WRC(世界ラリー選手権)2015 第12戦 ラリー・デ・エスパーニャ ラリー・スペインの感想と結果です

2015年10月24日

f_f_traffic_14_s128_f_traffic_14_2bg
今週からWRC 2015 第12戦ラリー スペイン ラリー・デ・エスパーニャが始まります。 開催拠点はスペイン北東のカタルーニャ地方、バルセロナの南にあるリゾート地、サロウ。ここはWRCカレンダーの中で唯一、グラベル(舗装されてない路面)とアスファルト(舗装されている路面)、2種類の異なる性質の道を走るイベントになっています。

注目は残り全部勝つ!と宣言して見事前戦フランスで勝利したフォルクスワーゲンのヤリマティ・ラトバラ選手が今回も優勝できるか、というところ。優勝決定後で気が抜けてしまったのか、地元フランスで良い結果を出せなかったチームメイトのセバスチャン・オジェ選手の巻き返しも見ものです。若手では、最近ヒュンダイと2018年までの長期契約を発表したハイデン・パドン選手がここでも勢いを見せてくれるのか期待したいところです。

ロバート・クビサ選手は今季の成績が不満なようで、来季は参戦どうしようかな〜なんて言い始めたので、ここで良い成績を出して機嫌を良くしてもらいたいです。

チャンピオンシップ争いが終了してしまいチーム移籍の噂話が聞こえてくるなど、なんとなく盛り上がってない感じですが、ここスペインそして最終戦イギリスと面白いコースを走るので最後まで応援し続けたいと思います。

スポンサーリンク

DAY1

DAY1は1ステージのみの3.2km。場所はバルセロナ、モンジュイックの丘にある市街地コースを走ります。かつてF1グランプリもこの地で開催されていたとか。

ここではトップドライバー達に大きなトラブルもなく、無難にフォルクスワーゲンのセバスチャン・オジェ選手が首位に立ちました。2位には最近調子が良くないヒュンダイのティエリー・ヌービル選手。ここはチームのエースドライバーとして、ハイデン・パドン選手よりも速いところをアピールしてもらいたいです。オジェ選手のチームメイト、アンドレアス・ミケルセン選手、シトロエンのクリス・ミーク選手、フォードのロバート・クビサ選手と続きます。

優勝宣言のラトバラ選手は出だしで遅れ気味の7位。まだ5.2秒差だから大丈夫かな?シトロエンのダニ・ソルド選手はスペイン出身なので、地元パワーを受けて頑張って欲しいです。現在トップから6.4秒差の9位につけています。

 

DAY2

DAY2は8ステージ、128.6kmの長い1日。路面は舗装されてたりされてなかったりと、どちらの状態にも対応しなければならない難しいコースが続きます。

フォルクスワーゲンのセバスチャン・オジェ選手を先頭に各車とも順調にスタートしましたが、序盤でトップに躍り出たフォードのロバート・クビサ選手が不吉な言葉を口にします。

「遅めのコーナーに入った時に前輪に何か違和感があったんだ。急いでチェックしないとね」

 

この時点では大したことはありませんでしたが、これが次々とトラブルが始まる前触れとなりました。

次のステージで、まずはフォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセン選手がブレーキ不調を訴えタイムロス。続いて2位を走行中だったシトロエンのマッズ・オストベルグ選手が右後輪がパンクさせこちらもトップ争いから少し離されます。下のコメントはオストベルグ選手です。

「何もしてないよ!せっかく調子良かったのにパンクしてることに気づいたんだ。そのまま13kmも走っちゃったよ」

 

今度はティエリー・ヌービル選手にもアクシデントが。前戦でも開始早々リタイヤしたり、最近は絶不調です。

「マシンは2度もエンストするし超遅いし。クルマが壊れてるような気がするんだけどね。もう最悪だよ」

 

その後も立て続けに、クビサ選手がレース中にパンクによるタイヤ交換のためストップ。シトロエンのステファン・ルフェーブル選手も何やら問題を抱えタイムをロスしてしまうという魔のステージになってしまいました。

そんな中勢いがあったのは2戦連続優勝を目指すフォルクスワーゲンのヤリマティ・ラトバラ選手。SS6でトップに立ち快走を続けます。オジェ選手は今回も先頭走者で路面のお掃除役となってしまい、タイムをなかなか伸ばせませんでしたが、最終ステージで粘りを見せなんとかこの日も首位の座を守りました。ラトバラ選手は最後に抜かれ4秒差の2位。DAY3でも活躍してくれそうです。

3位にはフォードのオット・タナク選手。4位にはシトロエンのダニ・ソルド選手がつけました。この2人まで今の所トラブルもなく走り続けています。その後ろにトラブルで遅れをとったシトロエンのマッズ・オストベルグ選手、フォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセン選手が続きます。終盤でクルマから変な音がすると漏らしていたハイデン・パドン選手は7位、この日の序盤では3位まで順位を上げましたのに残念です。

 

DAY3

DAY3は8ステージ、123.05kmと今日も長丁場の1日。イベント初日から好天が続きますが、朝の気温が10度台前半と低く、スタート直後からタイヤが温まらずに滑りやすいとフォードのロバート・クビサ選手が漏らしていました。前日快走を見せてくれたフォルクスワーゲンのヤリマティ・ラトバラ選手もブレーキが不調とのことで、まだまだ波乱が続く予感。

この日のレースは序盤からトラブルが続きます。最初のステージでパドン選手がパンク、次のステージではフォードのオット・タナク選手がスピード出し過ぎでコーナーを曲がれずクラッシュしてリタイヤ。嫌な予感が・・・と思っていた矢先、ついにラトバラ選手もパンク。53秒のタイムロスとなり優勝は厳しくなってしまいました。どうやらこのレース、タイヤとブレーキに相当厳しいようです。

その後もフォードのエルフィン・エヴァンス選手がコースをはみ出してリタイヤとなったり、クビサ選手もブレーキトラブルを訴えるなどサバイバル模様に。

この日トラブルもなく終えたフォルクスワーゲンのセバスチャン・オジェ選手は後続に約1分のタイム差をつけ逃げ切りモードに入ります。しかし、2位にはなぜかラトバラ選手が復活。不屈の闘志で食らいつきます。3位と4位には苦しみながらも大きなトラブルなく走りきった、同じくフォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセン選手、そして地元のヒーロー、ヒュンダイのダニ・ソルド選手が付けています。2位から4位までは約7秒差、1位はほぼ確定ですが、2位争いが激しくなりそうです。その後ろにはクリス・ミーク選手、マッズ・オストベルグ選手のシトロエン勢が迫ってきました。

7位と8位はヒュンダイのティエリー・ヌービル選手とハイデン・パドン選手が同タイムで並びます。エースのルービル選手が抑えるか、勢いのあるパドン選手が追い抜くか。こちらも楽しみな戦いになりそうです。

 

DAY4

DAY4は6ステージ、残り76.4kmの行程です。フォルクスワーゲンのセバスチャン・オジェ選手は前日までに2位のチームメイト・ヤリマティ・ラトバラ選手に対して54秒の差をつけており楽勝ムード。しかし3位と4位につけた同じくチームメイトのアンドレアス・ミケルセン選手、地元でいいところを見せたいヒュンダイのダニ・ソルド選手が2位まで僅差とまだ結果が想像できません。

序盤3ステージはラトバラ選手とミケルセン選手の一騎打ちとなりました。タイムもほぼ互角で最後まで続きそうだったんですが、ラトバラ選手が4ステージ目で痛恨のパンク。なんとか走りきったものの、これによってミケルセン選手が有利になりました。

「全然パンクしたような衝撃は受けなかったんだ。多分小さな石か何かで切れたんだろうね。タイム差が開いちゃったし、これはもう追いかけるの無理かなぁ」

しかし今度はミケルセン選手が焦ってしまったのか次のステージで直後にスピン。最終ステージを前に、その差は1.4秒と再び接戦になります。

「スタート直後にスピンしてしまったんだ。その後はとにかくプッシュしたよ。どうやら、もう一度2位争いのゲームが始まるようだね」

ついに訪れた最終ステージ。先に走るのはラトバラ選手。走り終えた直後のインタビューでは手応えを感じていました。

「もう精一杯頑張ったよ。もしミケルセンがこれ以上のタイムを出せたとしたら本当に尊敬するね。今のセットアップ、そしてタイヤを2本積んだ状態でもっと速く走るのは無理だったよ」

そして次の走者、ミケルセン選手が2位の座を手にいれるために飛ばします。どんな状況でも落ち着いてコンスタントに走る彼が必死でゴールを目指します。そしてタイムは・・・。

ミケルセン選手がトップタイムを叩き出し、見事ラトバラ選手を抑えました!

あとは最終走者のオジェ選手が悠々とゴールするのを待つのみ。しかしそこに訪れたのは、ゴール手前約4kmの地点でオジェ選手がコースアウトしたらしいという知らせ。どうやらクラッシュして走れなくなった模様。ミケルセン選手、思いもよらぬ形でWRC初優勝を手にしました。

「もうなんて言っていいのかわからないよ!もちろんこんな形での優勝は望んでいなかったけど・・・。夢の中にいるようだね。とにかく砂利道で苦しんだけど舗装路を鬼のように攻めたのが結果につながって良かった。まだフィニッシュラインまではクルマを運転していかなきゃならないんだけど、途中で泣いちゃいそうだよ!」

表彰台の常連でありながらもなかなか頂点には立てなかったミケルセン選手。これまで堅実に積み上げてきた経験がようやく実を結びました。2位にはラトバラ選手、は地元で嬉しい今季初の表彰台となったダニ・ソルド選手が3位となりました。

4位と5位にはシトロエンのマッズ・オストベルグ選手、クリス・ミーク選手が入り、6位にヒュンダイ期待の星、ハイデン・パドン選手が入賞しました。タイムこそトップから1分以上も差をつけられてしまいましたが、トラブルや過酷なコンディションに苦しみながらも最後まで耐え抜いたメンバーが揃いました。

今回の最終結果はこちらです。

年間チャンピオンは決定してしまいましたが、2位争いは最終戦までもつれ込むことになりました。オジェ選手は年間総合優勝を決めてから2戦連続のノーポイントとちょっと気が抜けてしまったんでしょうか。残り1戦、ここでは元気な姿を見せてもらいたいです。

WRC最終戦、ウェールズ・ラリーGB ラリーイギリスは11月12日より開催です。

 

ビデオクリップ集

予習

プレビュークリップ

 

ラリー・スペイン ヒストリー

 

 

DAY1〜DAY2

ステージ1〜5ダイジェスト

 

ステージ6〜9ダイジェスト

 

DAY3

ステージ10〜13ダイジェスト

 

ステージ14〜17ダイジェスト

 

DAY4

ステージ18〜20ダイジェスト

 

最終ステージダイジェスト

 

おさらい

ラリー・スペイン レビュー

 

ダニ・ソルド選手のオンボード映像(ステージ1)

 

ヤリマティ・ラトバラ選手のオンボード映像(ステージ17)

 

おまけ

あれ、ミケルソン選手の様子が・・・

スポンサーリンク