【ラリークロス】世界ラリークロス選手権(WorldRX)のルールについて説明します(2018年版)

2017年3月4日

世界ラリークロス選手権

2017年はニューヒーローのヨハン・クリストファーソン選手が圧倒的な強さで選手権を制した世界ラリークロス選手権。ラリーのダイナミックな走りとドライバーたちの順位を巡る攻防がアツい、近年人気の高まっているモータースポーツです。

でも日本では放送されておらず情報が少ないのが残念。ここでは世界ラリークロス選手権(WorldRX)をベースに簡単にルールを説明していきたいと思います。

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ラリークロスとは

ラリークロスの歴史

ラリークロスとはF1のようなサーキットレーシングとラリー競技を融合させたモータースポーツで、ターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)が混在するコースを走り順位を競い合う競技です。

1967年にイギリスのリッデンヒルで初開催され、1969年からはヨーロッパへと人気が拡大しました。2014年にはついに国際自動車連盟(FIA)が世界ラリークロス選手権(WorldRX)として世界選手権に昇格、フォーミュラ1(F1)や世界ラリー選手権(WRC)などメジャーなモータースポーツと肩を並べるトップカテゴリに位置付けられました。

アメリカではこれとは別にレッドブル・グローバル・ラリークロス選手権(GRC)が開催されており、日本ではあまり知られていませんが競技自体は世界中で人気になっています。

世界ラリークロス選手権は2018年は4月14日のスペイン・バルセロナ戦で開幕し、全12戦が予定されています。

2018 EVENT CALENDAR(FIA World Rallycross Championship)

ラリークロスの競技

競技で使用するコースは、約1kmから1.5km程度のショートサーキットになります。周回数は予選では4周、セミファイナルとファイナルでは6周と短め。お互いゆっくりと様子をうかがう暇もない電撃戦です。

コース上には左右に曲がりくねったコーナーだけでなく、アルファルトで舗装されているサーキット区間とグラベルと呼ばれる未舗装の区間が混在し、不確実性とテクニックの見せ所が用意されています。またジャンプ台があったりと観客の目にも楽しい要素もあります。

一番の特徴はコース上の一部が2つに分かれていて遠回りするルートが存在する点です。この寄り道区間は「ジョーカーラップ」と呼ばれ、各レースの中で必ず1度通過することが義務付けられています。「ジョーカーラップ」通過によるロスタイムはわずか数秒ですが、ルールを守らないと30秒のペナルティを受けることになります。

いったい何周目に「ジョーカーラップ」にトライするのかが、4周もしくは6周の短いレースの中では戦略上大きな意味を持ってきます。前が詰まってるから早めに選択して前方にスペースを作ったり、先に後続との差を広げておいてから余裕を持ってファイナルラップで通過するなど状況によっても選択肢が変わり、勝利のためにはとても重要な鍵となっています。

このような戦いを、毎回2日間にわたって繰り広げます。

 

ラリークロスのマシン

参戦車両は600馬力のモンスターマシン!

レースはSupercarクラス、Super1600クラス、Touring Carクラス、RX Litesクラスと4つのカテゴリに分かれていて、それぞれの規定に合わせて市販車を改造して参加します。

トップカテゴリのSupercarクラスの規定を見ると車重は1.300kg以上、4WDへの改造OKで、エンジンの排気量は2.0Lまで、自然吸気もターボも選べたりと選択肢は他のFIAルールに比べ緩め。でも人気が高まるに従いルールも厳格化される傾向にあります。

できあがったクルマは見た目こそ街中を走っている自動車のシルエットとそう違いませんが、中身は別物。600馬力のエンジンパワーはスタートしてから100メートルをわずか1.9秒で走り抜けるほど。これはF1を上回る加速力です。

タイヤはワンメイク!使い方も勝利への大きなカギに

タイヤ供給はクーパータイヤのワンメイク。各イベント毎に使用できるタイヤの本数は8(加えてウェットタイヤ8まで)と決められています。たったこれだけで予選、セミファイナル、ファイナルと厳しいレースを戦い抜かなければなりません。接触によるダメージも考えると、少しだって無駄にはできません。

しかし皆さんいつも激しいドリフトをキメてくれますけどね。

 

競技進行:トーナメント方式

予選:計4回のタイムアタックバトル

まずは予選を行います。最大5台ずつに分かれて走り、順位ではなくタイムの速さを競います。全員が走り終えると速い順にヒートポイントが与えられます。1位50ポイント、2位45ポイント、3位42ポイント、4位40ポイント、5位以下39、38、37ポイントと割り当てられていきます。

出走順はQ1だけくじ引きで決めますが、Q2以降は前のレースでのタイム順に上位から5台ずつグループ分けされます。グループ内のスタートグリッドはタイム順で、遅いグループから先にレースを開始します。

このレースをQ1からQ4まで4回行った後、ヒートポイントを合計して上位12台がセミファイナルに進出できます。

予選終了後には上位16台にインターミディエイトポイントと呼ばれるポイントが与えられます。1位16ポイント、2位以下15、14、13ポイントと続き、16位には1ポイントとなります。インターミディエイトポイントはチャンピオンシップポイントだと思ってもらえれば良いです。予選の時点で年間チャンピオンになるためのポイントがもらえるのが面白いところでもあります。

セミファイナル:決勝のスタート順位を決める重要なファクター

セミファイナルに進出した12台は、6台ずつ予選の順位を元に奇数(1、3、5、7、9、11位)と偶数(2、4、6、8、10、12位)の2グループに分かれてセミファイナルを争い、各レースの上位3台がファイナルに進出します。

ここからはタイム順ではなくゴールした順番が大事になります。セミファイナル進出者は1位6ポイント、以下5、4、3、2、1ポイントともれなくチャンピオンシップポイントが与えられます。

ファイナル:最速の称号を求めて戦うラストバトル

いよいよ決勝戦。セミファイナルを勝ち抜いた6台が集い、表彰台の真ん中を目指して戦います。ここまで来るとクルマ同士のぶつかり合いも激しくなって、かなり熱いレースになります。

スタートポジションはセミファイナル1位の2台が1列目となり、ここまでのポイント獲得数が多い方がポールポジションを取ります。同じようにセミファイナル2位組が2列目、3位の組が3列目に並びます。

優勝者には8ポインント、2位5ポイント、3位以下4、3、2、1とチャンピオンシップポイントが与えられます。ちょっと少なめな感じがしますね。決勝よりも予選の段階で頑張った方が多くポイントがもらえます。ここまで全てのポイントを獲得すると最大で16+6+8で30ポイントになります。

これバトルを2018年は12戦行い、予選終了後に獲得したインターミディエイトポイントと、セミファイナル及びファイナルで獲得したチャンピオンシップポイントの合計で年間チャンピオンが決定します。

 

参考サイトや文献など

ルールの勉強にはこちらを参考にさせていただきました。ありがとうございました。

 

おわりに

同じところを何十周と回っているのを見ると飽きてしまうような人にはこのレースの方が楽しめると思います。日本でも総集編くらい見れるようになると嬉しいんですが、そのためにはもっとメディアに注目される必要があります。

このブログでは毎回のレースの感想を書いていますので、気になった方は以下のカテゴリーの記事も読んでみてくださいね。

世界ラリークロス選手権(WorldRX)(Hayashi No Oto)

 

画像の出典:FIA World Rallycross Championship

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