幼馴染みとのもどかしい恋愛【あと1センチの恋】感想です(ネタバレあり)

2015年9月24日

あと1センチの恋

「あと1センチの恋」を鑑賞しました。

ここ数年でロマンティック・コメディーのようなジャンルも楽しめるようになって観たいと思っていたのですが、新宿武蔵野館で上映されていた時の評価が高くて(立ち見が出るほどだったとか)敬遠してしまい、そのまま忘れていました。

でも思い出せて良かった。もしかしたら個人的に2015年ベストの映画になるかも。以下ネタバレを含む感想です。

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愛してるなんて言わない、言えない

主人公のロージーと幼なじみのアレックス。どんなことだって相談できる仲なのに、一番大事な気持ちだけが伝えられない。何度かキスする寸前までいくも、そこから先に踏み出せません。多分心から信じられる親友だからこそ、今までの関係を壊したくないって思いの方が強くて、心にブレーキをかけてしまうんじゃないでしょうか。同じような歯がゆい経験をしたことがある方も多いと思います。

そんな2人の恋がタイトル通り「あと1センチの恋」なんですよね。この邦題もうまいなぁと思います。その昔ジュディアンドマリーは「カメレオンルミィ」という曲でキスまで5ミリと歌っていましたが、それには及ばないものの本当にあと少しの距離から踏み出せない2人を絶妙に表現しています。

原題は「LOVE, ROSIE」なんですが、これは最後に現れる言葉にならないメッセージ。物語の転機にアレックスが書いた手紙には「LOVE, ALEX」とサインがあって、ちゃんと伏線があるという芸の細かさ。2人とも口にはしませんが、心は最後にまっすぐ繋がるのです。

 

すれ違いすぎる二人

好きなのに、その言葉を口にできないロージー。薬局で彼女に妊娠検査を勧めたのがきっかけで親友になったルビーいわく「どんな嫌なことがあってもアンタよりマシだわ」ってくらいタイミングが悪い人です。ざっと考えただけでこれだけのすれ違いを思い出せました。

  • アレックスから同じクラスのベサミーと仲良くなる方法を聞かれて適当に答えたのにうまくいっちゃう
  • しょうがないのでグレッグという見た目だけイケメンに誘われてみたら妊娠しちゃう
  • アレックスと一緒にボストンに行こうとしたら子供ができちゃって行けない
  • アレックスから誘われて、父親になってくれるのかしらなんて期待してたら婚約者がいる
  • アレックスが破局したタイミングで、なぜか寄りを戻そうと近づいてきたグレッグと結婚してしまう
  • グレッグのクズっぷりを見てアレックスが自分の本心を書いた手紙は、グレッグが隠してロージーには届かず
  • 返事が来なくてガッカリしてるアレックスに、うっかり元クラスメイトのベサミーを紹介してしまう
  • クズ男グレッグと別れる時にアレックスからの手紙を発見して、急いで連絡するとベサミーと婚約しちゃってる
  • 2人の結婚式前に乗り込んで略奪婚を企てるも、飛行機が遅れて間に合わない
  • アレックスとベサミーの結婚スピーチで、ようやく自分の本当の気持ちが言葉になるも時すでに遅し
  • パーティ会場でアレックスもずっと同じ気持ちだったんだと知るも時すでに遅し

とにかくすれ違い続ける2人の12年間。このもどかしさがなんとも愛しくなります。

 

最後はみんなの力を借りて

ロージーはロクでもない人生を歩んできたように思えますが、実は素敵な人たちに囲まれていました。いつも背中を押してくれた父親は他界した後も彼女を支え、残してくれた遺産で念願のホテルを手に入れました。18歳の頃からずっと一緒にいてくれた親友のルビーがいました。彼女とアレックスのすれ違ってきた気持ちを最後に結びつけてくれたのは、娘のケイティでした。

そして元クラスメイトのベサミー。アレックスとの結婚式で、ロージーがずっと胸に抱えてきた彼への愛情を知ってものすごく申し訳なさそうな顔をしていましたが、その後了解の上でアレックスと別れてくれました。

ようやく結ばれた2人。ロージーは酔って覚えていませんでしたが、12年前のパーティでアレックスは実は彼女にキスをしたのです。彼女の記憶がハッキリしていたら、ちゃんと受け入れて迷うことなんてなかったのに。でも、いろいろあって最後の最後に一緒になれたからこそ、最高の幸せが訪れたのかもしれません。

 

「眉が太い」で有名なリリー・コリンズさんが最高に可愛い

あとリリー・コリンズさん可愛いです。ちょっと困ったような表情を見せられると落ち着いて座っていられませんでした。最近はあまり見なくなりましたがエレン・ペイジさんを思い出すようなキュートな女性です(あくまでも個人的意見)。役柄も「ジュノ」みたいにうっかり妊娠してしまった!的な境遇もあってちょっと被ります。

ちなみに彼女のお父さんはグラミー賞シンガーでもあるフィル・コリンズさん。全英、全米で80年代を中心に活躍された方で、名前くらいは知っている人も多いと思います。

 

おわりに

事前情報を全く仕入れていなかったので、鑑賞前は静かで綺麗なロマンティックムービーを想像していたんですが、観終わってみると、恋愛は全然ダメダメで見ていてもどかしいばかりなのに涙と笑いと勢いで最後まで引っ張られてしまうというジェットコースタームービーでした。

恋愛ものというよりは、ロージーの山あり谷ありと慌ただしい12年間を、一緒に泣いたり笑ったり好きだとハッキリ言いなさい!とツッコミを入れたりできる人生ドラマのようでした。それだけに優しいだけ、楽しいだけじゃなくてたくさんの視点から考えることができて、恋愛とかコメディとか特定のジャンルに押し込めてしまうのはもったいないような気がします。

音楽もビヨンセが流れたりオシャレな曲が多かったし、どんな気持ちのときでも観られて幸せになれる素晴らしい映画でした。

(C)2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH

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