【WRC2017】世界ラリー選手権の競技ルールについて簡単に説明します(その2)

2015年12月14日

wrc

トヨタが参戦し、ようやく地上波でも放送されるようになった世界ラリー選手権(WRC)ですが、まだ情報が少なく複雑そうなルールについて知る機会が多くありません。でも少し深く知りたくなって調べてみました。

ここではレースの流れを説明していきます。競技とルールについては以下の記事をご覧ください。

【WRC2017】世界ラリー選手権の競技ルールについて簡単に説明します(その1)

スポンサーリンク

ラリー競技の流れ

ここからは、WRCの競技を実際に行われる順番で説明していきます。競技は3日間または4日間にわたって開催されます。初日、2日目、3日目、最終日という場合や、DAY1、DAY2などと呼ばることもあります。

レース前にはレッキ走行でコースを確認

まずはレースが始まる前に「レッキ」と呼ばれるコースの下見が行われます。ラリーでは同じコースをグルグル回らないので暗記するのはほぼ不可能です。サーキットのように綺麗に掃除されていませんし気候や天候によってもコンディションが変わるので、こうやって実際に走る道を自分の目で確かめるのがとっても大事な作業なんです。

ここでコ・ドライバーが「ペースノート」と呼ばれるコースのナビゲーションガイドを作成します。ここを真っ直ぐ500m走ったらすぐに急な右コーナーで、そこを抜けたら今度は左コーナー!みたいな感じに、ドライバーができるだけ無駄なく走れるように各自工夫を凝らしたメモを一生懸命紙書きます。シンプルな指示を好む人もいれば、右側寄りで走るけど寄りすぎると大きな岩があるから注意ね!みたいな細い指示まで書かれる場合もあります。

ちなみにここではまだラリーカーの出番はなく、借り物のクルマでのドライブになります。

さぁ、スタートです!

開催初日を迎え、いよいよレースの開始です。ここから各マシンが出走順にスタートします。順番は初日がチャンピオンシップランキング順、以降は前日の順位を反対にした順(リバースオーダー)になります。リタイヤして再スタートになったクルマはその後に続きます。たまにテレビ中継の関係か、前に走るときもありますけど。

この順番はタイムアタックの時に重要になります。先頭走者は路面のお掃除役になってしまい、大きなハンデになってしまうことが多いです。

移動区間も競技の一部です

スタートと言ってもいきなりアクセル全開で走ったりしません。まずは「タイムコントロール(TC)」と呼ばれる場所に寄って紙を受け取り、タイムアタック区間の手前に設置されている次の「タイムコントロール」を目指します。このように移動区間もレースの一部になっていて、この区間を「リエゾン」と呼びます。

目的地までの到着時間も決められており、公道なので交通ルール遵守で走って無理なく目的地までたどり着けるようになっています。でも途中で警察に捕まったりパンクなどで時間までに間に合わなかったりすると困るのであまりのんびりしてはいられません。

WRCでは指定時刻より1分遅れる毎に10秒のペナルティが加算されてしまいます。ちなみに早すぎても1分毎に1分のペナルティになります。まぁ手前で待つことができるのでうっかりしてない限りそんなことは起きないでしょうが、飛ばし過ぎを防ぐためのルールのようですね。過去にはこんなお茶目なことをやらかした人も いますが・・・。

ぺター・ソルベルグ、免停の顛末を語る

おまちかねのタイムアタック!

無事目的地の「タイムコントロール」にたどり着くと、ようやくここから勝負になります。タイムアタック区間は「スペシャルステージ(SS)」と呼ばれ、レース用に閉鎖されているのでスピード違反で捕まったり対向車を心配する必要はありません。市街地や山道、雪道やワイン畑間にある細い小道など様々なコンディションの中、0.1秒でもライバルより速く走るためドライバーたちが全神経を運転に集中させます。

ドライバーのスキルと同じく重要になるのは、コ・ドライバーが状況を確認しながらコースの先を読み上げる「ペースノート」です。たとえ曲がり角の先が全然見えなかったとしても、ドライバーはコ・ドライバーの言葉を信じて飛び込んでいきます。2人の信頼関係もとっても大事になります。

いつも思うのですが、ガッタンガッタン揺れる車内でコース上のどこを走っているか常に判断しつつペースノートに目を通して読み上げるなんて、一体どうしたらそんなことができるんでしょうか?

コ・ドライバーのお仕事は実際に見てもらった方がわかりやすいです。こちらは全日本ラリーの動画ですが、日本を代表する女性コ・ドライバー足立さやか選手の「やだ、痛いっ!・・・早くっ!」という声がかわい過ぎると人気になっていました。

次の目的地に向かって移動します

フィニッシュラインを駆け抜けスペシャルステージでのタイム計測が終わると、その先に設置されている「タイムコントロール)」に向かいます。ここでまた次の「スペシャルステージ」前にある「タイムコントロール」への場所と時間が指示され「リエゾン」区間を走って向かいます。イベントの中で複数のステージある場合はこの繰り返しとなります。

サービスパークでひと休み

レースは通常朝から開始されます。ずっと走りっぱなしだと競技者も疲れますしクルマへの負担も積み重なっていきますので、お昼頃になると「サービスパーク」で一休みすることになります。ここではドライバーの休憩はもちろん、30分間という限られた時間ではありますが、専門のメカニックによるクルマの整備作業が許されています。激しいクルマの損傷や、午前中走ってみて気に入らなかったマシンセッティングの見直しなどを行えるチャンスになります。

イベントによってはお昼のサービスがない場合もあり、そうなった場合は朝から晩までクルマを壊さないように慎重に走ることになります。

そして午後も戦いは続き、1日が終わります。

午後も同じように「リエゾン」と「スペシャルステージ」の走行を繰り返します。その日のラストアタックが終わると、最後は「サービスパーク」という場所に向かいます。ここで次の日に向けて45分間の整備時間が与えられます。これが終わると1日の最後に「パルクフェルメ」と呼ばれる保管所にクルマを入れ、次の日まで誰も触れないようにします。

これで長い1日がようやく終わります。

戦いが終わっても気が抜けません

こうして走り続けて、いよいよ最終日。ここは特別な「スペシャルステージ」となっていて「パワーステージ」と呼ばれます。総合順位に関係なく、このステージで1位になれば5ポイント、2位4ポイント、以下3、2、1ポイントと、5位以内に入れば最大で一気に5ポイントを手にすることができる貴重なボーナスステージです。

たとえば前日にリタイヤしてしまっても、最終日に再スタートして「パワーステージ」まで辿り着ければ、優勝はできないけれどポイントをゲットする可能性が残されています。上位のドライバーたちは更に多くのポイントを得るために、そうでないドライバーたちはせめて1ポイントくらいは手に入れたい!という思いで走るので、今まで以上に熱い走りが見られるステージでもあります。

しかしラリーの場合はフィニッシュラインを超えたからといってお終いにはなりません。そこからまた「パルクフェルメ」にクルマを戻し、使用していた車に不正がないか検査を受けなくてはならないのです。なので「パワーステージ」で無理をしてトップタイムだったとしても「パルクフェルメ」までちゃんと走れなければレースを完走したことにはならないのです。

 

おわりに

細かいルールはいろいろあるのですが、スタートからゴールまでの間に移動区間が含まれているのが他のレースと大きく異なる点ですね。ラリー競技を開催している周辺では、有名なドライバーが普通に道路を走っている姿を見かけることができるなど、とっても親近感を持てるモータースポーツなのではないかと思います。

いつか実際に見に行けることを目指して、それまでにもっと知識を身につけておきたいです。

各レースごとのWRCの感想はこちらで書いていますので、ご興味ある方はぜひ一緒に応援よろしくお願いします。

スポンサーリンク