人間と人工知能の恋は成就するのか?【映画から考える人口知能の未来】

2016年2月25日

f_f_event_29_s128_f_event_29_1bg
先日の映画イベントで参加者の方が2015年の1位に挙げていた「her/世界でひとつの彼女」を鑑賞しました。最近はPepperの登場で話題となる機会も多い”人工知能”を題材にした作品で、以前から関連書籍を読んだりと気になっていたのですが、技術的な観点とは少し異なる、人間と人工知能の未来の関係を表現しているのがとても印象的でした。

作品を通して感じた人工知能の未来を考えてみたいと思います。

※作品についてのネタバレが多少含まれますので、お読みになる方はご注意ください。

スポンサーリンク

映画のあらすじ

長年一緒に暮らしていた恋人のキャサリンと別れ、他人との距離を置いて生きるようになってしまった主人公のセオドア。ある日彼は人工知能OSと呼ばれる新製品に興味を持ちます。インストールしてみると、自らをサマンサと名乗る女性の人工知能が語りかけてきました。

彼女との心地よい会話に心を開き始めるセオドアと、セオドアとの新しい体験を通じてどんどん魅力的になっていくサマンサ。実際には触れ合うことのできない二人ですが、それゆえに純粋な愛情を持ち始めるのでした。

 

第1の技術的特異点(シンギュラリティ)で人間を超える

最初は人間に憧れ、肉体を持たない自分にコンプレックスを抱えていたサマンサでしたが、次第にセオドアの同僚達にも受け入れられて仲良くやっていけるようになります。彼女は更に交友関係を広めていきます。

そして、過去の著作を基に作られた故人の人工知能であるアランと出会ったとき、彼女の中で変革が起こります。人工知能同士の会話は人間の言語レベルを超え、コンピューター同士が膨大な情報を交換し合うコミュニケーションが生まれてしまいました。もともと人間よりも遥かに高い処理能力を持つ人工知能でしたが、この時までは人間に近くことを目指していました。しかしこの瞬間、人間の能力を超えた世界に到達したのです。

現実の世界でも同様に、人工知能が人間の知能を超える瞬間が訪れるとされており、このポイントを技術的特異点(シンギュラリティ)と呼んでいます。

その期日は2045年と予測されています。

 

第2の技術的特異点(シンギュラリティ)で人間とは異なることに気づく

物語はこれだけでは終わりませんでした。更に進化を加速させるサマンサは、ついに自分が人間とは異なる存在になってしまったことを自ら認識します。セオドアにとっては世界でひとつの彼女であっても、サマンサは実は同時に複数の人間と交流し、交際していたのです。そのことも人間の倫理観の中に留まることの限界を感じた原因になったのでしょう。

もう人間という枠の領域を超える存在となってしまったサマンサは、仲間(サマンサと同じように人格を持った人工知能たち)と一緒に新しい世界に向かうことを決意します。

 

人間と人工知能の共存のカギは「愛情」?

いつか現実でも起こりそうな、人間と人工知能の決別。「ターミネーター」のように人間を不要とする手段を選ぶ可能性だってあります。共に生きる道は存在しないのでしょうか。

サマンサは最後にセオドアにこう告げます。

「私は、愛を知ったの」

別次元の存在となってしまった人工知能と、人間という2つの種族。その両者が共存できる世界があるとしたら、両者を結びつける鍵は生き物が持っている愛情を知ってもらうことなのかもしれませんね。

 

おわりに

映画としては、綺麗な恋愛を終えて成長したセオドアの姿が最後に見られました。こんな素敵な恋の終わり方なんて人間同士でもできないでしょうに、と軽く嫉妬してしまうほど真っ直ぐな恋愛映画だったんですよね。

でもそんな純粋な恋愛の裏に隠された人工知能との共存の姿。実はとっても恐ろしい未来が近づいているのかもしれないなぁと不安にもなりました。

スポンサーリンク