店で幸せそうな表情を浮かべて待っているのでした。
あまりの衝撃にこっちまで呆然としてしまいましたが一番ショックなのはデクスター。いつまでも立ち直ることのできない彼に対し、父親がかける言葉が素敵でした。
「彼女が生きているように生きてみなさい。俺はずっとそうして生きてきたよ」
彼自身も妻を亡くし、ずっと1人で生きてきた父だからこそ心に届く言葉だったのでしょう。僕も母を10年ほど前に亡くし、残された家族全員が同じような気持ちで悲しみを乗り越えてきたので、この言葉の意味がすごくわかります。父親として、というより同じ境遇の親友を慰めるような優しいメッセージに聞こえました。
そして物語の終盤、悲しみを乗り越えたデクスターが、娘のジャスミンを連れてエマとの思い出の地へ行くシーンでも素敵な台詞が待っていました。
「ねぇパパ、エマに会えなくて寂しい?」
「うん・・・、そうだね、彼女はパパの親友だからね。ジャスミンの親友は誰だい?」
「たぶんママだと思う(離婚したデクスターの元奥さんのこと)」
「パパも悪くないと思うんだけどなぁ。どう?」
「教えてあげなーい」
出会った時から最後まで2人はずっと親友だったんだなぁ。でもデクスターの父親も娘のジャスミンも、親子関係のつながりだけじゃなく親友のような関係で、彼の隣にいてくれたのがとても嬉しかったです。1人きりになったんじゃない。今の親友と、素敵な思い出がまだ残っている。そんな綺麗なエンディングでした。
この感想を書くために参考にさせていただいたサイトやブログ
- 「ワン・デイ 23年のラブストーリー」を観て感じた事。(hmmmさん)
- ワン・デイ/23年のラブストーリー(ONE DAY)(たまにネタバレするシネマレビューさん)
おわりに
去年「あと1センチの恋」という18年間片思いが続く作品を鑑賞しました。そのときとは少し違って、主人公2人の恋の成就というよりも家族や友人など周囲を含めた人生が伝わってきて感動的でした。
すれ違いばっかりの、じれったい恋心。そんな微妙な恋愛映画がお好きな方にオススメです。
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