WRC(世界ラリー選手権) 2015 マシンとチーム紹介

2015年9月5日

wrc

WRC(世界ラリー選手権)の2015年シーズンも後半に入りました。もう年間チャンピオンが誰かではなく、セバスチャン・オジェ選手にいつ決定するかという話題になってしまっています。不景気が影響で参入チームが減ってWRCの人気がなくなったのは事実でしょうが、強すぎる人がずっと強いままなので面白くない!と思う人も多いかと思います。2004年から2012年まではセバスチャン・ローブ選手が、2013年からはセバスチャン・オジェ選手が連覇とセバスチャンだらけ。1人でもいいから彼らを脅かす存在が現れて欲しいところです。

今回は少し視点を変えて、彼らが乗るマシンをチェックしてみることにしました。今季は4社のメーカーのクルマが使用されています。それでは見ていきましょう。

2016年版はこちらで始めました。

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フォルクスワーゲン ポロR WRC

フォルクスワーゲンは日本でも人気があり、街中でもよくゴルフやビートルなどを見かけます。ポロはゴルフを少し小さくしたちょっとかわいいイメージ。実際購入者の半数以上は女性だとか。

そんなポロを改良しWRCに参戦したのは2013年。現在のエースドライバー、セバスチャン・オジェ選手が2012年のシーズンを捨ててこのクルマの開発に1年間を費やすという本気を見せたおかげで、いきなり13戦中10戦で優勝するなど最強のマシンとして2015年現在も君臨しています。

この車を使用しているのは2チームです。

 

Volkswagen Motorsport

Volkswagen Motorsport

ポロR WRCを開発したフォルクスワーゲン自身が運営するチームで、今季のWRC選手権を独走中のセバスチャン・オジェ選手と2位のヤリマティ・ラトバラ選手が所属しています。

ここまでの9戦でオジェ選手が6勝、ラトバラ選手が2勝と、この2人が同時にリタイアしない限り他の選手が優勝できないくらいの強さです。シーズン中盤からはラトバラ選手もミスしなくなったので、残り4戦もこのチームが優勝する確率はかなり高いと思います。

オジェ選手は我が強すぎてチームメイトとうまくいかない過去もありましたが、みんなから好かれるラトバラ選手とはうまくいっているようですね。来年も現状維持が決定しているので、少なくともトヨタが参戦する2017年を迎えるまでは独走状態が続きそうです。

 

Volkswagen Motorsport II

Volkswagen Motorsport II

こちらもフォルクスワーゲンが運営するセカンドチームで、アンドレアス・ミケルセン選手が所属しています。改良型マシンの投入が少し遅れたりとメインチームとは待遇に少し違いがあるものの、ミケルセン選手はチャンピオンシップ3位につけており、もう1人ドライバーを募集すればきっと入りたい人が続出することでしょう。

 

ヒュンダイ i20 WRC

日本でお目にかかることはありませんが、アメリカやインドでは販売が好調のi20というクルマをベースに開発されました。フォルクスワーゲンの参入から1年遅れの2014年から投入され、安定した性能と耐久性は多くの経験値を持つ他のチームに全く劣らず初年度から1勝を挙げるなど、すでにライバルチームと肩を並べる存在となりました。

 

HYUNDAI MOTORSPORT

HYUNDAI MOTORSPORT

このチームはi20を開発したヒュンダイが運営しており、若手の有力ドライバー、ティエリー・ヌービル選手をエースドライバーに据え、今一番新しくて成長が期待できるチームです。

もう一人は通常ダニ・ソルド選手ですが、開催イベントによってはハイデン・パドン選手がセカンドチームから繰り上がってくることもあります。コースに合わせてできるだけ良い成績が見込める選手を起用するという柔軟な態勢で、現在マニファクチャラータイトルで2位にまで上がってきました。

 

Hyundai Mobis World Rally Team

Hyundai Mobis World Rally Team

こちらもヒュンダイが運営するセカンドチームです。フォルクスワーゲンのセカンドチームと同じく、マシンの改良がメインチームより少し後回しになったりはしますが、強さでは全くメインチームと変わりません。特にハイデン・パドン選手はここ数戦、メインチームのヌービル選手よりの上で入賞したりと大活躍です。

パドン選手がメインドライバーとなっていて、イベントによってはメインチームとのシャッフルがあったり、もう1台追加してケビン・アブリング選手との2台態勢での参戦があったりと、もうほとんどメインとセカンドチーム合わせてヒュンダイチーム!といった感じです。これは1チーム原則2台までというルールがあるので、本当は1つにしたかったんじゃないかなと思います。

 

シトロエン DS3 WRC

丸っこい可愛さとフランス車らしいエレガントが融合した美しいデザインは、日本でも人気なようで街中でもよく見かけます。そんなDS3がWRCに投入されたのは2011年。デビューイヤーから戦闘力が高く、次の2012年まで2年連続のチャンピオンカーでした。しかしフォルクスワーゲンの参戦以降は性能に差をつけられ、苦戦が続いています。

 

Citroen Total Abu Dhabi WRT

Citroen Total Abu Dhabi WRT

かつてはセバスチャン・ローブ選手という天才と共にWRC9連覇を成し遂げた名門ですが、彼の引退後、成績はあまり芳しくありません。今期はクリス・ミーク選手がなんとか1勝を手にしたものの、クラッシュとリタイアの多さから来季の去就が危ぶまれています。もう一人のレギュラードライバー、マッズ・オストベルグ選手は安定した成績を残してはいますが、フォルクスワーゲン勢と戦うまでには至っていません。もう1人、スポット参戦で時々登場するドライバー、カリド・アルカシミ選手を交えて来季残留を懸けた戦いが水面下で起こっています。

そんなことするより、チームとドライバーが力を合わせてマシンの開発だけでなく総合力を高めていかなければならないと思うんですけどね。ある意味一番気になるチームです。

 

フォード フィエスタ RS WRC

アメリカ車といえばマッチョなイメージがありますが、フィエスタのデザインはスポーティかつ軽快で、どこかヨーロピアンな優雅さも感じられるコンパクトなボディ。そんなクルマをベースに作成されたのがフォード フィエスタ RS WRCです。ラリー車両を製作するMスポーツというファクトリーが開発・販売しているせいか、メーカーの独占供給ではなく、いろんなチームで使用されています。ラリー車両なんて売れるの?思ってしまいますが結構繁盛してるようです。Mスポーツ代表マルコム・ウィルソンさんの魂が入ったこのクルマを買えば、あなたもWRCに参戦できますよ。

 

M-Sport World Rally Team

M-Sport World Rally Team

2012年にフォードチームが撤退することになり一時はどうなることかと心配されましたが、車両の開発を行ってきたMスポーツという会社が自身のチームを設立し、フォードのWRCスピリッツは引き継がれることになりました。フォードからの支援は受けていますが、一つの会社が大きな製造メーカーたちを相手に戦いを挑むという大きなハンデを背負いながらトップチームの一角であり続けています。ドライバーも今期はエルフィン・エバンス選手。オット・タナク選手という個性的な若手を起用し、チームだけではなくドライバーも含めて成長しようとしている姿が伺えます。

 

Jipocar Czech National Team

Jipocar Czech National Team

こちらはチェコ出身のマーティン・プロコップ選手が自身で運営するチームです。メーカー直営チームではないのでプライベーターと呼ばれ(Mスポーツはメーカーの支援を受けているのでメーカー扱いです)、2014年ではプライベーターでトップの成績でした。今年も第4戦アルゼンチンで4位入賞などここまで優秀な成績を残しています。彼のように才能があってスポンサーが付けば、Mスポーツのフォードで自力参戦なんてことも可能なんですね。ちなみにJipocarはチェコに本拠地を置く運送会社です。

 

F.W.R.T.

F.W.R.T.

荷物の輸送コンテナからメカニックの服装まで、まるで軍隊のようなカラーリングはWRCイベントの中でも特に目を惹く存在です。イタリア人ドライバー、ロレンツォ・ベルテッリ選手が所属するこのチームは2012年に設立されましたが、今年からWRCに初参戦。第8戦フィンランドでついに念願の10位入賞で初のポイントをゲットしました。

スポンサーはどこなんだろうと調べてみたら、このベルテッリさんのお母さんはプラダのチーフデザイナー、ミウッチャ・プラダさん。そして彼女のお爺ちゃんはプラダ創業者のマリオ・プラダさん。ベルテッリさんはプラダの御曹司なのでした。そりゃお金持ってますわ。

 

RK World Rally Team

RK World Rally Team

最後は元F1ドライバー、ロバート・クビサ選手が率いるラリーチームです。 不運な事故で左手が不自由になりF1からは離れてしまいましたが、ラリードライバーとして復帰後、下位カテゴリーのWRC2でチャンピオンになりついに最高峰クラスへの参戦となりました。ただ、まだチーム運営がうまくいっておらず走り以前にいろいろと苦労が多いご様子です。早くドライブに専念できるようになってもう一度輝いて欲しいですね。ちなみにオフィシャルスポンサーはLOTOSという石油会社です。

 

まとめ

かつてはスバルや三菱なども参戦し活況を極めたWRCですが、サイズの小型化や迷走する規定に対応できず再参入するチームは多くありません。しかし2017年からはトヨタがヤリス(日本名ヴィッツ)で復活決定となり、ライバルメーカーたちにも良い刺激をあたえてくれることを期待しています。そして是非日本でもWRCイベントを開催していただきたい!

こちらの記事ではWRCの競技内容やルールについて書いていますので、ご興味のある方はどうぞ。

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