【ラリークロス】世界ラリークロス選手権(WorldRX)のルールについて説明します(2017年版)

2017年3月4日

世界ラリー選手権

元世界ラリー選手権(WRC)チャンピオンのペター・ソルベルグ選手が3連覇を目指すも夢破れた2016年は、彼だけの突出を許さない群雄割拠の時代となりました。強さを持つドライバー、キレのある速さを持つドライバー、そして安定し速いドライバーも存在する、個性あふれるキャラクターたちの百花繚乱。

観戦する前に、簡単にルールについても勉強してみましょう。

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世界ラリークロス選手権(WorldRX)とは

世界ラリークロス選手権(WorldRX)とは、国際自動車連盟(FIA)が運営するモータースポーツ競技の1つで、2014年から世界選手権に昇格されフォーミュラ1(F1)や世界ラリー選手権(WRC)などメジャーなモータースポーツと肩を並べるトップカテゴリに位置付けられました。

元々はヨーロッパラリークロスと呼ばれ1976年から欧州を中心に開催されていたのですが、世界選手権となったことでカナダやアルゼンチンでの開催など海を越えた世界規模の興行へと変わりました。アメリカにもレッドブル・グローバル・ラリークロス選手権というのがあり、日本ではあまり知られていませんが競技自体は一定の評価を受けています。

近年では車両メーカーのバックアップが強化され、シンプルなイベント方式と相まってレースもより過激に。最初の100mならF1より速いと言われるモンスターマシン同時のガチンコバトル。

2017年は3月31日よりスペイン・バルセロナ戦を皮切りに、全12戦が予定されています。

2017 EVENT CALENDAR(FIA World Rallycross Championship)

 

WorldRXのルール

参戦車両は600馬力のモンスターマシン

レースはSupercarクラス、Super1600クラス、Touring Carクラス、RX Litesクラスと4つのカテゴリに分かれていて、それぞれの規定に合わせて市販車を改造して参加します。

規定は今の所それほど厳しくなく、トップカテゴリのSupercarクラスを見ると車重は1.300kg以上、4WDへの改造OK、エンジンの排気量は2.0Lまで、自然吸気もターボも選べたりと選択肢は他のFIAルールに比べ緩め。サイズもフォードで例えるとフォーカス、フィエスタが混在しているような幅の広さがあります。

できあがったクルマは見た目こそ街中を走っている自動車のシルエットとそう違いませんが、中身は別物。600馬力のエンジンパワーはスタートしてから100メートルをわずか1.9秒で走り抜けるほどです。

タイヤの使い方も勝利への大きなカギに

各イベント毎に使用できるタイヤの本数は8(加えてウェットタイヤ8まで)と決められています。たったこれだけで予選、セミファイナル、ファイナルと厳しいレースを戦い抜かなければなりません。接触によるダメージも考えると、少しだって無駄にはできません。

しかし皆さんいつも激しいドリフトをキメてくれますけどね。

競技の進行はトーナメント方式

予選:計4回のタイムアタックバトル

まずは予選を行います。最大5台ずつに分かれて走り、順位ではなくタイムの速さを競います。全員が走り終えると速い順にヒートポイントが与えられます。1位50ポイント、2位45ポイント、3位42ポイント、4位40ポイント、5位以下39、38、37ポイントと割り当てられていきます。

出走順はQ1だけくじ引きで決めますが、Q2以降は前のレースでのタイム順に上位から5台ずつグループ分けされます。グループ内のスタートグリッドはタイム順になり、遅いグループから先にレースを開始します。

このレースをQ1からQ4まで4回行った後、ヒートポイントを合計して上位12台がセミファイナルに進出できます。

予選終了後には上位16台にインターミディエイトポイントと呼ばれるポイントが与えられます。1位16ポイント、2位以下15、14、13ポイントと続き、16位には1ポイントとなります。インターミディエイトポイントはチャンピオンシップポイントだと思ってもらえれば良いです。予選の時点で年間チャンピオンになるためのポイントがもらえるのが面白いところでもあります。

セミファイナル:決勝のスタート順位を決める重要なファクター

セミファイナルに進出した12台は、6台ずつ予選の順位を元に奇数(1、3、5、7、9、11位)と偶数(2、4、6、8、10、12位)の2グループに分かれてセミファイナルを争い、各レースの上位3台がファイナルに進出します。

ここからはタイム順ではなくゴールした順番が大事になります。セミファイナル進出者は1位6ポイント、以下5、4、3、2、1ポイントともれなくチャンピオンシップポイントが与えられます。

ファイナル:最速の称号を求めて戦うラストバトル

いよいよ決勝戦。セミファイナルを勝ち抜いた6台が集い、表彰台の真ん中を目指して戦います。ここまで来るとクルマ同士のぶつかり合いも激しくなって、かなり熱いレースになります。

スタートポジションはセミファイナル1位の2台が1列目となり、ここまでのポイント獲得数が多い方がポールポジションを取ります。同じようにセミファイナル2位組が2列目、3位の組が3列目に並びます。

優勝者には8ポインント、2位5ポイント、3位以下4、3、2、1とチャンピオンシップポイントが与えられます。ちょっと少なめな感じがしますね。決勝よりも予選の段階で頑張った方が多くポイントがもらえます。

これバトルを2017年は12戦行い、予選終了後に獲得したインターミディエイトポイントと、セミファイナル及びファイナルで獲得したチャンピオンシップポイントの合計で年間チャンピオンが決定します。

レースは短くてシンプルだけど特別な仕掛けが

次はレースのルールについて説明します。

競技で使用するコースは、約1kmから1.5km程度のショートサーキットになります。周回数は予選では4周、セミファイナルとファイナルでは6周と短め。お互いゆっくりと様子をうかがう暇もない電撃戦です。

コース上には左右に曲がりくねったコーナーだけでなく、アルファルトで舗装されているサーキット区間とグラベルと呼ばれる未舗装の区間が混在し、不確実性とテクニックの見せ所が用意されています。またジャンプ台があったりと観客の目にも楽しい要素もあります。

一番の特徴はコース上の一部が2つに分かれていて遠回りするルートが存在する点です。この寄り道区間は「ジョーカーラップ」と呼ばれ、各レースの中で必ず1度通過することが義務付けられています。「ジョーカーラップ」通過によるロスタイムはわずか数秒ですが、ルールを守らないと30秒のペナルティを受けることになります。

いったい何周目に「ジョーカーラップ」にトライするのかが、4周もしくは6周の短いレースの中では戦略上大きな意味を持ってきます。前が詰まってるから早めに選択して前方にスペースを作ったり、先に後続との差を広げておいてから余裕を持ってファイナルラップで通過するなど状況によっても選択肢が変わり、勝利のためにはとても重要な鍵となっています。

こんな感じの戦いを、毎回2日間にわたって繰り広げるのが世界ラリークロス選手権(WorldRX)です。

参考サイトや文献など

ルールの勉強にはこちらを参考にさせていただきました。ありがとうございました。

 

おわりに

同じところを何十周と回っているのを見ると飽きてしまうような人にはこのレースの方が楽しめると思います。日本でも総集編くらい見れるようになると嬉しいんですが、そのためにはもっとメディアに注目される必要がありますね。

このブログでは毎回のレースの感想を書いていますので、気になった方は以下のカテゴリーの記事も読んでみてくださいね。

世界ラリークロス選手権(WorldRX)(Hayashi No Oto)

まだまだマイナーな競技ではありますが、これからも応援していこうと思います。

紹介動画

【動画】世界ラリークロス選手権2016 総集編

【動画】ケビン・エリクソン選手のミラクルオーバーテイク

画像の出典:FIA World Rallycross Championship

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