映画から「男たちの純愛」の美しさを考える

2015年9月15日

f_f_event_28_s128_f_event_28_0bg
この記事は、

「ハリー・ポッターと死の秘宝」
「華麗なるギャッツビー(2013年版)」
「そこのみにて光輝く」

この辺りのネタバレを含みますのでご注意ください。

最近になって昔を思い出す出来事がありました。当時好きだった人が結婚して無事に子供も生まれて、遠くで幸せに暮らしていると聞いたのです。その瞬間、自分が幸せにしてあげられなかった後悔と、少なくとも彼女は幸せになれたんだなという安心と、他にも様々な感情が混ざり合った複雑な気持ちが溢れ心の中で静かにサワサワと揺れました。

ずっと忘れていたはずなのに、その話を聞いたときに少し鼓動が早まりました。お互いすれ違いがあっての結果だったし、過去は二度と戻らない。まぁ今は今後の幸せを祈るばかりです。

 

スポンサーリンク

スネイプ先生が生涯かけて捧げた愛情

そんな少し切ない気持ちが最初に重なったのは「ハリー・ポッター」シリーズに登場するスネイプ先生でした。

彼の過去が明らかになるのは最終章の「ハリー・ポッターと死の秘宝」でしかも結構終わりに近いあたり。幼い頃に、後にハリーの母となるリリーに出会ったこと。リリーが犬猿の仲だったジェームズと結婚してしまったり、敵対する関係になってしまっても、彼女を救うためになりふりかまわなかったこと。リリーを救えなかった贖罪を背負うかのように、息子のハリーを影から見守り続けたこと。ずっとずっと、リリーのために生きていたこと。きっと闇の魔術に傾倒していったのも、強くなってリリーを守りたかったからなんでしょう。

最期は「リリーと目がそっくりだ」なんてよく言われていたハリーに看取られます。「僕の目を見て」と彼が最後に言った言葉の先には、幼い頃に出会ったリリーの姿があったのかもしれません。

知らない誰かと結婚して子供までいる人を一途に想い続けるなんてほんの少し前まで想像もできなかったけれど、今はスネイプ先生の気持ちが、なんだかわかるような気がするのです。

 

“狂乱の20年代”の中での一途な愛

一途と言えば「華麗なるギャッツビー」に出てくる大富豪、ジェイ・ギャッツビーも一人の女性を愛し続けた人でした。

1920年代の好景気に沸くアメリカ。ギャッツビーは戦争から戻ったらデイジーと結婚しようと考えていましたが、彼女はギャッツビーの帰りを待たずにトムという大富豪と結婚してしまいます。無理やり結婚させられたのだと思ったギャッツビーは、トム以上の富と名声を手にし、デイジーをもう一度振り向かせようと試みます。

愛情の全てを贅沢に変え、彼女の望む願いなら全てを叶えようとするギャッツビー。しかしトムに怪しげな生業や過去の生い立ちを暴露され、デイジーの心は離れていきます。

最初は、お金で愛は買えないのだという教訓を伝える内容なのかと思いましたが、彼の愛情を知った上で富と名声を持つ別の男を選んだのはデイジーであり、狂乱の時代を映し出した姿でもあります。ギャッツビーはただ彼女のためだけを想って、自分の人生全てを彼女を捧げようとしたのでした。その形が、目も眩むほどの派手で贅沢な生活しかなかったのかと思うと少しギャッツビーに同情してしまいました。

 

どん底に差し込む、一筋の光のような愛

「そこのみにて光輝く」では、どうしようもなく救いのないどん底の人生の中に差し込む光のよう愛情を描いています。

働きもせずブラブラと毎日を過ごしていた達夫は、パチンコ屋で偶然出会った拓児と知り合いになり、拓児の家で姉の千夏と出会います。二人は惹かれあいますが、達夫は過去のトラウマから人生に絶望し、千夏は町の権力者の愛人で夜は体を売って生活しているというお互い最悪の状態です。

そんな生活の中でお互いを必要とし始めた彼らは「家族になる」という希望を持ちます。達夫は過去の悲劇を乗り越えて千夏と生きようとし、千夏はそれに答え、今までの人生を清算して達夫と共に生きることを誓います。

しかし今の人生にがんじがらめになった二人の夢は簡単に他人の手で壊されてしまいます。それを知った拓児は頭に血が昇って凶行に及びます。単純ですぐカッとなるけれど心は優しい彼の目に映っていたのは、兄のように慕う達夫と、大好きな姉が幸せに笑っている姿だけだったのでしょう。

幸せになろうとする達夫と千夏だけではなく、その二人を自分のできること全てを持って守ろうとする拓児の真っ直ぐな姿も、愛なのだなぁと思うのです。

 

まとめ

普段は好んで恋愛映画を観たりはしませんが、どんな物語にもそれぞれの愛情とか優しさがちゃんと含まれていて、そう考えると恋愛というジャンルって何だろ?って疑問が湧いてきました。

今回は最近観た映画の中から男の純愛(っぽいもの)を取り上げましたが、次回はまたちょっと違うテーマでも考えてみたいと思います。

今の気持ちにピッタリ合うような映画をちょうど観ていたり、昔の映画を思い出して感情が重なってしまったり、そんな瞬間が訪れると、ちょっと映画の中の役になれたような気がするかもしれませんね。

スポンサーリンク