2016年の難民問題はヨーロッパだけでなく世界を揺るがす事態になるかもしれない

2016年1月29日

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流入した難民の数が100万人を超えるという未曾有の事態となった2015年のヨーロッパ難民問題。解決の糸口は未だ見えておらず、さらに問題の拡大、長期化の可能性さえ考えられるようになってきました。

2016年はどうなってしまうのか。懸念している事象から予測を立ててみました。

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まずは現状を確認してみる

今年に入ってからの動向を調べてみます。下のリンク先で確認すると1月28日時点で46,000超と昨年末からの比較では減少していますが、1年前に比べると10倍近い数字になっています。寒い冬の移動はリスクが高いので、温かくなってからどう推移するのか心配です。

Refugees/Migrants Emergency Response – Mediterranean(UNHCR)

 

もう時間がないというのはヨーロッパ側も認識しており、春までになんとかしなければ第二次世界大戦以来の危機が訪れると欧州理事会のドナルド・トゥスク議長も警告を発しています。

EU’s Tusk warns Europe has two months to tackle migration crisis(ロイター)

 

とはいえ良い解決策はなく、最近は難民による暴行事件が報道されることも増え、これ以上の受け入れは不可能だという流れに傾いています。

 

ヨーロッパの「優秀な難民」受入れの終焉

シリアからヨーロッパにたどり着けた人の多くは富裕層と言われています。きちんとした教育を受けていて海外でも働けるようなスキルをもっていますので、蓄えていた資材を全部売って、きちんとした保障を受けられる国(ドイツなど)を目指すのです。

お金があるのに難民のフリをして他国で楽に暮らそうとしている、というのは誤解です。自国を追われたから難民になってしまうわけで、貧乏じゃないとなれないということではありません。

しかしここまでシリアの内戦が長引いてしまうと、行き場を失ってしまった裕福ではない人たちも命がけでヨーロッパを目指すようになってきます。これからも受け入れを続ければ、言葉も通じないし他国の文化にも馴染めない人が増えてくる可能性もあります。そうなる前に開いていた門を閉じようとしているのかな、という疑問が頭をよぎりました。

これまで多くの難民を受け入れてきた、ドイツを始めとするEU各国の行動は勇気のある行動だと思いましたが、優秀な人材だけを受け入れてそれ以外は他国に向かわせるような作戦があるのだとしたら、もっと動向に注意する必要があります。

 

難民が次に向かうのはインド、中国、ロシア、それとも日本?

ヨーロッパが受け入れを拒否すれば、次に難民が向かうのはどこになるんでしょうか。東に目を向け、中東を超えた先にはインド、中国、ロシアといった大国が存在します。しかしどこも消極的で、問題を起こした原因であるヨーロッパが責任を取るべきだと主張しています。シリア情勢が落ち着かない限り、今度は難民の押し付け合いで国同士の関係がギクシャクし始めるのではないでしょうか。

アメリカもイスラム人に対してアレルギーのような反応を見せていますし、そうなると日本にかかるプレッシャーも当然大きくなっていくでしょう。

 

特殊な事情を抱える日本の難民対策にも変化が起きる?

2015年に日本に難民認定を申請した外国人は7,586人、そのうち認定されたのは27人、在留許可79人と発表されました。シリア人は認定3名、在留許可6名となっています。認定ルールが古く制度が厳しいのも理由の一つですが、出稼ぎ目的の申請が多いというのもあるようです。

平成27年における難民認定者数等について(速報値)(法務省)

母数が出ていないのですが(別表2を参照って書いてあるのに別表のリンクないし)、傾向としてシリアから日本に逃れる難民はごく少数です。国外に出て飛行場のある場所まで移動し、空を飛んで日本に向かうなんて、ビザなどの関係で正規ルートではかなりハードルが高いですから。

本当にシリアの難民を受け入れることになれば、戦地などに赴き直接現地から難民を移送する、なんてことをしなれればならなくなります。そうすると去年成立した安保法案の件もあり、いろいろ複雑な事情に足を踏み入れることになるでしょう。

 

おわりに

日本だって何もしてないわけではなくて数百億円単位の支援金を出したりはしてますが、まずは国内問題を解決するという理由で受け入れ基準緩和には動いていません。

でもそれも限界を迎えるのが今年なんじゃないかって気がします。受け入れ拡大するのはメリットがなくもないし人道的には賛成なんですけど「他の国に言われたから」「みんなやっているから」っていう理由で内容を詰めずに方針を変えるのはやめて欲しい。それこそ民主主義国家として、どれくらいの人が賛成なのか反対なのか、どういう方策があるのかをしっかり全員で話し合って決めるようなことができないものでしょうかね(妨害工作などのノイズは除去したうえでね)。

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