WRC(世界ラリー選手権)2015 第11戦 ツール・ド・コルス ラリー・フランスの感想と結果です

2015年10月2日

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10/2(金)から、 いよいよWRC(世界ラリー選手権)第11戦 ツール・ド・コルス ラリー・フランスが開催されます。場所はフランス本土の南東にある、広島県と同じくらいの大きさのコルシカ島。コースはアスファルトですが、島のほとんどが山岳地帯のためドライバー達が口を揃えて「グネグネやん!」と言うくらい難解なコースが特徴です。さすが「ラリー・オブ・10,000コーナー」と呼ばれるだけのことはあります。

前回WRCイベントが開催されたのは2008年なので誰にとっても初めてか超久しぶりになりますが、その中でも注目なのはヒュンダイのティエリー・ヌービル選手とダニ・ソルド選手。二人ともIRC(インターコンチネンタル・ラリーチャレンジというWRCとは別の選手権)で2011年、2012年と優勝しているという経歴を持っていて、他のドライバーに比べて経験と自信を持っています。

いいお知らせは、レース直前のアクシデントで骨折、欠場となってしまったシトロエンのマッズ・オストベルグ選手が復帰しました。

「事故を起こしてから10日間はできるだけ安静にしていなきゃならなくて、やっと少しづつ動いたりリハビリができるようになったんだ。まだケガした場所は動かし辛くて、なんだか年老いたような気持ちになるね!」

まだ万全ではないようですが、頑張って欲しいと思います。

 

レース前のシェイクダウンでは強い雨が降りコンディションは最悪。グネグネでビショビショの慣れないコースとあって、何か起こりそうな気配が漂っています。

心配なのはディーゼル排ガス規制の不正問題に触れるフォルクスワーゲンですが、チーム監督からラリーチームは今の所影響がないと発言がありました。ひとまずは忘れてレースに集中してもらいたいですね。

 

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DAY1

DAY1は3ステージ、コルシカ島を西から東に横断する109.24kmの道のりです。

前日に降った大雨の影響でコース場はドロドロ。最悪のコンディションの中、最初のステージで飛び出したのはフォルクスワーゲンのエース、セバスチャン・オジェ選手と、元F1ドライバーでフォードのマシンを駆るロバード・クビサ選手でした。二人が同タイムで並び、後方には5.8秒差でオジェ選手のチームメイト、ヤリマティ・ラトバラ選手が付けました。ラトバラ選手は前戦オーストラリアでオジェ選手の年間チャンピオンを阻止できなかったのが相当悔しかったらしく、ここフランスを含め残り3つ優勝目指す!とメディアの前で宣言してしまったので離されるわけには行きません。

そして早速犠牲になってしまったのはヒュンダイのティエリー・ヌービル選手でした。スタートから僅か1.2kmの地点で橋の欄干にガッツリ右後輪をヒットしてリタイヤとなり優勝争いから脱落。せっかくの経験を活かせず残念です。

 

続いてのステージは大雨のため道路が一部冠水するなどしてキャンセルに。初日は2ステージのみとなりました。

 

天候は回復して太陽もを出すほどになるものの、濡れた路面は部分的に乾き始め、更に難しいコンディションになりました。首位を走るオジェ選手が、珍しくパンクによりタイヤ交換で90秒ほど時間をロスし(ドライバーと助手席のコ・ドライバーの二人しかいないのに90秒で交換ってのもすごいですが)、ロバード・クビサ選手も調子を崩してあっという間に二人ともトップから転落。なぜか首位に立ったのはフォードのエルフィン・エヴァンス選手でした。

「ビックリだよ!正直あんまりうまく走れた気はしないんだけど。とにかくコースの状況を正確に確認してくれたクルーたちにありがとうって言いたいね!」

と本人も驚いている様子。経験のあるドライバーが慎重に走る中、怖いもの知らずの若手ドライバーには絶好のチャンスだったかもしれません。2位もヒュンダイから時々出走する期待の若手ケビン・アブリング選手。3位にはかろうじてベテランのラトバラ選手が入りました。

4位はケガからの復活を果たしたシトロエンのマッズ・オストベルグ選手。フォードのクビサ選手は5位まで落ちてしまいました。6位は地元の利を活かし、スバルチームで活躍したこともあるステファン・サラザン選手。スポット参戦ですがいきなりのこの成績。またオファー来ちゃうかもしれませんね。

 

DAY2

DAY2も3ステージ、島の北東部を中心にした128.58kmの工程です。しかし、この日最初のステージは前日キャンセルとなったコースを走るため、この日も同じく中止になり2ステージのみとなりました。

前日のレース終了後、クルマを保管する場所に戻る途中にフォルクスワーゲンのセバスティアン・オジェ選手がギアボックのトラブルで停止し、そのままリタイヤとなりました。このDAY2では10分のペナルティを受けて再出走となり優勝争いは絶望的な状況に。でも年間チャンピオン争いの最終にはこんな事が起こらず、終わってから起こるところが彼らしいというかツイているというか。ラリー競技ではステージ間の移動も全て自分のクルマを使用しなければならないため、このようなアクシデントも起こるんですね。

 

この日の天候は晴れ。路面も乾き始めていますが、まだまだ場所によっては泥で覆われていたりとドライバーたちを苦しめます。しかしコンディションが落ち着いてくると優勝候補の面々が顔を覗かせます。最終ステージではフォルクスワーゲンのヤリマティ・ラトバラ選手がついに朝の時点で22秒あったタイム差をひっくり返して首位を奪還に成功。

「スタート直後の路面は乾いていたけど木々の下はまだ湿っていたし、タイヤが温まっていないのか(タイヤは冷えていると滑りやすいんです)、砂利が溜まってただ滑りやすい路面なのか全然わからなかったよ。そのせいで自分のタイムが良いのか悪いのかもわからなくなっちゃたよ。どうやらいい感じみたいだけどね」

2位となったフォードのエルフィン・エヴァンス選手も残念ですがレースの内容には満足している様子。しかしまだまだ諦めてはいません。3位にはアンドレアス・ミケルセン選手が入り、フォルクスワーゲンの1-2フィニッシュを狙います。4位はシトロエンのクリス・ミーク選手。最近では打倒フォルクスワーゲンの最有力選手になってきました。

前日2位まで一気に駆け上がったヒュンダイのケビン・アブリング選手は5位でまだ踏みとどまっていまが、すぐ後ろにはシトロエンのマッズ・オストベルグ選手、そしてチームメイトのハイデン・パドン選手が近づいてきています。どこまで踏みとどまれるんでしょうか。

 

DAY3

最終日の DAY3は3ステージ、島の南側に移動しての94.91kmの道のりはキャンセルもなくフルステージを使ってのイベントとなりました。

前日に首位奪取に成功したフォルクスワーゲンのヤリマティ・ラトバラ選手がこの日も快走を見せ、後続に全く隙を与えずフィニッシュ。今季3勝目を手にし、1986年にここでの事故で亡くなった同郷のラリードライバー、ヘンリ・トイヴォネンさんに捧げる勝利にもなりました。

「今日は無理しないようにしてたんだ。でも難しいコンディションの中でミスなく走ることができたよ。去年に続いてのフランスでの勝利だし、これまでアスファルトのラリーは苦手なかなか勝てなかったけれど、今ではどんな路面でも問題ないって証明できたのは僕にとって重要なことだよ!」

 

ラトバラ選手に離されてしまったフォードのエルフィン・エヴァンス選手は、今度は後ろから迫るフォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセン選手のプレッシャーを受けますが、僅か3.2秒差で逃げ切り2位の座を守りきりました。表彰台は今季2度目、優勝には届かなかったものの自己ベストの2位という結果には満足しているようです。

「ウェールズのスポーツファンにとっては目まぐるしい1週間になったんじゃないかな。ラグビーチームや僕の今回の活躍を見たりね!この結果は素晴らしいと思うし、僕らの誇りを胸に抱いて帰るのが楽しみだよ」

 

3位のミケルセン選手の後ろにはクリス・ミーク選手、ハイデン・パドン選手、マッズ・オストベルグ選手、ダニ・ソルド選手とシトロエン、ヒュンダイが交互に続き、8、9位には地元フランスのブライアン・ブフィエ選手とステファン・サラザン選手がスポット参戦ながら見事に入賞しました。ソルド選手はこのコースの経験者でもあり期待されていましたが波に乗れず、コース上では牛を轢きそうになるなど良い結果を出せませんでした。

初日には2位というサプライズがあったヒュンダイのケビン・アブリング選手はこの日コース脇の斜面に落ちてリタイヤという残念な結果になってしまいました。最終日にリタイヤすると復活もできないので全てが台無しになってしまいます。でも高いポテンシャルを見せてくれたので今後も期待されることになるでしょう。

 

この日一番面白かったのは最終ステージのロバート・クビサ選手。ここでなぜか本気を出してこのステージで2番手のタイムを叩き出しました。続けざまにパンクするなど道中で苦労し総合では22位と低迷しましたが、さすが元F1ドライバー、速いときは異常に速いです。

今回の最終結果はこちらです。

 

WRC 第12戦となるラリー・スペインは10月22日から開催です。

 

ビデオクリップ集

WRC 2015 第11戦 ツール・ド・コルス ラリー・フランス プレビュー

 

WRC 2015 第11戦 ツール・ド・コルス ラリー・フランス SS1-2

 

WRC 2015 第11戦 ツール・ド・コルス ラリー・フランス SS3

 

WRC 2015 第11戦 ツール・ド・コルス ラリー・フランス SS5

 

WRC 2015 第11戦 ツール・ド・コルス ラリー・フランス SS6

 

WRC 2015 第11戦 ツール・ド・コルス ラリー・フランス SS7-8

 

WRC 2015 第11戦 ツール・ド・コルス ラリー・フランス SS9

 

WRC 2015 第11戦 ツール・ド・コルス ラリー・フランス レビュー

 

WRC 2015 第11戦 ツール・ド・コルス ラリー・フランス ヘリ&アクション クリップ

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