ヨーロッパへ向かう難民は今年中に100万人を超えそうな勢い

2015年12月17日

f_f_object_8_s128_f_object_8_2bg
早いもので今年も残りわずかとなりました。夏頃から日本でも大きく報道されるようになったヨーロッパの難民問題でしたが、最近はあまりテレビで触れられることも少なくなってしまいました。しかし寒い季節を迎え大変なのはむしろこれから。現状をもう一度確認してみます。

スポンサーリンク

今年ヨーロッパに渡る難民は約100万人

UNHCRさんの統計をみると12/17現在で95万人を超えており、今年だけで100万人を突破してしまうような勢いです。95万人というと日本では宮城県仙台市、福岡県北九州市や千葉県千葉市あたりの人口と同じくらいなので、1年間で都市1つ分の人たちが住む場所を追われ、ヨーロッパに向かったことになります。

Refugees/Migrants Emergency Response – Mediterranean(UNHCR国連難民高等弁務官事務所さん)

10月をピークに移動する人は減少していますが、これは寒い時期の移動が困難であるのが原因ではないかと思われます。他にもヨーロッパがあまり歓迎ムードではないという情報が伝わり始めているのかもしれません。

 

ヨーロッパ側の受け入れ状況も限界

今度は、多くの難民を受け入れると宣言したヨーロッパ側の状況を確認してみましょう。こちらは9月までの難民申請者件数です。6月から急激に増加し始めた件数が、その勢いを弱めることなく一直線に上昇しています。10月以降の件数によって、ヨーロッパの難民対策の実情が見えてきそうです。

Asylum quarterly report (eurostatさん)

メルケル首相の難民受け入れ宣言は9月でしたが、その時点ではこれだけの急速な増加傾向は把握できていなかったのかもしれません。

一番受け入れに積極的だったドイツでさえ最近では受け入れる難民の人数を減らすと方針転換をしました。受け入れを増やしたことに伴って増加した手続きや施設準備の対応が遅れたことが非難され、メルケル首相が求心力を失っていることから次の選挙対策という意味もありますが、他の国よりも想定が甘かったという感じを受けます。

独首相、難民「大きく減らす」…批判に妥協か(読売新聞さん)

Angela Merkel wants to ‘drastically reduce’ refugee arrivals in Germany(the guardianさん)
(読売新聞さんの元記事っぽい)

 

混迷するシリア紛争で帰る場所もなくなってしまうかも

11月にはトルコがロシア軍機を撃墜したことで、取り巻く環境がますます混乱していくシリア情勢。難民増加の根本的な原因はここにあるんですが、解決の糸口は全く見えてきません。

今になってアメリカが本気だして来たような報道がありましたが、実はISIS(イスラム国)の後ろ盾ではないのかと疑われるほど弱気な姿勢が続いてきました。その隙をついてロシアが本格的に介入してきましたが、この国が支援しているのはアサド独裁政権の方なので、仮にロシアのおかげで紛争が落ち着いたとしても難民たちは故郷に帰れないままになってしまいます。

「次はお前だ」 オバマ米大統領が対IS戦略で演説(BBCニュースさん)

 

おわりに

冬になり、命がけで国境を越える人数は減るかもしれませんが、他に逃げる場所がないために国内で生きる脅威に昼夜を問わず晒される人たちが増えるのも事実。今後の動向も気をつけてフォローしていこうと思います。

スポンサーリンク